The Last Outpost

ヴァンスは恋人のジュリーに何も言わずに姿を消し、南軍の大尉となった。兄のジェブは北軍の大佐。
北軍がアパッチを使って南軍に対抗しようとする動きがあったが、それに反対するアパッチの一人が北軍関係者を殺害し北軍に捕らえられた。
それを察知したヴァンスは北軍将校に変装して北軍の町に潜入したが、そこでジェブとジュリーに出会った。ジュリーからは猛烈に口撃された。
ヴァンスはアパッチを解放しようとしたが、南軍であることを見破られて、二人に助けられて脱出した。アパッチは仲間を取り戻すために町を襲撃し、町は陥落寸前。ヴァンスは南軍の部隊を率いて町を救う。


映画関連目次(闇雲映画館)
ロナルド・レーガン&ロンダ・フレミング共演映画

製作:1951年、脚本:ダニエル・メインウェアリングなど、監督:ルイス・R・フォスター


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ヴァンス・ブリトン(ロナルド・レーガン) 南軍の大尉
 ジェブ・ブリトン(ブルース・ベネット) 北軍の大佐、ヴァンスの兄
 サム・マクエイド(ジョン・リッジリー) 北軍に出入りしている業者
 ジュリー・マクエイド(ロンダ・フレミング) サムの妻、ヴァンスの元恋人
 デラコート(ロイド・コリガン) 合衆国政府の役人
 ジェロニモ(ワー・イーグル)
 ハリソン・ペイジ(?) 元少将、アパッチの女性と結婚するためアパッチに

サン・ギルは北部側の(小さな)町。住民が住んでおりホテルや商店がある。「マクエイド交易所」もある。フォートポイント砦とはわりと近いところにあると思われる。

北軍部隊が南軍部隊に捕らえられる事件が三度発生する。わりとトンマ。

主演は後に大統領になったロナルド・レーガン。

■ あらすじ

◆ フォートポイントにブリテン大佐が着任

北軍のフォートポイント砦に増援部隊が到着した。今後の砦の部隊長はジェブ・ブリテン大佐となる。

砦に出入りしているマクエイドが来てジェブと話す。

その内容は「アパッチを味方にすれば、南軍に対して有利な状況になる」ということだが、マクエイドはアパッチに武器を含めて、いろいろと取引しており、それを拡大したいというのが本音のようである。

ジェブは知らないが、そのような思惑があつてマクエイドはジェブを自宅に招いた。

◆ ジュリーが家出する

ジェブはマクエイドの家を訪ねた。実はマクエイドの妻ジュリーはジェブの弟のヴァンスの元恋人である。しかしジュリーとジェブはお互いに顔を知らない。

ジュリーとジェブが会って紹介した。しかしジュリーは名前を聞いてヴァンスの兄と分かった。マクエイドは席を外した。

ジェブは「二人の間で何があった?」と聞いた。ジュリーは「喧嘩も言葉も手紙もなかった。何をしているか分からない」と答えた。

ジェブは帰り、マクエイドが入ってきた。

ここで二人の間に突然険悪な空気が漂う。マクエイドは戸惑う。ジェブと会ったことでジュリーがヴァンスのことを思い出したかららしい。

マクエイドはジュリーの剣幕でオタオタしている。ジュリーは荷物をまとめて出ていった。

駅馬車もないので、とりあえずジュリーは北軍の町サン・ギルへ行った。注、町と行ってもすごく小さい。

◆ ジェブとヴァンスが会う

北軍の部隊が南軍に捕らえられる事件が発生した。補足を参照。

さてこの時の北軍の司令官はジェブで南軍の司令官はヴァンス。つまり兄弟。ジェブはジュリーをおいて行方をくらましたヴァンスの消息が分かった。

ジェブはジュリーのことを話して、結婚していることも伝えた。ジェブは「お前の行動は無責任」と言うが、ヴァンスは「お前の意見か?」と反撃した。

ともあれ、北軍は武器を奪われて徒歩でトボトボとフォートポイント砦に帰った。

ジェブが砦に戻ると、マクエイドが話しかけてきて「アパッチと取引している」と言う。ジェブが反対すると「上層部の了解を貰っている」と意に介さない。

◆ リアドン少佐を捕らえる

ヴァンスの部隊は、馬車が襲撃されて燃やされている現場に出くわした。死体が転がっている。実はマクエイドの死体。アパッチの中にはマクエイドと取引していることを好ましく思っていないグループがいて、彼らがマクエイドを襲ったもの。

その現場から手紙が見つかった。それはマクエイドの「アパッチを利用する」という軍上層部への手紙に対する返信で「トーマス・リアドン少佐を派遣する。25日にフォートポイント砦に到着する」というもの。

