外交官のタルボットは「列車強盗のペルティエ」として脅された。裁判になったが、サローという証人が現れて無罪となった。
だが今度はサローが「タルボットはペルティエ」と言って金を要求した。アレインという歌手も写真を持ってきて同じことを言う。
タルボットは当時の記憶を失っており、自分がペルティエであると思い始めた。
製作年:1942、監督:Jack Conway、脚本:Guy Trosper、John H. Kafka、Howard Emmett Rogers
■ はじめに
登場人物(キャスト)
デイヴィッド・タルボット(ウィリアム・パウエル)
ルシエンヌ・タルボット(ヘディ・ラマー)
カルロス・ル・デュック(ウラジミール・ソコロフ)
ミシェル・アレイン(クレア・トレヴァー) 歌手
ヘンリー・サロー(ベイジル・ラスボーン)
アンドレ・テシエ博士(Felix Bressart) 心理学者
アレックス・デュブロック博士(Sig Ruman) 心理学者
■ あらすじ
◆ タルボットは脅迫された
1935年。デイヴィッド・タルボットはフランスの新進外交官である。さらに若い妻ルシエンヌと結婚したばかり。
だが彼の元に男カルロス・ル・デュックという男から「お前の正体を警察にばらす」と脅迫状が届き、100万フランを要求された。
タルボットは警察に連絡したうえで、偽の紙包みを受け渡し場所に置いた。
警察は現れたル・デュックを逮捕し、ル・デュックは裁判にかけられた。
◆ タルボットは記憶喪失だった
だがル・デュックの弁護士は逆にタルボットを悪人のジャン・ペルティエという人物であると告発した。
列車強盗事件があり、200万フランが奪われた。その時に事故が発生し、犯人の一人が死亡した。犯人の中にペルティエがいた。
タルボット側はペルティエであることを否定し、ル・デュックが強要罪で有罪になったことがあると主張した。
すなわち双方の主張は真正面から対立した。
タルボットも同じ列車に乗車しており、列車事故で記憶喪失になった。その当時の記憶は今でも回復していない。
この点がタルボットのウィークポイントだが、ずっとタルボットを治療していた心理学者のアンドレ・テシエ博士が保証した。
◆ 生き残ったのはどちらなのか?
だが相手側の心理学者アレックス・デュブロック博士が反論し、テシエ博士の診断が必ずしも信頼できないことが証明された。
タルボットが列車に乗った後、もう一人の似た男ペルティエが列車に乗り込んだ。この後に強盗事件と事故があった。
ミシェル・アレインという歌手が証人となり「タルボットはペルティエではない」と証言した。
生き残ったのがタルボットなのかペルティエかが不明である。しかも「タルボット」本人が記憶喪失である。
◆ 意外な証人が現れた
タルボット不利の状況で裁判が展開した。だが意外な証人が現れた。アンリ・サロー。
彼は事故でケガをする前のタルボットを知っていると主張し、タルボットがペルティエではなくタルボットであることを証言した。
ル・デュックは有罪となり、タルボットは勝訴した。
◆ 無罪となったが、さらに脅迫された
裁判は終了した。その後サルーはタルボット家のパーティに現れて、ル・デュックと同じく100万フランを要求した。
裁判の時とは逆にタルボットはペルティエであり、事件の200万フランを奪ったと主張した。
タルボットはサルーを屋敷から追い出した。
このような展開の中でタルボットとルシエンヌの仲はギクシャクしてきた。
◆ ミシェル・アレイン
今度はアレインが屋敷を訪れた。こちらも裁判の証言とは違うことを言う。
彼女はタルボットがペルティエである証拠として二人が映っている写真が入ったロケットを見せた。
ここにおよんでタルボットは自分がペルティエであると判断した。タルボットはアレインに教えられたペルティエの母親を訪ねた。
一方、ルシエンヌは、タルボットが本当にペルティエであったとしても愛を貫く決意を固め、自分が持っている宝石をサルーに渡すことを考える。
◆ サルーは逮捕された
サローは100万フランの支払い期限を通知し、応じなければ警察に訴えると脅した。
タルボットは覚悟を決めたが、当面100万フランは持っておらず、外交機密の支払いのために用意されている金を使うことにした。
タルボットはサルーに彼のオフィスに来るように通知した。一方で彼は警察に通報した。
サルーが入ってきて金を要求した。
だがしかし警察が入ってきて、サルーを逮捕した。
◆ 種明かし
タルボットはアレインが持ってきた写真を証拠として、自分がペルティエであると思ったのだが、実は写真が偽造であることを発見した。
タルボットは列車事故の後、頭を負傷をしていたので、髪の分け目を反対にした。
だがアレインが持ってきた写真は、現在の分け目と同じだったので、写真が偽造であると気が付いた。
補足。本作の論理は、この通りであるが、論理としては、かなり弱いと言わざるを得ない。
◆ ハッピーエンド
タルボットとルシエンヌの中は修復した。今後の出世も間違いないようである。
■ 出演作
◆ ベイジル・ラスボーン
(1935)海賊ブラッド/Captain Blood
(1938)ロビンフッドの冒険/The Adventures of Robin Hood
(1944)情炎の海/Frenchman's Creek
(1935)嵐の三色旗/二都物語/A Tale of Two Cities
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo
(1940)怪傑ゾロ
◆ クレア・トレヴァー
(1939)駅馬車/Stagecoach
(1941)掠奪の町/TEXAS
(1943)ブロンドの殺人者/MURDER, MY SWEET
(1941)無法街/Honky Tonk
(1948)脱獄の掟/RAW DEAL
(1939)アレゲニーの反乱/アリゲニー高原の暴動/ALLEGHENY UPRISING
(1943)無頼漢/Desperadoes
(1942)タイムスリップ殺人事件/Street of Chance
スパルタカス/Spartacus(1960)
(1955)星のない男/Man Without a Star
(1941)掠奪の町/TEXAS
◆ ヘディ・ラマー
(1945)夢のひととき/Her Highness and the Bellboy
(1946)奇妙な女/The Strange Woman
(1949)サムソンとデリラ/Samson and Delilah
(1947)退職した女/Dishonored Lady
(1941)結婚を買う女/Come Live With Me
(1958)女優と養女とエキストラ/The Female Animal
(1950)銅の谷/Copper Canyon
(1940)石油ブームの町/Boom Town