■ The Great Lover
大西洋を渡る船。大富豪の親娘。そして賭博師、実は殺人者。それを追いかける刑事。
ボーイスカウトの引率と一行。引率と富豪の娘はなぜかアツアツになる。
そして刑事が殺害された。


製作年:1949、監督:Alexander Hall、脚本:Edmund Beloin、Melville Shavelson、Jack Rose


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 フレディ・ハンター(ボブ・ホープ) ボーイスカウトの引率
 マキシミリアン大公(ローランド・カルヴァー)
 アレキサンドリア(ロンダ・フレミング) 大公の娘
 犬(?) アレキサンドリアが連れている犬、名前不明
 C.J.ダブニー(ローランド・ヤング) イカサマ賭博師
 ヒギンズ(ジム・バッカス) 刑事
 スタンリー・ウィルソン(リチャード・リオン) ボーイスカウト
 トミー・オコーナー(ギャリー・グレイ) ボーイスカウト

「ボーイスカウト」としたが英語では「boy forester」となっている。ストーリーには影響しない。
 


■ あらすじ

◆ 客船

舞台はフランスからアメリカに向かう客船。

マキシミリアン大公とその娘アレキサンドリア。言わずと知れた大金持ち。わりと大きな犬を連れている。

C.J.ダブニーはイカサマ賭博師。そしてロープで首を絞める殺人者。刑事のヒギンズが証拠を掴もうと追っている。

今回は、マキシミリアン大公から金を掠め取る、いやゴッソリと取るのが目的である。

そしてフレディ・ハンター。八人いるボーイスカウトの引率である。しかし演じているのがボブ・ホープなので、どちらが引率しているのか分からない状況ではある。

当然ながらフレディはアレキサンドリアを好きになって、ドタバタが展開するという状況が予測される。

◆ ポーカー

ダフニーは船内を様子見している。フレディが現れたので声をかける。この船に乗っているマキシミリアン大公について話す。

大公と娘のアレキサンドリアが現れた。ダフニーは大公に目を向けるが、フレディはアレキサンドリアに目が行った。

四人が同じテーブルで話す。フレディはずっとアレキサンドリアを見ている。

アレキサンドリアは酔っぱらっている。となりのフレディにしなだれかかる。二人はダンスをする。大公とダフニーは、そのままテーブルにいる。

ダンスをしていてドレスの裾を踏んで破れてしまったので「私の部屋で繕ってちようだい」とフレディを連れていく。フレディは思わぬ嬉しい展開にドキドキ、ドキドキ。

ダフニー、フレディ、大公はポーカーをする。ダフニーはこっそりとズルをするが、二人は気が付かない。

そしてヒギンズがダフニーをそれとなく監視している。

別の機会に三人は、船室でポーカーをする。終わって大公が出ていった。ダフニーががフレディの首を絞めようとロープを出すが、邪魔が入り不成功。

◆ ヒギンズ刑事が殺された

ダフニーの部屋でヒギンズ刑事が調べている。

フレディがある部屋に入った。中は真っ暗。ライトをつけた。ヒギンズ刑事の死体っ!注、ヒギンズが殺されるところは表示されない。

ダフニーが船員を連れてきた。フレディは慌てて隠れた。

その部屋から白い布にくるまれた死体が運び出された。とりあえず死体を床に置く。

目を離したすきに死体が動き出した。実はフレディ。

フレディは逃げる。船員たちが追いかけた。フレディは甲板から荷物を海に投げて偽装する。

その後アレキサンドリアが連れている犬小屋の隣に逃げこむ。

◆ トミーがフレディを見つける

一方、ボーイスカウトの少年たちもフレディがいないので探している。甲板も探す。

トミーだけがちょっと遅れて歩いている。犬小屋のそばに来た。フレディが声をかけた。

フレディはトミーに「刑事を殺したと思われてる。助けてくれ」と言う。アレキサンドリアも出て来てかくまう。

トミーはハンバーガーを食べないのに、ハンバーガーを持ち出したので、他の少年たちから怪しまれる。

◆ アレキサンドリアが殺されるっ!

フレディはさらに逃げ出して甲板に出るが、足にロープが絡まり、甲板から転落する。水に浸かるが、必死でロープを掴んで上に上がろうとする。

ダフニーは自分の部屋。電話をかけて出ていく。

その部屋にアレキサンドリアが侵入する。中を調べる。

ダフニーが戻ってきた。アレキサンドリアは慌てて隠れる。

しか~しカーテンの下から足が見えてしまった。ダフニーに捕まった。

ロープでアレキサンドリアの首を絞めようとする。

だが、窓の外にちょうどロープにつかまったフレディ。フレディはガラスを破って突入。

ダフニーを投げ飛ばす。船員たちが入ってきてダフニーを捕まえた。

◆ 到着

船はニューヨークに到着。

フレディは少年たちをほっといてアレキサンドリアとキス。
 


■ 補足

個人的にはロンダ・フレミングの相手役がボブ・ホープというのは止めてほしいが、できたものは仕方がない。

しかし本作で良かったこと。ロンダが歌う場面がある。ロンダは歌手でもあるが、歌っている場面は見かけない。わずかに「対決の一瞬/Tennessee's Partner(1955)」では風呂に入って大きな声で歌っている。

次は本作でのキャラクタ。ロンダが演じるのはおおむね「爽やか&強気の女性」である。これには満足しているのだが、本作のキャラクタは、コメディっぽい感じでチャラチャラしている。セクシー。グッド。

ボブ・ホープ出演の映画は邦題が「腰抜け××」となっているものが多いらしい。このような鑑賞意欲を削ぐ邦題は止めてほしい。
 


■ 出演作

ロンダ・フレミング
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1947)過去を逃れて/Out of the Past
(1951)犯人を逃がすな/Cry Danger
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1951)最后の砦/最後の砦/The Last Outpost
(1952)ゴールデンホークの復讐/The Golden Hawk
(1952)楽園の死闘/Hong Kong
(1953)楽園の決闘/TropicZone)
(1953)地獄の対決/Inferno
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(1946)静かなる対決/Abilene Town
(1954)風雲のバビロン/バビロンの女王/The Queen Of Babylon
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps

(1960)奴隷の叛乱/Revolt of the Slaves
(1965)甘い大陸/THE AMERICAN WIFE
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1956)オドンゴ/odongo