■ They Came to Cordura
ソーン少佐は敵地の中の基地から、勲章を与える5人のメンバーをコルドラ基地に連れ帰る任務を指示された。また敵軍に協力した女性ギアリーも連れ帰る。
ギアリーは勝手な行動をする。ソーンと5人には、それぞれ問題があり、もめごとが発生する。また敵にも攻撃される。


製作:1959年、原作:グレンドン・スワザウト、脚本、アイバン・モファット、ロバート・ロッセン、監督:ロバート・ロッセン


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 トーマス・ソーン(ゲイリー・クーパー) 少佐
 ウイリアム・ファウラー(タブ・ハンター) 少尉
 ジョン・チョーク(ヴァン・ヘフリン) 軍曹
 ミロ・トルビー(リチャード・コンテ) 伍長
 レンチハウゼン(ディック・ヨーク)
 アンドリュー・ヘザーリントン(マイケル・カラン)
 アデレード・ギアリー(リタ・ヘイワース) 牧場主
 


■ あらすじ

◆ メキシコの叛乱

1910年、メキシコではパンチョ・ピラの叛乱が発生した。1916年になって、パンチョ・ピラの勢力は国境を越えてアメリカに侵入した。

アメリカは、それを制圧するためにパーシング将軍の部隊を派遣し、メキシコ領内まで進軍した。

またメキシコ領内でアメリカ人の牧場主が叛乱軍に協力していた。

◆ ソーン少佐の任務

さて、パーシング将軍の部隊のソーン少佐は、戦功をあげた人物を選んで、勲章を授けるためにコルドラ基地に移動させる任務を指示された。

ただし対象者にはまだ勲章を受けるためであるとは知らされていない。また軍上部に提出するための戦功の内容は、現地で簡単に聞き取っただけであるため、きちんと内容を整理する必要がある。

それと、これが面倒だが、叛乱軍に協力したアメリカ人の女性の牧場主も一緒に届ける。基地への道程では、叛乱軍に襲われる危険がある。

いやしかし、それだけではなく、まだ問題がある。それは後で明らかになる。

◆ 出発

例の牧場は叛乱軍の軍事基地化しており、激しい戦いの後、やっとのことで占領することができた。

牧場主の女性アデレード・ギアリーは、さぞかし怖い思いをしていただろうと想像されたのだが、叛乱軍の幹部ともチャラい感じで親しそうに話していた。

ギアリーは「アメリカに戻る」と告げられると露骨に嫌な顔をした。連れて行っても、トラブルが起こりそうな雰囲気が流れる。

受勲対象の五人には理由は知らされておらず「特殊任務」と言っている。

この五人とソーン、ギアリーは出発することになる。ギアリーは叛乱軍の幹部や牧場の使用人に手を振って見送られた。

◆ ギアリー

コルドラ基地に向けて出発したが、ギアリーはデカい態度で大きな声で勝手なことを喋るので統制が取れない。

それとタバコを吸って、酒を飲んでいる。自分で持ってきたもの。他の者はタバコも酒はないので欲しがる。ギアリーはこれ見よがしに旨そうにタバコを吸う。それが他の者をいらだたせる。

