■ Female Animal
女優のヴァネッサは事故から助けてくれたクリスと付き合うようになった。
クリスはある女性と知り合った。その女性とも付き合った。後でその女性はヴァネッサの養女であることが判明した。
ヴァネッサはクリスに他の女がいることに気がついた。


製作年:1958、監督:Harry Keller、脚本:Robert Hill、原作:Albert Zugsmith


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 クリス・ファーレー(ジョージ・ネーダー)
 ヴァネッサ・ウインザー(ヘディー・ラマー) 女優
 ペニー・ウインザー(ジェーン・パウエル) 養女
 リリー・フレイン(ジャン・スターリング) 女優

全体としてわりとあっさりの展開である。原題の「The Female Animal」を見ると、いかにもヴァネッサが悪女であるかのような印象を与える。

しかしヴァネッサのキャラクタは、むしろ抑制されており、とても悪女とは言えない。少なくとも自分から悪事を仕掛けるような女性ではない。「このような題の方が売り上げが上がる」という判断なのだろう。

へディ・ラマーはわりといろいろなキャラクタを演じる女優である。悪役もあるがマジメな役もコメディも演じている。ただし「悪役が目立っている」ということは言えるが。

女優を見ると豪華キャストである。ストーリーから見るとジャン・スターリングまで動員する必要があったのか?
 


■ あらすじ

◆ ヴァネッサ・ウインザー

ヴァネッサ・ウインザーは、最近は少しばかり落ち目ではあるというものの有名女優である。

立派な屋敷があり、また海の近くに別荘も持っている。独身ではあるが、ペニーという養女がいる。

ペニーと並んでいれば、姉と妹のように見える。ペニーは遊び歩いており、また「自分を養女にしたのは世間体のため」と言っている。

◆ クリス・ファーレー

現在スタジオでの撮影が行われている。セットが組まれている。滝があり今にも落ちそうな吊り橋。その吊り橋の上で男性と争う場面である。

一場面が終わって下に降りてきた。大型のカメラがロープで吊り下げられていたが、それがブランコのようにヴァネッサを襲った。

それに気づいたエキストラのクリス・ファーレーがヴァネッサに跳びかかって倒した。

ヴァネッサは助かったがクリスは左肩に傷を負った。

ヴァネッサは自分の控室にクリスを呼んで手当をした。

◆ ヴァネッサとクリスは付き合った

それをきっかけにヴァネッサはクリスを誘って食事などをするようになった。

ヴァネッサは落ち目とはいえ有名女優なので、クリスは少しばかり遠慮がある。むしろヴァネッサの方が積極的である。

ヴァネッサはクリスのアパートに行った。近くにいた少年に「見たことがある」と言われた。

その後アパートにヴァネッサからプレゼントが届いた。

クリスはヴァネッサの屋敷や別荘に行くようになった。俗な表現をすれば「クリスはヴァネッサに飼われた」という状態である。

◆ クリスとペニー

クリスはあるバーにいた。近くにアベックがいた。女性の方はかなり酔っぱらっている。

女性は外に出て行った。男性はさらに女性をどこかに連れて行こうとして車に連れ込もうとした。二人は争った。

ちょうど外に出たクリスは男性を引き留めた。喧嘩になり男性を殴り倒し女性をヴァネッサの別荘に連れてきた。

その女性は実はペニーである。母親の別荘なので知っているはずなのだが酔っぱらっていて気が付かない。「いい家ねぇ~」と言う。

クリスはペニーにシャワーを浴びさせ休ませた後、車を呼んで帰した。

クリスとペニーは外で会うようになった。ヴァネッサがクリスといる時にペニーが来た。ヴァネッサはクリスを紹介した。

ペニーは驚いたが黙っていた。

◆ ヴァネッサは酒を飲んだ

ヴァネッサはクリスと一緒に街を歩いた。楽しそうである。

しかし別荘にクリスのものではないタバコの吸い殻があり、またバスタオルがあった。

自分のライヴァルがいることに気が付く。しかしそれがペニーであることは知らない。

クリスは、この状態を断ち切ろうとするが、ヴァネッサが承知しない。

クリスは、それを喋る勇気がない。ヴァネッサは酒を飲むようになった。

◆ ヴァネッサは転落した

まだ撮影が続いている。同じく滝の上の吊り橋。今度は吊り橋から下に飛び込む場面。

ヴァネッサはグイッと一杯ひっかけて控室からでてきた。吊り橋に上った。わりとフラフラ状態。

吊り橋の上からクリスとペニーが一緒にいるのに気が付いた。

男性と争う。そして下に飛び込んだ。

しかし飛び込み方が異常だったので助け上げられた。控室に運び込まれて医師が呼ばれた。

医師の診断では特に異常は見られなかった。

クリスは控室に入ってきて話した。そして「Good Bye」と言って立ち去った。

ヴァネッサはベッドで泣いた。
 


■ 出演作

◆ へディ・ラマー
(1945)夢のひととき/Her Highness and the Bellboy
(1946)奇妙な女/The Strange Woman
(1949)サムソンとデリラ/Samson and Delilah
(1947)退職した女/Dishonored Lady
(1941)結婚を買う女/Come Live With Me
(1958)女優と養女とエキストラ/The Female Animal

◆ ジャン・スターリング
(1950)女囚の掟/CAGED
(1953)ネヴァダ非常線/Split Second
(1953)ミズーリ大平原/Pony Express
(1952)挑戦者/ボクシング映画/Flesh and Fury
(1953)南部魂は消えず、立ち向かう男/THE VANQUISHED
(1958)女優と養女とエキストラ/The Female Animal