1922年10月23日~2015年8月3日:92歳
■ THE VANQUISHED
南北戦争が終わり北軍に捕らえられていたロックは故郷に戻った。そこでは北軍の支配に対する反感があった。
ロックが民政官の元で税金の取り立てを行ったことから、住民の反感を買った。恋人のジェーンも反発した。
さらにロックは殺人犯に疑われて追われた。ジェーンはロックが濡れ衣を着せられたことを知った。ロックを助けに向かう。
製作年:1953、監督:Edward Ludwig、脚本:Lewis R. Foster、Winston Miller、Frank L. Moss、原作:Karl Brown
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ロックウェル・グレイソン(ジョン・ペイン) 通称ロック
コルファクス医師(ロイ・ゴードン)
コルファクス夫人(アーネスティン・バリア)
ジェーン・コルファクス(コリーン・グレイ) 長女、ロックの恋人
ルーシー・コルファクス(カレン・シャープ) 次女
ロジャー・ヘイル(ライル・ベトガー) 民政官
ローズ・スレイター(ジャン・スターリング) ヘイルの仲間
バブコック牧師(ラッセル・ゲイジュ)
ヒルデグランド将軍(チャールズ・エバンス)監察長官
カービー大佐(ウィラード・パーカー)
邦題は「立ち向かう男」「南部魂は消えず」となっているが、後者はテレヴィ放映時のタイトル。
本作はジョン・ペイン&コリーン・グレイ共演三作の一作。その中ではコリーンが一番活躍する。他の共演作は「(1953)アリバイなき男/THE SECRET FOUR/Kansas City Confidential」「(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner」。ただし「対決の一瞬」の相手はロナルド・レーガン。
だがしかし、どうせ活躍させるならばもっとやってほしい。例えば「ケガをしているロックがヘイルの手下たちに襲われた現場に跳び込んで、拳銃を撃ちまくってロックを助け出す」。
■ あらすじ
◆ 民政官の不正が行われている。
南北戦争が終了して、この町ゲイルストンも北軍の支配下にはいった。紺色の軍服の北軍の兵士が闊歩している。注、南軍はグレイ。
北軍側にうまく取り入ったロジャー・ヘイルは民政官となった。カービー大佐と組んで税金の取り立てで不正をしている。取り立ても厳しく、住民の反感を買っている。
監察長官のヒルデグランド将軍は二人を何とかしたいと思っているが、証拠がないので何もできない。
◆ ロックが戻って来た
北軍の捕虜となっていたロックウェル・グレイソン=ロックが帰ってきた。
ロックは勇敢かつ正義感溢れる青年であった。人々がロックの活躍に期待するのは必然である。
ロックの恋人だったジェーン・コルファックスもロックの帰還を喜んだ。
◆ ロックはヘイルの手下になった
ロックは将軍と会って、この町の状況を知った。ロックがヘイルの手下になって不正の証拠を掴むことにした。
ロックが税金の取り立てをし始めると、ロックの活躍を期待していた人は困惑する。そして反感を抱く。
ジェーンもロックに抗議した。ジェーンの自宅を訪れたが、父親に追い返された。
我々は知っているが、町の人はロックの態度に困惑する。
◆ ローズとロックが親密になつた
ローズ・スレイターは、元は娼婦だがヘイルに取り入って甘い汁を吸っている。
ローズは自宅を持っているが、今はヘイルと一緒に暮らしている。したがってローズも町の人々からは嫌われている。
日曜日、教会にロックが入ってきた。すでにみんなは聖歌を歌っている。
ちょうどローズの席の隣が開いていたので、そこに座った。ローズはニコニコ。
出席していた人々は二人をチラチラと見た。反感の目つきである。
そしてジェーンもチラチラ見た。反感+妬みの目つき。
◆ 監察長官が殺された
さてヒルデグランド将軍が自宅に戻ると、ロックからのメモが届いていた。「証拠は集めました。夜10時に来てください」。
将軍はロックか住んでいるアパートを訪れた。会う予定がないのでロックは少々不審な顔で出迎えた。
しかしその時に将軍は陰から拳銃で撃たれて倒れた。倒れた将軍のポケットからメモを見つけた。
ロックは犯人を追うが見失った。誰かも分からない。
補足。犯人は山高帽を被っている。我々はそれを目撃する。このあたりで山高帽を被っているのはヘイルのみである。
◆ ロックはローズの家に
銃声を聞いて人々が駆けつけた。
ロックは犯人を追うどころではなく自分が追われた。背後から撃たれた。
傷つきながらも馬を奪って逃亡した。やっと追手をまくことができた。
しかし落馬して気絶した。ちょうどローズの家の前。注、本来のローズの家。
ローズは倒れたロックを家に運び込んだ。「あなたのトラブルは私のトラブル」と言う。
ローズはロックが持っていたメモを見た。ローズはヘイルの知り合いなので、それがヘイルが書いたものと分かる。
ローズはメモをベッドの上に置いて出かけた。おいおい、治療はしないのか?
