■ Red River/1948
トーマス・ダンソンは14年をかけてテキサス州に大牧場を作り上げた。
しかし牛を売りさばくことができず、ミズーリ州まで9000頭の牛を赤い河/ジョン・ウェイン、モンゴメリー・クリフト/多数の牛を連れていくがメンバーが反発する連れていくことを計画する。
一方カンザス州アビリーンに鉄道が開通したという情報がある。これであればかなり近くなる。
トーマスはメンバーの意見を無視して強引にミズーリを目指す。メンバーはついにトーマスに反抗する。
製作:1948年、脚本:ボーデン・チェイス、チャールズ・シュニー、監督:ハワード・ホークス 予告編/a> 予告編
■ はじめに
登場人物(キャスト)
トーマス・ダンソン(ジョン・ウェイン)
フェン(コリーン・グレイ) トーマスの恋人
ナディン・グルート(ウォルター・ブレナン)
マット・ガース(モンゴメリー・クリフト)
テス・ミレー(ジョアン(ジョーン)・ドルー)
チェリー・ヴァレンス(ジョン・アイアランド)
メルヴィル(ハリー・ケリー) 牛の仲買人
カンザス州の東がミズーリ州。アビリーンはほぼ長方形のカンザス州の東から三分の一くらいのところ。蛇足だがテキサス州にもアビリーンがある。注、「カンサス」と書いているものが多いが「カンザス」が正しい。
「Red River」はテキサス州を流れるミシシッピの支流。
私の好きなコリーン・グレイの出番が少なくて残念。
■ あらすじ
◆ 幌馬車隊を離脱し牧場を作る
場所はテキサス州。トーマス・ダンソンとナディン・グルートは、牧場を建設することを決意して幌馬車隊を離れた。
恋人のフェンは「一緒に」と言ったが、大きな困難を伴うので、幌馬車隊と一緒に行かせた。その時にトーマスは、母親から貰ったブレスレットをフェンにプレゼントした。
幌馬車隊と別れてすぐに、その方向で銃声がした。幌馬車隊が襲われたようである。
その夜、野営をしているとトーマスとナディンも襲撃された。襲撃を撃退して、相手の腕を見ると、フェイに渡したブレスレットをしていた。
次の日「家族を殺された」という少年が現れた。マット・ガース。マットも加えて、当地に牧場を建設することにした。
二人の男がきて「ここは、ドン・ティエゴの土地だ」と言われるが「いや、俺の土地だ」と反論。
一人が拳銃で撃ってきたので反撃して射殺した。もう一人は帰っていった。
◆ ミズーリへ行くことを決意
14年後、南北戦争の後、広大な牧場ができて、多数の牛を飼っている。しかしテキサスでは牛を売るだけの市場はない。
トーマスは、約9000頭の牛をミズーリ州まで移動させることを決意した。途方もない大事業である。
働いているメンバーに、それを告げて、ついてくるかどうかを選択させて署名させる。「署名すれば、離反は許さない」と申し渡す。
目的地はミズーリだが「カンザスにも鉄道が通じているはず」と言う者がいる。しかしトーマスはミズーリを目指すという。
◆ 「アビリーンには鉄道」
途中で、さまざまな困難に出会う。メンバーの逃亡、牛の暴走。
トーマスは、メンバーを厳しく律していく。それは困難な旅程をこなしていくためには、仕方がないことではあるが、メンバーは不満を募らせていく。
ある時、カーウッドという人物が馬でやってきた。同じように牛を移動させていたのだが、盗賊に襲われたらしい。
そしてカーウッドから「アビリーンに鉄道が通じている」という情報がもたらされる。
メンバーは「アビリーンに行こう」と言うが、またしてもトーマスはミズーリ州に固執する。
◆ トーマスが取り残される
三人が弾薬や食料を持って逃げる事件が発生した。トーマスはチェリーに三人を捜索するように指示する。
その間も強行軍を続ける。前からの蓄積でトーマスに対する不満が高まっている。
チェリーが二人を連れて戻ってきた。トーマスは「二人を絞首刑にする」という。
ここまできて、マットが反対する。マットは不満はあっても今までトーマスに従ってきた。しかし今までのマットの態度とはまったく違っている。
トーマスとマットが拳銃で対決する。マットが勝つ。
マットは「アビリーンに行く」と宣言する。みんなマットについていく。
トーマスは一人で取り残された。「俺が行くのを待ってろ」と捨て台詞。
◆ 幌馬車隊を助ける
アビリーンに向かって出発した。牛が矢で殺されていた。先住民のメンバーに確認するとコマンチの矢だそうである。偵察を出した。
偵察が戻ってきた。30キロくらい先に幌馬車隊を見つけた。ニューオーリンズに行くらしい。
さらに進んでいくと、銃声が聞こえてきた。幌馬車隊が取り囲まれて襲撃されている。
マットはメンバーを三方向から進ませて敵を撃破した。
◆ テス・ミレー
幌馬車隊との間でパーティが開かれた。女性もわりといる。
マットはテス・ミレーという女性と話した。テスは先般の戦闘で右肩を負傷していた。マットは子供の時にトーマスに拾われて、牧場を大きくし、牛を連れてテキサスを出発して、トーマスと対立して、ここまで来たことを話した。
マットはトーマスとフェンのことを話して、トーマスから譲り受けていたブレスレットをテスに渡した。
