■ Stagecoach(1939)/妊娠している女性が出産、アパッチの襲撃


製作:1939年、脚本:ダドリー・ニコルズ、監督:ジョン・フォード   予告編   フル動画


■ あらすじのあらすじ

ローズバーグ行きの駅馬車が出発。乗客は妊娠中のルーシー、町を追放された娼婦のダラスなど。出発後、父と弟の仇を取るために脱獄したリンゴ・キッドが乗ってきた。

みんな娼婦のダラスには冷たい。しかしダラスとリンゴは、お互いに気に入ったようである。

二番目の駅でルーシーの夫が負傷したとの知らせが入り、ルーシーが倒れて陣痛が始まった。ダラスと医師のブーンが世話をして無事出産。

リンゴはダラスに申し込み、ダラスの勧めでリンゴは、駅馬車を離脱しようとするが、アパッチの狼煙を目撃したために中止。

渡し場が焼き討ちされていたので、馬車に丸太を括りつけて筏にして川を渡った。

終点間近となったところでアパッチの襲撃。しかし危ういところで騎兵隊が駆けつけた。

終点到着後リンゴは仇のプラマー三兄弟と決闘する。
 


■ あらすじ

◆ 出発

1939年のアメリカ映画。時代設定は1885年。ちなみに南北戦争が1861-1865。駅馬車とは長距離の乗合馬車で、いくつかの駅を経由して終点の駅まで走っていく。本作の駅馬車はアリゾナ州トントからニューメキシコ州ローズバーグ行。乗客・乗員は次の通り。

・ブーン(トーマス・ミッチェル)-医師、アル中
・ルーシー(ルイーズ・プラット)-騎兵隊大尉の妻、ヴァージニアから夫に会いに来ている、妊娠中で出産も近い
・ピーコック(ドナルド・ミーク)-酒商人
・ダラス(クレア・トレヴァー)-娼婦、町を追放された
・ハットフィールド(ジョン・キャラダイン)-賭博師
・バック(アンディ・ディバイン)-御者
・カーリー・ウィルコック(ジョージ・バンクロフト)-保安官

出発後にヘンリー・ゲートウッド(バートン・チャーチル)が乗り込む。銀行勤めで五万ドルを横領して逃亡中。さらに後にリンゴ・キッド(ジョン・ウェイン)が乗り込んできた。

リンゴは刑務所に囚われていたが、父と弟を殺したプラマー三兄弟を仇討ちするために脱獄した。500ドルの懸賞金。三兄弟はローズバーグにいる。カーリーはリンゴの目的を知っておりリンゴの銃を預かった。

◆ 終点までをざっと

ジェロニモ率いるアパッチ族が居住地を出たとの情報があつたが、次の駅のアパッチウェルズに向けて出発。騎兵隊の護衛付き。

アパッチウェルズに無事到着、しかし次の駅ドライフォークまでは騎兵隊はつかない。隊長によれば「そのように指示されてない」とつれない。護衛なしで行くか、あるいはここから戻るかという議論になるが、結局出発することになる。

ドライフォークには無事到着。しかしここでルーシーの夫マロリー大尉が戦闘で負傷してローズバーグに運ばれたとの情報を聞く。ルーシーはショックで倒れて、おまけに陣痛が始まった。ブーンとダラスが対応し無事に女児が誕生。アパッチの件があるがルーシーが出産したばかりなので出発はいったん延期。

しかしリンゴが遠くにアパッチの狼煙を発見し、慌てて最終目的地のローズバーグへ出発した。途中の川の渡し場が焼き討ちされており、船も使えなくなっていた。馬車の両側に丸太を括りつけて筏にして川を渡った。

もうすぐ終点ということで安心した。しかし岩山の上からアパッチの一団が駅馬車を眺めている。一団は岩山を駆け下りて駅馬車を襲撃。銃が使える五人が応戦し奮戦するが、弾を撃ち尽くし、追いつかれて包囲された。

