■ Copper Canyon
南北戦争終了後、拳銃の技を披露しているジョニー・カーター(レイ・ミランド)は銅鉱山があるコッパー・タウンにきた。
南部側だった多くの人が鉱山で働いている。だが南部出身者に対する差別があり、掘り出した鉱石を精錬所で買い取ってくれない。会社で働いしても安い給料で酷使される。
さらにこの町は悪徳保安官のレイン・トラヴィス(マクドナルド・ケリー)が支配していた。
ジョニーは労働者たちに協力を要請された。最初は協力を拒否していたが、いくつか事件があり、彼らに協力するようになった。
最後は労働者たちと、保安官一味と鉱山側の対決になる。


製作年:1950、監督:John Farrow、脚本:Jonathan Latimer、原作:Richard English


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)
ジョニー・カーター(レイ・ミランド)
リサ・ローゼル(ヘディ・ラマー) 酒場の経営者
キャロライン・デズモンド(モナ・フリーマン)
レイン・トラヴィス(マクドナルド・ケリー) 悪徳保安官
モス・バルフォア(フランシス・ピアロット) 精錬所のオーナー
ヘンダーソン氏(イアン・ウルフ)

◆ 補足

本作は登場人物がかなり分かりにくい。最初に名乗るとか分かりやすくしてほしい。

マクドナルド・ケリーが悪徳保安官にぴったりなのが笑える。

キャロライン・デズモンドとデズモンド大佐の苗字が一致しているが無関係と思われる。

へディ・ラマーはわりと悪女役が目立ってはいるが、マジメな役もコメディもこなす女優である。出演も多い。

モナ・フリーマンは画家でもあり歌手でもある。悪役はしていないので、その意味ではヘディに比べて役の幅は狭いとも言える。だが「出会ってよかった」と思える女優である。最初に見たのは「(1952)天使の顔/Angel Face」。

◆ キャロラインと兵士

キャロラインと名前不明の兵士が面白い。

兵士がキャロラインを突然訪ねてきてプロポーズをする。キャロラインは1.....、2......、3.....と項目を上げてきっぱりと断る。

用事があってキャロラインが酒場に行く。そこで酒飲みに絡まれる。それを兵士が阻止する。酒場はまともな女性が行くところではない。

二人が町で手をつないで歩くようになつた。

さらに二人がダンスをした。

この兵士は、労働者側に味方して行動する。悪人側の集結状況を労働者側に知らせる。キャロラインは労働者側の会合に参加している。
 


■ あらすじ

◆ ジョニー・カーター

南北戦争終了後、ある町に、拳銃の曲撃ちを披露するジョニー・カーターが来た。

舞台に上がって拳銃の術を披露する。いろいろなものがあるが、凄いものを紹介すると、馬車の車輪をぐるぐる回して弾を発射する、すべての弾がスポークに当たらずに反対側に通り抜ける。鏡を見て後方のターゲットに当てる。

この演技を近くにある銅の町「コッパー・タウン」から来た三人の人物が見ていた。

◆ コッパー・タウンの状況

彼らは元南軍兵士で、今は銅鉱山で働いている。「元南軍」という差別に加えて、劣悪な環境で低賃金で働かされている。

また南部出身者が掘った銅鉱石は精錬所では受け付けてもらえない。

三人だけではなく、多くの労働者か不満を持っている。

そして悪徳保安官レイン・トラヴィスが支配しており、腐敗が横行している。

三人はカーターを元南軍のデズモンド大佐ではないかと話し合った。「彼ならば、この困難な状況を打開できるのでは?」と期待した。

だがカーターは大佐であることを否定した。

◆ 銅鉱石を秘密裏に輸送する

さらに南部出身者が採掘した銅鉱石が盗まれて、勝手に精錬所に運ばれて精錬された。

怒った南部出身者は精錬所に押し掛けたが、トラヴィスたちに銃を突きつけられ、さらに殴られた。

コッパータウンにカーターを含む演芸団がが訪れた。

ヘンダーソン氏は、銅鉱石を奪われないように秘密裏にメサ市まで運ぶ計画を立てる。注、別の精錬所か?