ヴァンスは、この機会を利用することにした。

ヴァンスの部隊はリアドン少佐の部隊を捕捉・包囲した。「マクエイドは来ない、指示書を渡せ」。

リアドンたちの軍服を脱がせて、ヴァンスと他の二人が北軍に変装した。注、この後リアドンがどうなったかは不明。

◆ アパッチと話す

ヴァンスたちは北軍の服を着てアパッチの集落を訪ねた。応対したのはハリソン・ペイジというかって少将をしていた人物。アパッチの女性と結婚するためにアパッチになった人物。

ハリソンはリアドン少佐を知っており「年を取っていないばかりか若返っている」と偽リアドンに気がついた。しかしそれ以上は追及しなかった。

ヴァンスは実は南軍の大尉であることを白状したうえで「先住民との戦いではないので中立を要請する」と話した。

ハリソンはヴァンスの提案を了解した。そして「(マクエイドの件で)ジェロニモが捕らえられている、我々で裁くので解放してほしい」。24時間でジェロニモが戻ってこなければ、サン・ギルが攻撃される。

◆ ジュリーと会う

ヴァンスたちは(北軍の服で)サン・ギルに来た。住民たちはマクエイド殺害事件の件で興奮している。子供たちさえも「先住民を絞首刑に」と叫んでいる。

保安官と会った。「先住民をマクエイド殺害現場のそばで捕らえた」。アパッチとの交渉結果を話して釈放を要求するが、容易ではなさそうである。

ジェロニモと話す。「彼は銃と酒を仲間に売りつけた」と殺害を正当化する。「釈放されなければ仲間が攻めてくる」

さてここで(犠牲者のマクエイドの妻として)ジュリーが連れられてきた。もちろんお互いを認識したのだが、知らないふりをして二人は当たり障りのない挨拶をした。

しかし他の人がいないところで、ジュリーは(嫌味というよりも)速射砲でヴァンスを猛口撃した。ヴァンスが「相変わらずきれいだな」とごまかそうとしたが「もう少し納得できる言い訳を用意したらどお?」と反撃された。

「結婚して幸せだったか?」「聞く権利ないでしょ」。

◆ デラコートが来た

ワシントンから政府の役人のデラコートがきた。マクエイドの件を話すと、あまり考えもせずに「アパッチを我々の側に引き込む」とマクエイドと同じようなことを言う。

デラコートは刑務所のカギを要求し保安官から受け取った。デラコートはそれをスボンのポケットに入れた。ヴァンスはそれを目撃。その後に自分の部屋の箱に入れるが、ヴァンスはそれを知らない。

ヴァンスは他の人からは「どこかであったか?」と言われて、相変わらず危うい状態であり、また住民は「(捕らえた)アパッチをどうするのか?」と話している。

◆ パーティが開かれる

夜十時にジェロニモを解放して脱出する計画。バーティが開かれている。ヴァンスも出席している。十時が近づいてきてイライラしている。

デラコートがテーブルで他の人といろいろと喋っている。ヴァンスは料理が入った鍋をデラコートのスボンにひっくり返した。ヴァンスは謝ってスボンを脱がせて部屋の外に出た。

デラコートはちょうど挨拶する順番だったので、旗を巻き付けて壇に立った。

ヴァンスはポケットを調べたがカギがない。デラコートの部屋に入って箱の中にカギを見つけた。

◆ ヴァンスはサン・ギルを脱出

デラコートの部屋を出たところで、ジュリーにばったり出会った。またジュリーが口撃してくるので、キスをして口撃をかわした。注、デラコートとジュリーは隣同士。

ヴァンスは先を急ごうとするが、今度はジェブと鉢合わせした。北軍の制服をしているのでジェブは追及する。

「説明しろ」「ジュリーに会いたかった」「正直に言え!」と展開したので、ジェロニモのことを正直に話した。

二人はジュリーの部屋に入った。ここで他の一団が乱入してくる。ヴァンスは陰に隠れた。「リアドンは南軍のスパイだ」。ジェブとジュリーは「ここにはいない」と庇ってくれる。

