■ Tennessee's Partner
賭博師のテネシー(ジョン)は当地に流れてきたカウポーク(ロナルド)と知り合い親友となった。
しかしカウポークが結婚しようとしている相手はテネシーが知っている悪女のゴールディ(コリーン)であった。
また金鉱を探り当てたグラッブステイクが殺された。テネシーが疑われた。カウポークが助けに向かう。


製作:1955,年、原作:ブレット・ハート、脚本:ミルトン・クリムスなど、監督:アラン・ドワン


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 テネシー(ジョン・ペイン) 本名は不明
 エリザベス・ファーナム(ロンダ・フレミング) 通称ダッチェス
 カウポーク(ロナルド・レーガン) 本名は不明
 ゴールディ・スレーター(コリーン・グレイ)
 ターナー(トニー・カルソ)
 バーカー判事(モリス・アンクラム)
 保安官(レオ・ゴードン)
 グラッブステイク(チャビー・ジョンソン)
 


■ あらすじ

◆ テネシーは賭博師

ダッチェスの店。酒を飲んでいる者、賭博をしている者。

テネシーが店に入ってきた。賭博の輪に加わる。しばらくしてテネシーが勝った。

グラッブステイクが店に入ってきた。ターナーに「金を貸してくれ」と頼むが、ターナーに殴り倒された。

テネシーはグラッブステイクを呼び止めて、先ほど稼いだ金の中から抜き取ってグラッブステイクに渡した。ここでテネシーとターナーがチラチラと睨み合う。

テネシーは二階に上がった。二階には経営者のダッチェスの住居がある。中に入っていく。

ダッチェスは入浴の最中。大きな声で歌っている。浴室の外から話しかける。

ダッチェスがバスタオル姿で出てきた。二人はキスをするが、結婚するとか/結婚しないとかで少々揉めている。

◆ カウポーク登場

テネシーが歩いていると拳銃を突き付けられた。ターナーの手下。

その状況をある男が見ている。当地では見かけない顔。カウポーク。

カウポークが声をかけた。拳銃男は振り返った。拳銃の引き金を引いたが、カウポークの方が素早く、拳銃男が倒れた。その状況を二階からダッチェスが見ていた。

保安官が来た。保安官がテネシーに聞くが、カウポークが状況を説明した。さらにダッチェスも説明した。

テネシーとカウポークは鉄格子の中に入れられた。カウポークはアリゾナから来たとのこと。テネシーもいろいろなところにいたという。

外では野次馬が騒いでいる。

二人は嫌疑なしということで釈放された。「俺のところに泊れよ」ということで、テネシーの部屋に行くことになった。

◆ カウポークは結婚する

カウポークは結婚するために当地に来たらしい。もうすぐ相手の女性が来る。

蒸気船が到着した。カウポークとテネシーは船着き場に行った。

相手の女性が下りてきた。カウポークに駆け寄った。なんとその女性は昔テネシーと関係があったゴールディっ!

テネシーとゴールディは知らないふりをして挨拶をした。しかし、その後カウポークがいないところでは、小競り合いを繰り返した。

ゴールディはダッチェスの店の二階の部屋に泊り、ダッチェスは結婚の準備を手伝った。

だんだん結婚式の日が近づいてくる。そしてテネシーが何かを考えている。

◆ テネシーはゴールディを船に乗せた

さてテネシーは昔ゴールディと付き合って苦い経験をしている。(なにしろコリーン・グレイなので)非常に可愛い、話しても楽しい。しかしゴールディはかなりの悪女である。カウポークが5000ドルを稼いだと知って喜んでいる。カウポークをゴールディから救わなければならない。注、カウポークは金鉱を掘り当てて5000ドルを稼いだ。

補足。テネシーがこのように思ったのは展開から分かるが、過去の映像でゴールディの罪状が、我々に明らかにされるわけではない。なので本作をざっと見ていると、なぜこのように展開するのか分かりにくい。

テネシーはゴールディに近寄って気があるようなことを言う。そして金(かね)を渡す。注、金かどうかは分からないが袋を渡す。たぶん金。

船の出発時刻は朝八時。「二人で船に乗ろう」と持ち掛けた。ゴールディはオーケーした。

朝になって、テネシーはゴールディを迎えに行って船着き場に連れて行った。

カウポークはダッチェスのところに行って「ゴールディが見当たらない」と言った。「ここにはいないわよ」「どこにいる?」「私は知らないわ」。カウポークはまたゴールディを探す。

