■ While the City Sleeps
若い女性が殺された。鏡に「Ask Mother」の不思議な言葉が口紅で書かれていた。
警察は懸命の捜査を行い、カイン新聞社では特ダネを狙った。しかし犯人を捕らえられなかった。
記者のエドワードは犯人を挑発するテレヴィ放送をして、新聞に自分と恋人ナンシーの婚約報道を載せた。
犯人は罠にかかりナンシーに狙いを定めた。しかしここでエドワードは同僚の女性記者に誘惑されてナンシーの監視をさぼってしまった。


製作年:1956、監督:Fritz Lang、脚本:Casey Robinson、原作:The Bloody Spur(Charles Einstein) ■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

ロバート・マナーズ(John Drew Barrymore) 犯人
マナーズ夫人(Mae Marsh) 母親
ジュディス・フェルトン(サンドラ・ホワイト) 犠牲者

アモス・カイン(Robert Warwick) 新聞社社長、病気→死亡
ウォルター・カイン(ヴィンセント・プライス) 息子、→社長
ドロシー・カイン(ロンダ・フレミング) ウォルターの妻

マーク・ラヴィング(ジョージ・サンダース) 通信部長
ハリー・クリッツナー(ジェームス・グレイグ) 写真部長、ドロシーの浮気相手
ジョン・デイ・グリフィス(トーマス・ミッチェル) 編集長
エドワード・モブレイ(ダナ・アンドリュース) 記者
ミルドレッド・ドナー(アイダ・ルピノ) 記者、マークの愛人
ナンシー・リガット(サリー・フォーレスト) マークの秘書、エドワードの恋人

バート・カウフマン(ハワード・ダフ) 刑事

ふざけた感じの邦題であるが、かなりの豪華キャスト。我々には最初から犯人が提示される。

ドロシーはハリーと浮気、夫はそれを知っているが気にしてない。ハリーと夫に対して、もう一人がいる前で「ダーリン」と言っている。

ミルドレッドは幼児の写真を持っている。死んだ自分の子供らしい。

アパート住まいのナンシーの前の部屋はハリーの部屋である。これ重要。

「おふくろに聞け/Ask mohter」の深い理由は明かされない。ロバートは母親に反感を持っている。

殺人事件の映画ではあるが、むしろ新聞社社内の話題が主である。

本作当時、アイダ・ルピノとハワード・ダフは夫婦。今回はロンダ・フレミングはマダム風(笑)。
 


■ あらすじ

◆ 殺人事件っ!

ジュディス・フェルトンという女性が浴室で殺された。鏡には口紅で「Ask Mother」と書かれていた。

殺人事件は言ってみれば、アメリカでは珍しくないのだが、意味不明の言葉が、逆に人々の関心を引き付けた。

警察は全力で捜査を開始するが、手掛かりは掴めなかった。

我々には犯人はロバート・マナーズと分かっている。

◆ カイン新聞社

社長のアモス・カインは、すでに病床であるが、この事件を全力を挙げて取材し、同社の特ダネにするように指示した。

だがしかしアモスは死亡し、息子のウォルターが社長となった。

ウォルターは重役陣を前に一席をぶったが、彼は今まで社の仕事にタッチしておらず、ウォルターの勝手な言葉に、重役陣や記者は右往左往した。

◆ 事件は続いた

警察の必死の捜査にも拘わらず手掛かりは見つからなかった。

いやいや実を言えば「犯人逮捕」の知らせが入った。それは犠牲者のアパートの管理人であった。だが彼が無実であるとの証拠は簡単に見つかった。

さらに他の女性が殺害されるという最悪の事態となった。

ここでカイン新聞社の記者エドワード・モブレイは芝居を打つ。自分が担当をしているテレヴィニュースで「女性に対して偏見を持つ狂人の犯行」と主張した。これは言ってみれば口から出まかせなのだが、犯人の対抗心を煽り立てるかもしれないという目論見である。