もともとギアリーはコルドラには行きたくないので「少佐の給料は少ないでしょ。1000ドルではどうかしら?」とか「国境を越えたら釈放してちょうだい」と言う。

「父親は(州の)上院議員だった。自分は三回結婚した。最初の夫は射殺した」などと嘘とも本当とも分からないことを喋る。

またそれと一応女性なので、男性の中に一人だけ混じっていると危険であるという問題もある。

◆ 各自の情報を収集する

岩山が続く景色の中を何日も進んでいく。

ソーンは、そもそも彼らがどのように選抜されたのかはよく知らないので、旅の間に少しずつ聞いて手帳にメモをしていく。

そして特殊任務とは言っていたが、勲章を授与するためであることを明かす。

自分が戦功を上げたとはさらさら思っていなかったり、また犯罪を犯して逃れるために軍に入ったものがいたりして、必ずしも受勲したくないものもいた。

またソーンは、ある戦闘で敢然と戦うべきところを溝に隠れていたことがあり、その事実を知っている者もいた。

そのようなことで、ソーンと他のメンバーの間、さらにメンバー間には次第に不穏な雰囲気が漂ってきた。

◆ 敵に攻撃された

岩山の道を移動していると、敵の一団に攻撃された。陰に隠れる。とりあえず被害はないが、簡単には動けない。

夜になった。どうするか話す。「このまま動かなければ、そのうちに食料がなくなる、しかし動けば危険」と当たり前のことが話されて堂々巡りである。

朝になった。見えてはいるが、敵に動きはない。

ギアリーが提案。「敵の狙いは馬が欲しいから。彼らはみんな二人乗りだった。馬を渡せば大丈夫」と意外なことを言う。ただギアリーが言うことなので簡単には信用できない。

他に案がないので従うことにする。

馬を放すと勝手に走っていく。ここでギアリーも逃げようとしたが捕らえられた。

ともあれ出発することができた。コルドラまでは60キロくらい。しかしはっきりとは分からない。また山道なので、そう簡単ではない。

◆ 腸チフス

徒歩でトボトボと歩いて行った。

しかしヘザーリントンが病気で倒れた。腸チフスらしい。担架を作って四人で運ぶことになる。

これでさらにみんなの疲労と不満が蓄積されてくる。みんなが非協力的、反抗的になってくる。しかしギアリーだけが、ソーンに協力的になってくる。

まだまだ先が見えない。

◆ 線路にぶつかった

鉄道線路が見えた。線路に沿って進んでいく。しかしまだどのくらいあるのかは分からない。

トロッコが捨てられていた。若干の修理をして線路に乗せた。

手押しのハンドルで推進する機構になっているが、誰も押すものはいないのでソーンが押す。

しかしほんの少しだが上り坂になっている。なのでハンドルを押すのも疲れていく。

「もう基地を過ぎたかも」と言うやつも出てくる。

ソーンが倒れて車が逆走し始める。ギアリーが必死に止めた。

ソーンの指の皮がむけたので、今度はソーンは体にロープを巻き付けて引っ張ろうとする。

しかしソーンは倒れた。さらにソーンの拳銃を奪って殺そうとする。注、ソーンはメンバーの武器を奪って捨てさせており、武器はソーンの拳銃だけ。

◆ コルドラ基地が見えた

ソーンに拳銃がむけられた。

ソーンが持っていた手帳を探した。それはソーンがギアリーに「俺に何かあったら届けてくれ」と預けていた。ギアリーから手帳を奪った。

見てみると想像していたことと違って、メンバーを評価するようなことが並んでいる。

さて線路の両側は数メートルの土手になっている。土手を上ってみてみると、ずっと下りの斜面。その斜面の下に基地が見えた。

コルドラ基地っ!

みんなはコルドラ基地に向かって下りて行った。ソーンはやっと体を起こした。ギアリーが支えて下りて行った。
 


■ 出演作

ゲイリー・クーパー
モロッコ/Morocco(1930)
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
真昼の決闘/High Noon(1952)
(1941)群衆/Meet John Doe
(1932)武器よさらば/戦場よさらば/A Farewell to Arms
西部の男/The Westerner(1940)
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1954)悪の花園/Garden of Evil

◆ ヴァン・ヘフリン
(1940)カンザス騎兵隊/Santa Fe Trail
(1946/呪いの血/マーサの奇妙な愛情/The strange love of Marth Ivers
(1949)三銃士/The Three Musketeers
(1953)シェーン/Shane
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1965)偉大な生涯の物語/The Greatest Story Ever Told
(1965)駅馬車/Stagecoach

◆ リチャード・コンテ
(1946)記憶の代償/SOMEWHERE IN THE NIGHT
(1949)深夜復讐便/THIEVES' HIGHWAY
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1968)セメントの女/Lady in Cement
(1948)出獄/CALL NORTHSIDE 777
(1947)いのち短し/The Other Love
(1949)ならず者と墓荒らし/Big Jack

リタ・ヘイワース
(1939)コンドル/Only Angels Have Wings
いちごブロンド/Strawberry Blonde(1941)
血と砂/Blood and Sand(1941)
(1946)ギルダ/Gilda
カルメン/The Loves of Carmen(1948)
情炎の女サロメ/Salome(1953)
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
上海から来た女/THE LADY FROM SHANGHAI(1947)