再びダッチェスを訪ねて行った。すると今度は「ゴールディは出て行ったわ、テネシーと」とばらした。

カウポークは酒場でやけ酒を飲んで喧嘩をした。保安官に注意された。

船着き場にテネシーとゴールディがいる。もう出発、二人は乗り込む。

しかしテネシーはまさに船が離れようとするときに飛び降りてゴールディを置き去りにした。

ゴールディは大声で喚いた。しかしゴールディの隣にイケメン。そのイケメンがゴールディに声をかけた。

ゴールディは途端ににっこりとして「あれ(テネシー)は兄なの」と言って、イケメンの片腕を抱えて、テネシーに手を振った。テネシーも手を振って答えた。ゴールディとイケメンはニコニコ。

◆ グラッブステイクは金鉱を見つけた

山の中。小さな小屋。近くの断崖に穴が掘られている。金鉱を掘る穴。グラッブステイクとカウポークがいる。グラッブステイクが金鉱を掘り当てた。

当局に書類を提出して権利を確定する必要がある。しかしグラッブステイクは字が書けない。カウポークが代理で書類を書いてやった。

しかしグラッブステイクは喜びを隠しきれずに町に行って、それを他人に話した。大騒ぎとなる。

ダッチェスの店の前で騒いでいる。店はもう閉まっているが、ダッチェスはグラッブステイクだけを中に入れた。グラッブステイクに話を聞いた。

そこにテネシーが入ってきた。

◆ グラッブステイクは殺された

テネシーはグラッブステイクの採掘現場にきた。そこにはカウポークがいた。

カウポークはガンベルトを外して、テネシーに殴りかかった。テネシーは抵抗しない。注、殴る理由はゴールディのこと。

カウポークはずっとテネシーを殴っていたが、最後にはテネシーを助け起こした。

テネシーはポケットから何かを出して「お前のものだ」と渡した。注、これはグラッブステイクからのものと推測される。

一方町ではグラッブステイクの死体が発見された。持っていたはずの地図がなくなっている。保安官が来て調べた。テネシーが犯人として疑われている。

保安官たち数人はグラッブステイクの採掘現場に向かった。ダッチェスも彼らを追いかけた。注、なんで現場の場所を知っているかは疑問だけど。

ダッチェスは近道を通って先に到着した。ダッチェスはテネシーに逃げるように言うが、テネシーは逃げない。

保安官一行が到着した。

テネシーの前に保安官。ダッチェスはテネシーのそばに立つ。カウポークは少し離れたところで、保安官に向かって拳銃を構えている。

◆ テネシーとカウポークは捕らえられた

テネシーとカウポークは保安官には抵抗せずに、町に向かった。

町では「(グラッブステイクの)地図はどこだ?」と大騒ぎしている。

ダッチェスの店の外でも騒いでいる。店に入ってくるのでダッチェスは「(地図のありかは)知らないわよ」と言う。注、ダッチェスは本当に知らない。

ダッチェスとカウポークは鉄格子の中。まだ外では騒いでいる。

保安官は事務所の前に立って、群衆が入らないようにしている。

◆ 二人は脱獄した

保安官助手が鉄格子の中の二人の前に立った。二人は助手に話しかけて世間話をする。

助手が鉄格子のそばのぎりぎりに立ったので、二人は中から助手を捕らえて気絶させた。倒れた助手の服からカギを取って、鉄格子の扉を開けた。

正面はいっぱい人がいるので裏口から出る。息を吹き返した助手は慌てて保安官に報告。

二人はいったんダッチェスに会った後、グラッブステイクの採掘現場に向かった。

補足。二人は「ターナーがグラッブステイクを殺して地図を奪って現場に向かった」と判断したので、このような行動をした。

保安官たちも二人を追いかけた。ダッチェスも追いかけた。

◆ ターナーとの対決

現場にはやはりターナーがいた。気づいたターナーは走って洞窟に隠れた。

二人とターナーは銃撃戦。保安官たちが到着。

ここでターナーは弾切れ。ターナーは手を挙げて出てきた。

しかし二人の後ろから保安官が「手を上げろ」と言う。二人は拳銃を捨てた。

そして保安官の方を向こうとした。その時にターナーはもう一つ持っていた拳銃を取り出してテネシーに向けて引き金を引いた。

カウポークは、横っ飛びに動いてテネシーの前に立った。カウポークに弾が当たって倒れた。

ターナーは逃げ出した。保安官とテネシーはターナーを追いかけた。

テネシーはターナーと格闘。ターナーを倒した。保安官はターナーを逮捕した。

テネシーは倒れているカウポークのところへ行った。死亡していた。

◆ ラスト

ダッチェスの店の看板が取り外され、中の設備が運び出されている。ダッチェスの店は閉店する。

テネシーとダッチェスが船で出発する、みんなが見送った。
 


■ 補足

◆ 本作の残念なところ

一つとしてカウポークが死亡すること。このストーリーであればカウポークが死亡する必然性はない。

なぜこのようにしたのかと想像すれば、テネシーとカウポークの友情を表現したかったからか?でも死亡しなくても表現されていると思うが。

次にゴールディが途中で消えてしまうこと。せっかく登場したのだから、最後まで引っ張って欲しかった。コリーン・グレイは出演作は少ないが、わりと好き。