そしてエドワードは自分と恋人のナンシーの婚約の記事を新聞の片隅に載せた。

◆ エドワードは油断した

エドワードはナンシーのアパートを見張ることにする。

だがしかしエドワードに手柄を盗られまいとしたマークは、自分の愛人のミルドレッド記者を使って、エドワードを誘惑させた。

残念ながら人間としての修行ができていないエドワードはナンシーの見張りを怠ってしまった。

◆ ロバートはナンシーを狙う

犯人のロバートは、このような事情は知らないが、ちょうどこのタイミングでナンシーを狙う。そこが映画である。

ロバートはナンシーのアパートに行ってベルを押した。ナンシーはドアを開けようとするが、ここで警戒心が働いた。

ロバートはなんとか言葉を使ってドアを開けさせようとしたが、ナンシーは応じなかった。

◆ ドロシーが襲われた

さてここでドロシーがハリーを訪ねてきた。ナンシーの向かいの部屋である。ロバートは陰に隠れた。ドロシーの美貌を見て反射神経で襲撃対象を変更することにした。

ハリーが部屋をちょっと出た時に、ドアをノックした。ドロシーはハリーが戻ってきたものと思いドアを開けた。

ロバートは強引に飛び込んで、ドロシーをソファに押し倒して首を絞めた。

ドロシーは大声で助けを求めた。向かいの部屋のナンシーが叫び声を聞きつけて飛び込んで来た。

さすがに二人に騒がれたので、ロバートは逃げ出し階段を下りて、逃走した。

窓からナンシーが大声を上げて、走り去ろうとしているロバートを指さした。

◆ 犯人は捕まった

ここで遅ればせながらエドワードが到着した。ロバートを追いかけた。

ロバートは地下鉄駅に逃げ込んで、地下鉄に乗ろうとしたが、間に合わず地下鉄が発車した。

さらに地下道に走りこんだ。エドワードが追いかけた。格闘の末にロバートを捕らえた。

◆ ラスト

事件解決が記事になり、エドワードとナンシーは結婚し新居に引っ越した。
 


■ 出演作

◆ ヴィンセント・プライス
(1944)ローラ殺人事件/Laura
(1951)替え玉殺人事件/HIS KIND OF WOMAN
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young
(1946)操られた目撃者/Shock
(1945)哀愁の湖/Leave Her to Heaven
(1964)地球最後の男/The Last Man on Earth

◆ ジョージ・サンダース
(1940)レベッカ/Rebecca
(1947)永遠のアンバー/Forever Amber
(1949)サムソンとデリラ/Samson and Delilah
(1945)ハリーおじさんの悪夢/The Strange Affair of Uncle Harry
(1942)海の征服者/THE BLACK SWAN
(1950)イヴの総て/All about Eve
(1945)戦慄の調べ/Hangover Square
(1942)激闘/ベンジャミンの復讐
(1946)奇妙な女/The Strange Woman

◆ トーマス・ミッチェル
(1939)駅馬車/Stagecoach
(1939)風と共に去りぬ/Gone with the Wind
(1939)ノートルダムのせむし男/The Hunchback of Notre Dame
(1942)海の征服者/THE BLACK SWAN
(1946)暗い鏡/The Dark Mirror
(1952)真昼の決闘/High Noon
(1939)コンドル/Only Angels Have Wings
(1944)西部の王者/Buffalo Bill
(1942)夜霧の港/Moontide

ダナ・アンドリュース
(1940)スワンプ・ウォーター/Swamp Water
(1944)ローラ殺人事件/Laura
(1945)堕ちた天使/Fallen Angel
(1946)我等の生涯の最良の年/The Best Years of Our Lives
(1947)影なき殺人/Boomerang
(1948)海の呼ぶ声/Deep Water
(1950)恐怖の一夜/Edge of Doom
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1949)禁じられた街/Forbidden Street/Britannia Mews
(1945)ステート・フェア/State Fair

アイダ・ルピノ
(1941)ハイ・シェラ/High Sierra
(1941)生きてる死骸(生きてゐる死骸)/Ladies in Retirement
(1948)秘境/Lust for Gold
(1952)危険な場所で/On Dangerous Ground
(1976)巨大生物の島/The Food of the Gods
(1948)深夜の歌声/Road House
(1953)二重結婚者/The Bigamist
(1942)夜霧の港/Moontide
(1954)地獄の掟/Private Hell 36
(1955)悪徳/The Big Knife
(1934)女装陸戦隊/海兵隊へようこそ/Come on Marines!
(1935)永遠に愛せよ/PETER IBBETSON
(1941)海の狼/The Sea Wolf
(1952)優しき殺人者、記憶が途切れる男/Beware, My Lovely

◆ ハワード・ダフ
(1956)口紅殺人事件/WHILE THE CITY SLEEPS
(1956)炎の島/復讐に賭けた女/Flame of the Islands
(1954)地獄の掟/Private Hell 36
(1949)カラミティ・ジェーンとサム・バス/CALAMITY JANE AND SAM BASS
(1949)赤い渓谷/RED CANYON
(1948)裸の町/Naked City
(1947)真昼の暴動/BRUTE FORCE

ロンダ・フレミング
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1947)過去を逃れて/Out of the Past
(1949)腰抜け大捕物/The Great Lover
(1951)犯人を逃がすな/Cry Danger
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1951)最后の砦/最後の砦/The Last Outpost
(1952)ゴールデンホークの復讐/The Golden Hawk
(1952)楽園の死闘/Hong Kong
(1953)楽園の決闘/TropicZone)
(1953)地獄の対決/Inferno
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(946)静かなる対決/Abilene Town
(1954)風雲のバビロン/バビロンの女王/The Queen Of Babylon
(1954)ヤンキー・パーシャ/Yankee Pasha
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1960)奴隷の叛乱/Revolt of the Slaves
(1965)甘い大陸/THE AMERICAN WIFE
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1956)オドンゴ/odongo
(1958)西部を股にかける女/Bullwhip