ロックはメモを持って姿を消した。
◆ ローズはヘイルを脅す
ローズはヘイルの屋敷に出かけた。ヘイルが犯人だと分かったからである。
注、その他にローズはカービーとヘイルのヒルデグランド殺害の計画をそばで聞いていた。
ローズはヘイルを脅して「自分が死んだら財産をローズに譲る」との遺言書を書かせた。
◆ ジェーンはロックを探して手当てした
事件を知ったジェーンは山の中を探し回った。そして山小屋にロックがいるのを発見した。
ロックは拳銃を構えたが、ジェーンだと分かり拳銃を下ろした。
ジェーンは医者の娘なので医療のことはある程度は分かる。応急手当をした後、ロックをおいて自宅に向かった。
ジェーンは戻って来た。母親や妹は反対するが、コルファクス医師は黙って薬や包帯を渡した。
取って返してジェーンはロックを手当した。
◆ ジェーンはローズを襲撃する
ジェーンはロックに話を聞いて、ヒルデグランド将軍へのメモを持ってローズの屋敷に向かった。
しばらくやり合った後、ジェーンは現場にあったハサミを取ってローズを脅した。
ローズが持っていたヘイルの遺言書を奪った。
その足でジェーンは保安官の元に走った。
◆ ヘイルが死亡した。
ローズの家。再びロックが来た。ローズに拳銃を向けた。
しかしすぐにヘイルや騎兵隊が乱入してきた。ロックは拳銃を構えるが、そばのローズが拳銃を叩き落した。
ロックは二階に逃げた。ローズは拳銃を拾ってヘイルを撃った。
ロックは二階から飛び降りて逃亡。
騎兵隊はローズを追跡する。
◆ ロックの無実が証明された
ジェーンは保安官のところへ来た。
ヒルデグランド将軍へのメモとヘイルが書いた遺言書の筆跡が同じであることを示してロックが犯人ではないことを訴えた。
ジェーンと保安官たちはロックを探した。
ロックは騎兵隊に追われていた。山の中を逃げ回った。しかし落馬して捕らえられた。
ここでジェーンや保安官たちが現れた。
ロックの無実が証明されて、ロックとジェーンは抱き合った。
■ 出演作
◆ ジャン・スターリング
(1950)女囚の掟/CAGED
(1953)ネヴァダ非常線/Split Second
(1953)ミズーリ大平原/Pony Express
(1952)挑戦者/ボクシング映画/Flesh and Fury
(1953)南部魂は消えず/THE VANQUISHED
◆ ジョン・ペイン
(1946)センチメンタル・ジャーニー/Sentimental Journey
(1946)剃刀の刃/The Razor's Edge
(1947)三十四丁目の奇跡/Miracle on 34th Street
(1950)大城塞/Tripoli (1950)
(1952)カリブの海賊/Caribbean
(1953)アリバイなき男/Kansas City Confidential
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(1939)太平洋の翼/海の荒鷲/Wings of the Navy
(1953)七つの海の狼/Pirates of the Seven Seas
(1955)デンヴァーへの道/The Road to Denver
(1946)目覚めと夢/Wake Up and Dream
(1953)南部魂は消えず/THE VANQUISHED
◆ コリーン・グレイ
(1945)ステート・フェア/State Fair
(1947)悪魔の往く町/Nightmare alley
(1947)死の接吻/Kiss of Death
(1953)アリバイなき男/Kansas City Confidential
(1948)赤い河/Red River
(1956)現金に体を張れ/The Killing
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(1951)アパッチの太鼓/Apache Drums
(1950)大病院殺人事件/The Sleeping City
(1957)生血を吸う男/ヴァンパイアー/The Vampire
(1958)地獄の五時間/俺に近づくな/Hell's Five Hours
(1960)ヒル女の恐怖/The Leech Woman
(1961)幻の惑星/The Phantom Planet
(1955)讃美歌と拳銃/THE TWINKLE IN GOD'S EYE
(1953)南部魂は消えず/THE VANQUISHED