次の日は雨模様の天候になったので、マットは川を渡れるうちに出発することにした。テスは一緒に行きたいと言ったが、マットは断った。
◆ トーマスとテスが会う
トーマスは10人ほどを連れて、マットたちを追いかけていた。トーマスはテスの幌馬車隊に出会った。マットたちが出発して8日後である。
トーマスとテスが会って話した。テスの腕にあったブレスレットを介して二人はお互いのことを認識した。
トーマスが出発する時に、テスは「連れて行ってほしい」と言って、幌馬車隊を離れてマットを追いかけた。
◆ マットはアビリーンに着いた
マットは部隊を率いて進んでいった。アビリーンには鉄道が通っているはずだが、絶対の確信があるわけではなかった。
しかし機関車の警笛が聞こえてきた。丘の上に上ると線路が見えて列車が走ってきた。
運転士は牛が線路を横切るのを待ってくれた。その間に運転士と話した。アビリーンの位置を教えてもらった。
アビリーンに着いた。町を牛が埋め尽くした。出発した時には9000頭、旅の途中で少しばかり減ったが、それでも膨大な数である。
メルヴィルと言う買い取り業者と会った。マットは相場が分からなかったので、躊躇していたが、メルヴィルはぜひとも買いたいということで、業者としての最高値の一頭あたり21ドルを提示した。
契約をしたが、うち5万ドルはトーマス宛てにしてもらった。注、正確な頭数は示されない。それと連れてきた牛は、他の牧場主所有の牛も入っている。
◆ トーマスが来た
マットがホテルの自分の部屋に入るとテスが待っていた。トーマスが5キロくらい離れたところに野営しているらしい。テスは「彼に何を言っても無駄。逃げて」と言った。
マットはトーマスを待った。
トーマスが来た。10人くらいの先頭。馬を下りた。手下を待たせてマットに近寄ってきた。町の人々やマットの仲間が見守っている。
トーマスがマットの前に立った。「(拳銃を)抜け」と言うがマットは無反応。トマスは脅しで引き金を引いた。何発も発射した。それでもマットは無反応。「やっぱりお前は甘いな」。
トーマスはマットを殴った。マットはしばらく殴らせるままにしていたが、そのうちに殴り返した。二人はずっと殴り合った。勝負がつかない。
拳銃の音がした。テス。さらにテスが拳銃を向けて二人を制止した。
トーマスは「あいつ(テス)と結婚しろ」と言うと、マットは「そうだな」と言って、トーマスとマットは仲直りした。
■ 出演作
◆ ジョン・ウェイン
「駅馬車/Stagecoach(1939)」
「黄色いリボン/She Wore a Yellow Ribbon(1949)」
「拳銃の町/Tall in the Saddle(1944)」
「マクリントック McLintock! (1963)」
◆ コリーン・グレイ
(1947)悪魔の往く町/Nightmare alley
(1947)死の接吻/Kiss of Death
(1953)アリバイなき男/Kansas City Confidential
(1948)赤い河/Red River
(1956)現金に体を張れ/The Killing
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(1961)幻の惑星/The Phantom Planet
(1951)アパッチの太鼓/Apache Drums
(1950)大病院殺人事件/The Sleeping City
◆ ウォルター・ブレナン
(1936)激怒/Fury
(1940)西部の男/The Westerner
(1940)スワンプ・ウォーター/Swamp Water
(1941)群衆/Meet John Doe
(1944)姫君と海賊/The princess and the pirate
(1946)荒野の決闘/My Darling Clementine
(1948)赤い河/Red River
(1950)彼女は二挺拳銃/A Ticket to Tomahawk
(1950)峡谷の銃声/Singing Guns
(1952)ジャングルの逃亡者/Lure of the Wilderness
◆ モンゴメリー・クリフト
(1948)赤い河/Red River
(1949)女相続人/The Heiress
(1949)陽の当たる場所/A Place in the Sun
(1953)終着駅/Terminal Station
(1948)山河遥かなり/The Search
(1953)私は告白する/I Confess
◆ ジョン・アイアランド
「荒野の決闘/My Darling Clementine(1946)」
「OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral(1957)」
「ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/THE WALKING HILLS(1949)」
「誇りを汚すな/THE RETURN OF JESSE JAMES(1950)」
「脱獄の掟/RAW DEAL(1948)」