■ Garden of Evil
フッカーたちはメキシコのミゲルに来た。酒場にいるとリーと言う女性が来て「落盤事故で夫が閉じ込められた。助けてほしい」という。
リーも含めて五人で救出に出かけるが、非常に遠いところである。それと先住民がいる。
夫のジョーを助け出して戻ろうとする。先住民の襲撃があり、次々と死亡者が出る。
他は死亡したがフッカーはリーを安全圏に届けた。


製作年:1954、監督:ヘンリー・ハサウェイ、脚本:フランク・フェントン、原作:フレッド・フリーバーガー、ウィリアム・ターンバーグ


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 フッカー(ゲイリー・クーパー) 元保安官
 フィスク(リチャード・ウィドマーク) 賭博師
 ルーク・デイリー(キャメロン・ミッチェル) 賞金稼ぎ
 ヴィセンテ・マダリアガ(ヴィクター・マニュエル・メンドーザ)
 ジョン・フラー(ヒュー・マーロウ) 採鉱者
 リー・フラー(スーザン・ヘイワード) ジョンの妻
 歌手(リタ・モレノ)

第2フェーズまではリーが「こいつは怪しい女だ」との印象を抱かせるようになっている。批判もあるだろうが、これはグッド。
 


■ 概要

本作は次の三フェーズにほぼ等分に分割されている。

フェーズ1:金鉱山に到着するまで
フェーズ2:金鉱山
フェーズ3:金鉱山からの帰路

先住民が登場する西部劇映画には、次のように分類できる。
1.先住民を敵=悪とみなすもの
2.先住民に理解をしめすもの
3.先住民を主人公とするもの

本作は1.である。
 


■ フェーズ1:金鉱山に到着するまで

◆ 金鉱山を目指して出発する

フッカー、フィスク、ルークの三人は、メキシコのミゲルに流れ着いた。

酒場で飲んでいたところ、その酒場にリーという女性が駆け込んでくる。ずいぶんと慌てている。

「落盤事故で夫が閉じ込められた。助けてほしい」と言う。ずいぶんと遠い場所らしい。

リーは1000ドルの報酬を提示したが、地元の人間は、先住民の土地なので行きたがらない。

三人は一人2000ドルの報酬と言うことで引き受けた。酒場にいたヴィセンテも一緒に出発する。

◆ 絶壁の道

町を出て原野を走っていく。巨大な岩山に差し掛かった。左側ははるかにそそり立つ絶壁、右側は谷を見下ろす絶壁。

この道が長く続く。ほんの少しでも間違うと谷底に落ちてしまう。途中で道が2メートルほど途切れておりジャンプして飛び越える必要がある。

それを過ぎると、森や原野が続く。途中で先住民に破壊された村がある。

何日もかかる長い道のりである。リーは地図を持っており、これを見て進んでいくが、他人には地図を見せない。

ヴィセンテは、ところどころに印をつけていく。しかしリーは、その印を破壊する。
 


■ フェーズ2:金鉱山

◆ 悪の花園

もともとは都市があったところだが、火山の噴火で廃墟となり、教会の尖塔が残ってはいるが、他は溶岩に覆われていた。

神父はそれを「悪の花園」と呼んだ。先住民は火山を神聖なものと考えている。火山の噴火は神の怒りである。

◆ ジョンを助け出す

金鉱山に到着した一行はまず第一にジョンを助け出す。坑道の中に入り、土砂と壊れた木材を取り除いてジョンを助け出す。

ジョンを抱えて、小屋の中のベッドに寝かせた。脚を骨折しているので、添え木を当てて手当てする。

ジョンは助けられたが、フッカーたちを怪しんでいるようである。またリーのことも信用していないようである。

◆ 先住民の狼煙

フッカーは山の上に狼煙が上がるのを見た。早急にここから退避する必要がある。

ジョンはケガをしているので、担架を作って馬二頭で吊り下げることにした。

しかしジョンは「馬に乗ってみる」と言うのでやってみる。手伝いが必要だが、なんとか乗ることができた。

◆ 出発

ここでリーが「自分はここに残る」と言う。その意図をみんなは訝ったが、残って火を焚いて先住民にまだ人がいるように偽装するためであるとのこと。

フィスクは「自分も一緒に残る」と言うがリーが拒否した。

いざ出発と言うときに、フッカーはリーを殴り倒した。気を失ったリーを馬の背に乗せて出発した。
 


■ フェーズ3:金鉱山からの帰路

◆ 三人が殺された

六人は出発した。先住民の追跡が続く。

ジョンは自分の状態がみんなの速度を遅くしていることを懸念した。デイリーに馬に乗せてもらい姿を消した。

それを見つけたフッカーはデイリーに拳銃を向けたが、デイリーは背後から矢で撃たれて死亡した。

みんなは行方不明になったジョンを探した。ジョンは原野の真ん中で十字架に逆さまに吊るされて死亡していた。

さらに次の日、ヴィセンテが殺された。

◆ 絶壁の道

来るときに苦労して通過した絶壁の道にきた。

しかしここは防御するにはよいところである。岩の後ろに隠れて絶壁の道を進んで来る敵を撃てば、なかなか敵は攻めてこられない。狭い道を一列になって進んでくる。

フッカーは「ここに残って敵を迎え撃つ」というがフィスクも同じことを言い出した。

結局トランプを出して賭けをした。フィスクが残ることになった。

フィスクは向かってくる敵を一人ずつ狙い撃ちした。

◆ フッカーは引き返した

フッカーとリーは、馬に乗って離脱した。絶壁の道を通り過ぎれば安全である。

さてフッカーは、フィスクが先ほどの賭けで不正をしたことが分かった。フィスクはわざと賭けに負けたのである。

もとの場所に行ってみるとフィスクは瀕死の状態。フィスクの死を看取った。

フッカーはリーのところに戻った。
 


■ 出演作

ゲイリー・クーパー
モロッコ/Morocco(1930)
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
真昼の決闘/High Noon(1952)
(1941)群衆/Meet John Doe
(1932)武器よさらば/戦場よさらば/A Farewell to Arms
西部の男/The Westerner(1940)
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1954)悪の花園/Garden of Evil

◆ リチャード・ウィドマーク
(1947)死の接吻/Kiss of Death
(1950)街の野獣/Night And The City
(1953)拾った女/Pickup on South street
(1954)折れた槍/Broken Lance
(1956)太陽に向って走れ/Run for the Sun
(1948)深夜の歌声/Road House
(1954)悪の花園/Garden Of Evel

スーザン・ヘイワード
(1942)奥様は魔女/I MARRIED A WITCH
(1938)黄昏/THE SISTERS
(1951)狙われた駅馬車/Rawhide
(1942)絶海の嵐/Reap the Wild Wind
(1946)暁の死線/タイムリミット25時/DEADLINE AT DAWN
(1958)私は死にたくない/I Want to Live!
(1947)私は殺さない/THEY WON'T BELIEVE ME
(1954)悪の花園/Garden of Evil