しかしここで突撃ラッパが聞こえてきて騎兵隊が助けに現れた。というこてでローズバーグへ無事到着。ちょっと解決方法が安直という気がするが、それは不問。

◆ ダラスとリンゴ

ダラスがみんなからのけ者にされている。それは娼婦だから。みんなの視線が厳しい。

アパッチウェルズで出発するか戻るかと問題になった時「まずご婦人の意見を」とルーシーに話が向けられが、ダラスの意見は聞こうとしない。

ルーシーには水筒の水がコップ付きで回ってくるがダラスには回そうとしない。それに対してクレームがつくと、やっとダラスに水筒が(コップなしで)回ってくる。

しかしダラスは親切な女性である。ルーシーが気分が悪そうなので優しい言葉をかける。しかしルーシーは反応しない。大尉が怪我をしたと聞いた時も声をかけるがルーシーは無視する。

だがダラスとリンゴは、お互いにちらちら相手を見ている。目があってしまうと慌てて目をそらす。

ドライフォークでルーシーが産気づいた時、ダラスは親身になって世話をする。また他の人に「お湯を用意して」などとテキパキと指示をする。酔っ払いのブーンも濃いコーヒーを何杯も飲んで冷水を顔にかけて酔いを醒ましてルーシーの面倒を見る。

女の子か生まれる。外に涼みに出たダラスにダラスにリンゴは「国境の向こうに牧場がある、一緒に暮らそう」とプロポーズする。ダラスは答えを躊躇する。

ダラスは徹夜でルーシーと生まれた赤ん坊の面倒を見る。ルーシーは(その前のダラスへの仕打ちのお詫び付きで)お礼を言う。ダラスはプロポーズされたことをブーンに相談する。ブーンは考えた後「何とか頑張ってみろ」と言う。ダラスは笑顔。

リンゴがダラスに「プロポーズの返事をもらってない」と言ってくる。いろいろ言いあいになるが、ダラスは「ローズバーグで三兄弟と決闘しても勝つかどうかはわからないので、このままここからに逃げて」と説得する。ダラスは「ルーシーと赤ん坊のことがあるので後から行く」と言う。リンゴが馬に乗って逃げようとした時に、遠くの山にアパッチの狼煙を発見する。

◆ 決闘

ローズバーグに到着した。プラマー三兄弟は酒場でたむろしていたが「リンゴが来た」と知って、さらにもう一杯飲んで気合いを入れて銃を持って酒場を出る。

リンゴはカーリーに「脱獄したことの刑期は?」と聞いた後、二つ願い事をする。「ダラスを牧場まで送ってくれ」「10分時間をくれ」。そして銃を持って三兄弟との対決に向かう。注、リンゴは三発だけ銃弾を残していた。

決闘の場面は表示されないがリンゴの勝利。カーリーとダラスのところに戻ってきた。そしてカーリーはリンゴとダラスを馬車に乗せて(牧場へ)送りだした。
 


■ 蛇足

字幕と英語のセリフに「ドライフォークまでは我々が護衛する」とあるが、実際はそうなっていない。騎兵隊はアパッチウェルズまでしか護衛しない。
 


■ 出演作

ジョン・ウェイン。出演作はやたらと多いので見てほしいもの。「拳銃の町/Tall in the Saddle(1944)」共演はエラ・レインズ。アーリー(エラ)のキャラクタが素晴らしい。「赤い河/Red River(1948)」 モンゴメリー・クリフトと共演。コリーン・グレイも出演してるけど、ほんの少し。「黄色いリボン/She Wore a Yellow Ribbon(1949)」。コメディだけど「マクリントック/McLintock!(1963)」モーリン・オハラと共演。

トーマス・ミッチェル。脇役でやたらと出演。「コンドル/Only Angels Have Wings(1939)」ケーリー・グラント、ジーン・アーサー。「暗い鏡/The Dark Mirror(1946)」オリヴィア・デ・ハヴィランドが二役。これは必見。「真昼の決闘/High Noon(1952)」ゲイリー・クーパーと共演。

ドナルド・ミーク。「海賊ブラッド/Captain Blood(1935)」エロール・フリン、オリヴィア・デ・ハヴィランドと共演。

ジョン・キャラダイン。「海賊キッド/Captain Kidd(1945)」「ペギー・スーの結婚/Peggy Sue Got Married(1986)」。
 

クレア・トレヴァー
(1939)駅馬車/Stagecoach
掠奪の町/Texas(1941)
(1943)ブロンドの殺人者/MURDER, MY SWEET
(1941)無法街/Honky Tonk
(1948)脱獄の掟/RAW DEAL
アレゲニーの反乱/ALLEGHENY UPRISING(1939)