◆ ダッチェスの店

セリフでは不明だが店の看板が写される。店の名前は「MARRIAGE MARKET」。続いて「料理が上手な女性がいます。...」というような文章が書かれている。

当時の西部ではとうぜん女性が少ないわけで、男性は結婚したくても、なかなか相手が見つからないという状態である。

看板から推察すると「あなたに合った結婚相手が探せます」みたいな店であろうと想像される。

ただストーリーでは、酒を飲んで、賭博をしている場面ばかり。

◆ ロナルド・レーガンとロンダ・フレミング

二人はわりと共演している。邦題は似たり寄ったりだな。

「最後の砦/The Last Outpost(1951)」
「楽園の死闘/Hong Kong(1952)」
「楽園の決闘/TropicZone(1953)」
「対決の一瞬/Tennessee's Partner(1955)」→ 本作

なお、ジョン・ペインとコリーン・グレイは「アリバイなき男」で共演している。
 


■ 出演作

ジョン・ペイン
(1946)センチメンタル・ジャーニー/Sentimental Journey
(1946)剃刀の刃/The Razor's Edge
(1947)三十四丁目の奇跡(奇蹟)/Miracle on 34th Street
(1950)大城塞/Tripoli (1950)
(1952)カリブの海賊/Caribbean
(1953)アリバイなき男/Kansas City Confidential
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(1939)太平洋の翼/海の荒鷲/Wings of the Navy
(1953)七つの海の狼/Pirates of the Seven Seas
(1955)デンヴァーへの道/The Road to Denver
(1946)目覚めと夢/Wake Up and Dream

ロンダ・フレミング
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1947)過去を逃れて/Out of the Past
(1949)腰抜け大捕物/The Great Lover
(1951)犯人を逃がすな/Cry Danger
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1951)最后の砦/最後の砦/The Last Outpost
(1952)ゴールデンホークの復讐/The Golden Hawk
(1952)楽園の死闘/Hong Kong
(1953)楽園の決闘/TropicZone)
(1953)地獄の対決/Inferno
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(946)静かなる対決/Abilene Town
(1954)風雲のバビロン/バビロンの女王/The Queen Of Babylon
(1954)ヤンキー・パーシャ/Yankee Pasha
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1960)奴隷の叛乱/Revolt of the Slaves
(1965)甘い大陸/THE AMERICAN WIFE
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1956)オドンゴ/odongo
(1958)西部を股にかける女/Bullwhip

ロナルド・レーガン
(1964)殺人者たち/The Killers
(1953)決闘の町/Law and Order
(1951)最後の砦/The Last Outpost
(1940)カンザス騎兵隊/Santa Fe Trail
(1952)楽園の死闘/Hong Kong
(1953)楽園の決闘/Tropic Zone
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner

コリーン・グレイ
(1945)ステート・フェア/State Fair
(1947)悪魔の往く町/Nightmare alley
(1947)死の接吻/Kiss of Death
(1953)アリバイなき男/Kansas City Confidential
(1948)赤い河/Red River
(1956)現金に体を張れ/The Killing
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(1951)アパッチの太鼓/Apache Drums
(1950)大病院殺人事件/The Sleeping City
(1957)生血を吸う男/ヴァンパイアー/The Vampire
(1958)地獄の五時間/俺に近づくな/Hell's Five Hours
(1960)ヒル女の恐怖/The Leech Woman
(1961)幻の惑星/The Phantom Planet