■ Bullwhip
死刑囚のスティーヴは「ある女性と結婚すれば特赦」という奇妙な提案をされて受け入れた。
相手の女性はシャイアンと言う毛皮商で、相続の条件で結婚している必要があったため。
スティーヴはシャイアンが率いる幌馬車隊に入っていく。そもそもシャイアンにはスティーヴに対する愛はまったくないのだが、一緒に行くうちに二人は惹かれたり反発したりする。
製作年:1958、監督:Harmon Jones、脚本:Adele Buffington
■ はじめに
登場人物(キャスト)
シャイアン・ジュリア・オマリー(ロンダ・フレミング) 毛皮商、白人先住民混血
カー判事(ドン・ベドー)
スティーヴ・デイリー(ガイ・マディソン) 死刑囚
ポド(ダン・シェリダン) スティーヴの友人
'スロー'・カープ(ジェームス・グリフィス) 殺し屋
ジョン・パーネル(ピーター・アダムス) 毛皮商
サラ・メイソン(バーバラ・ウッデル) 途中で合流する女性
保安官(ジャック・レイノルズ)
ところどころにシャイアンのナレーションが入っている。本作は色がきれいで、画面がシャープなので、シャイアン=ロンダがきれいに見える。good。
■ あらすじ
◆ 奇妙な提案
カンザス州アビリーン。スティーヴ・デイリーは絞首刑の執行を待つ死刑囚。
スティーヴにカー判事が訪ねて提案した。「書類の上だけのことだが、ある女性と結婚すれば特赦する」。
実に奇妙な提案であるがデメリットはなさそうである。スティーヴは提案を受け入れた。
◆ スティーヴは結婚した
しばらくしてカー判事に連れられて女性が入ってきた。傍目で見ても素晴らしい美人である。名前は単に「ジュリア」と紹介された。
ジュリアとスティーヴは書類にサインし型通りに判事が結婚の誓いを確認した。用意されていた指輪をジュリアの指に嵌めた。
ジュリアが出て行こうとすると、スティーヴは呼び止めて強引にキスをした。
ジュリアが出て行った後、スティーヴは判事より特赦状を貰って釈放された。
一連の出来事を刑務所の外から見ていた人物がいた。"スロー"・カープ。
◆ シャイアン・ジュリア・オマリー
スティーヴは知らないが、相手の女性はシャイアン・ジュリア・オマリー。白人と先住民の混血で毛皮商をしている。
父親が死亡して財産を相続する手筈だが、相続条件に「結婚をしていること」という項目があり、結婚相手が必要だったという。
カー判事は出て行ってカープに5000ドルを渡してスティーヴを殺すように依頼した。カープは殺し屋である。
実はカー判事のカープへの依頼は、シャイアンから出たものである。つまりシャイアンは「相続ができれば、スティーヴは用なし」というわけである。
◆ ジョン・パーネル
スティーヴは刑務所から出てきたが、その瞬間にカープに命を狙われたが親友のポドに助けられた。
二人は逃亡したが、数人の男に拳銃を突き付けられて、ある家に連行された。一人の人物が待っていた。
毛皮商のジョン・パーネル。パーネルから初めてシャイアンのことや結婚した事情を聞いた。
パーネルはスティーヴに「夫の権限を利用してシャイアンの毛皮商売の実権を取り上げてほしい」と頼まれた。
さらにカープが現れた。パーネルはカー判事からの依頼を変更して、金を渡してカープに対してスティーヴの命を守るように依頼した。スティーヴに死なれたら困るからである。
◆ スティーヴとシャイアンは一緒に旅をする
シャイアンの一行は10台ほどの幌馬車を連ねて進んでいた。行進している時はシャイアンは馬に乗って隊列の横を進んでいく。女性はシャイアンだけ。
夜は、みんなは地面にシートを敷いて寝るが、シャイアンだけは一つの幌馬車の中にベッドがあって、そこで寝ている。
途中で壊された幌馬車があり、サラ・メイソンという女性が呆然と座っていた。何者かに襲われて、他の人は殺されたとのこと。サラも一緒に旅をすることになった。
スティーヴ、ポド、カーネルの三人と会った。三人も一緒になって進んでいく。
◆ 特赦状を盗む
シャイアンとスティーヴは、旅を一緒にする中で、次第に親しくなっていく。しかしまた喧嘩をして対立もする。
夜、スティーヴがシャイアンの幌馬車に忍び込む。しかしスティーヴは寝るだけでシャイアンに何もしないので、シャイアンがイライラするという事件も発生した。
シャイアンはスティーヴが水浴びをしている隙に、スティーヴの上着のポケットから、判事から貰った特赦状を盗んだ。これがなければ、スティーヴは再び牢獄の中となる。
シャイアンは特赦状を自分の幌馬車の中においてあるバッグの中に隠した。
しかしそれを目撃したカープは特赦状を盗んだ。スティーヴもシャイアンも盗まれたことに気が付かない。
◆ スティーヴの特赦状がない
目的地のワイオミングに到着した。
シャイアンは自分の家にいる。約束でパーネルが訪ねてきた。二人は話していたが、ドアを叩く音がしたので、パーネルは隠れた。
来たのはスティーヴともう一人。シャイアンとスティーヴが別の部屋に入った。
そこには拳銃を持った人物がいた。拳銃をスティーヴに向ける。スティーヴを逮捕するつもりである。
そこでスティーヴは特赦状を取り出そうとする。しかしそれがない。スティーヴは嵌められた。
ここでスティーブと一緒に来た男が拳銃を持って入ってきて、立場が逆転した。スティーヴともう一人の男は家を出て逃げた。
この後は、少しややこしい動きをする。簡単に言うと、スティーヴは特赦状の件でシャイアンを疑って、再度シャイアンの家に行く。
シャイアンの部屋の引き出しを開けたりして特赦状を探し回る。シャイアンの例のバッグを見つけた。シャイアンは慌てて取り戻し、中を開けてみる。すると特赦状がなくなっている。
スティーヴはでていく。
◆ パーネルと契約しようとする
シャイアンとパーネルが一緒にいる。シャイアンが書類にサインしようとしている。二人の事業を統合して一緒に商売をするという書類である。
ここでスティーヴが乱入してくる。スティーヴの意図はあまりはっきりとは表現されないが、その前にカープと会っており、パーネルがシャイアンの商売を奪おうとしたものと考えたらしい。
パーネルとスティーヴが争う。結果はスティーヴの勝利。
シャイアンとスティーヴは抱き合う。これでパーネルとの合併の話はなくなった。
■ 出演作
◆ ロンダ・フレミング
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1947)過去を逃れて/Out of the Past
(1949)腰抜け大捕物/The Great Lover
(1951)犯人を逃がすな/Cry Danger
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1951)最后の砦/最後の砦/The Last Outpost
(1952)ゴールデンホークの復讐/The Golden Hawk
(1952)楽園の死闘/Hong Kong
(1953)楽園の決闘/TropicZone)
(1953)地獄の対決/Inferno
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(946)静かなる対決/Abilene Town
(1954)風雲のバビロン/バビロンの女王/The Queen Of Babylon
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1960)奴隷の叛乱/Revolt of the Slaves
(1965)甘い大陸/THE AMERICAN WIFE
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1956)オドンゴ/odongo