この件でもカーターに協力を要請したが、カーターは拒否した。

夜、銅鉱石を積んだ荷馬車が出発。トラヴィスと通じているリサ・ローゼルがそれをトラヴィス一味に知らせる。

一方、カーターはリサが経営する酒場の二階の部屋で飲んだくれている。注、西部劇に頻出する「一階酒場、二階ホテル」の構造。

◆ カーターが動いた

朝になった。荷馬車は岩山の間を走っている。そして岩山の上から一味が狙っている。

だが一味の後方にライフルを持った男がいた。カーターである。

カーターは一味を銃撃した。一人が倒れた。

一味は荷馬車のことも忘れてライフル男を追いかけた。カーターとは知らない。

カーターは馬で逃げて、さらに隠していたもう一頭の馬に乗り換えて町に帰った。

部屋に戻ったカーターは、また飲んだくれているふりをする。

だが入ってきたリサはカーターに「逃げた方がよい」と忠告。

◆ カーターが捕らえられた

トラヴィスは邪魔なカーターを除こうとして盗んだ金をカーターの室に隠した。罪を着せられたカーターは留置所に入れられた。

カーターを訪ねてきた精錬所の経営者モス・バルフォアに「南部出身者たちの鉱石を買い取ってくれ」と要望した。

説得されたバルフォアは「これからは誰からも銅鉱石を購入する」と決意して、州知事への上申書を作成した。

だがしかしバルフォアはトラヴィス一味に射殺された。

リサは看守を買収してカーターを牢から出した。

◆ 対決

さてここまで来て、主に南部出身者の労働者たちの怒りが爆発した。

鉱山の襲撃を計画する。仲間に連絡をとり、ライフルを集めて集結した。カーターも参加している。

鉱山に向かって山道を突き進む。鉱山やトラヴィス一味は迎え撃つ。

双方激しい銃撃戦となつた。だが少しずつ労働者側が優勢となる。

一味は鉱山の建物に立てこもった。接近して銃撃する。内側からも反撃してくる。

双方撃ち合って決着がつかない。

◆ 最後の決戦

カーターは隊から離れ、川を渡って、一味の建物の裏側に入る。

屋根に上って天窓から突入する。激しい銃撃戦を展開する。カーターの腕前であるから、次々と敵が倒れる。

それを見た労働者側もドアを破って突入した。

◆ ラスト

さてさて最後はお決まりではあるが、カーターとリサがハッピーエンドとなって馬車で出発する。

みんなが拍手で送りだす。
 


■ 出演作

◆ レイ・ミランド
(1942)絶海の嵐/Reap the Wild Wind
(1944)恐怖省/Ministry of Fear
(1949)春の珍事/It Happens Every Spring
(1951)生きるためのもの/Something to Live For
(1957)舞い散った札束/断崖の河/The River's Edge
(1956)陰謀のリスボン/Lisbon
(1937)街は春風:コメディ/Easy Living

◆ マクドナルド・ケリー
(1947)疑惑の影/SHADOW OF A DOUBT
(1949)テキサス決死隊/Streets of Laredo
(1949)暗黒街の巨頭/THE GREAT GATSBY
(1951)結婚しましょう/LET'S MAKE IT LEGAL
(1954)マラガ/MALAGA
(1958)拳銃が支配する/MAN OR GUN
(1950)コマンチ族の怒り/COMANCHE TERRITORY
(1956)オドンゴ/odongo
(1952)妻の親友/My Wife's Best Friend

モナ・フリーマン
(1949)女相続人/The Heiress
(1952)天使の顔/Angel Face
(1949)テキサス決死隊/Streets of Laredo
(1955)デンヴァーへの道/The Road to Denver
(1952)挑戦者/ボクシング映画/Flesh and Fury
(1949)Dear Wife
(1955)恐怖の影/Shadow Of Fear/Before I Wake
(1957)ドラゴン砦の決戦/Dragoon Wells Massacre
(1946)ジギー・ブレナン/That Brennan Girl
(1961)二つの世界/The Two Worlds Of Charlie Gordon

ヘディ・ラマー
(1945)夢のひととき/Her Highness and the Bellboy
(1946)奇妙な女/The Strange Woman
(1949)サムソンとデリラ/Samson and Delilah
(1947)退職した女/Dishonored Lady
(1941)結婚を買う女/Come Live With Me
(1958)女優と養女とエキストラ/The Female Animal