ジェブ:「(ヴァンスが)捕らえられたら終わり」ジュリー:「助けてあげて」。

ヴァンスは目的を達成しないまま、サン・ギルを脱出した。

◆ ハリソン・ペイジが撃たれる

アパッチが数人、サン・ギルに近づいてきた。門の外で止まり、ハリソンだけが門の中に入ってきた。ジェブが対応した。

「昨日交渉した人物と交渉したい」「彼はペテン師でもういなくなった」「先住民を釈放すれば中立を守る」「我々は脅迫に屈しない」と展開した。

だがしかしそこで突然ハリソンが撃たれた。ハリソンは馬でなんとか門の外まで行って、そこで落馬して絶命した。

アパッチの一団は帰っていった。

◆ アパッチが攻撃してくる

ジェブは「フォートポイントに援軍を頼め」と指示し、ジュリーに「マクエイド交易所にある弾薬を全部」と依頼した。

馬車を倒してバリケードにし、土嚢も積み上げた。隊員を配置しライフルを構えた。一般の銃が使える人間も動員した。

アパッチが攻めてきた。ジェブは「できるだけひきつけて撃て」と叫ぶ。

アパッチが銃撃してくる。塀を飛び越えて突入してくる。双方に大きな被害。

次第にアパッチ優勢の状況となる。一般の人々は建物の中からおびえて見ている。

火災が発生する。その中で銃撃戦。馬が逃げ出して暴れる。追い詰められて建物を放棄する。

小さな子供が建物から飛び出したので、ジュリーは飛び出して子供を抱いて馬車の陰に隠れた。

◆ 南軍が駆けつける

ヴァンスは帰隊し隊員を率いていた。遠くで煙が上がっているで偵察させた。「サン・ギルのあたりで銃撃戦発生」。サン・ギルに急行した。

サン・ギルの手前で横隊に展開し進んだ。サン・ギルの中からはアパッチの部隊が出てきて迎え撃つ。

両隊の距離がゼロとなり激突、乱戦状態となった。そして南軍が勝利した。

南軍は隊列を整え直して、今度は縦列でサン・ギルの中に突入した。

前にもまして激しい戦いとなったが、北軍+南軍が次第に優勢となった。アパッチは撤退した。

◆ ラスト

馬車がきてデラコートとジュリーが乗り込んだ。ジュリーが顔をだしてヴァンスとキスをした。馬車は出発した。

南軍も北軍に見送られて出発した。
 


■ 補足/北軍が捕らえられる

わりとアホな感じで北軍の部隊が、ヴァンス指揮の南軍部隊に捕らえられる事件が三度発生する。

◆ 水浴び事件

北軍の部隊が湖で水浴びをしていた。そこを南軍部隊が急襲。

北軍は武器を取られ、服を焼かれた。そして上半身裸の姿でフォートポイント砦に歩いて帰った。

帰ったら、当然ながら上官から大目玉。

◆ 逆包囲事件

ジェフがフォートポイント砦に着任する部隊を率いていた。

少数の南軍の部隊がいたので包囲した。

だが、それは偽装で、周囲から多数の南軍部隊が現れて逆包囲された。北軍は武器を取られた。

この時にジェブはヴァンスと出会って、行方不明だったヴァンスの状況を把握した。

◆ リアドン少佐事件

ヴァンスの部隊がマクエイド殺害現場で、北軍上層部からマクエイドに宛てた手紙を発見し、リアドン少佐が率いる部隊が着任することを把握する。

その部隊を待ち伏せて捕らえる。制服を脱がせてヴァンスはリアドン少佐に変装してサン・ギルに向かう。
 


■ 出演作品

 

ロナルド・レーガン
(1964)殺人者たち/The Killers
(1953)決闘の町、法と秩序/Law and Order
(1951)最後の砦/The Last Outpost
(1940)カンザス騎兵隊/Santa Fe Trail
(1952)楽園の死闘/Hong Kong
(1953)楽園の決闘/Tropic Zone
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(1951)チンパンジーのボンゾ/Bedtime for Bonzo
(1954)バッファロー渓谷の戦い:牛飼いの女王/Cattle Queen of Montana

ロンダ・フレミング
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1947)過去を逃れて/Out of the Past
(1949)腰抜け大捕物/The Great Lover
(1951)犯人を逃がすな/Cry Danger
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1951)最後の砦/The Last Outpost
(1952)ゴールデン・ホークの復讐/The Golden Hawk
(1952)楽園の死闘/Hong Kong
(1953)楽園の決闘/Tropic Zone
(1953)地獄の対決/Inferno
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(946)静かなる対決/Abilene Town
(1954)風雲のバビロン/バビロンの女王/The Queen Of Babylon
(1954)ヤンキー・パーシャ/Yankee Pasha
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1960)奴隷の叛乱/Revolt of the Slaves
(1965)甘い大陸/THE AMERICAN WIFE
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1956)オドンゴ/odongo
(1958)西部を股にかける女/Bullwhip
(1964)インスタント・ラヴ/Instant Love
(1959)腰抜け列車強盗/Alias Jesse James
(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark
(1956)殺し屋は放たれた/The Killer Is Loose
(1953)ナイルの妖女、クレオパトラ/Serpent of the Nile
(1980)ヌード爆弾/The Nude Bomb
(1951)欲望の河/Crosswinds
(1957)連発銃は知っている/Gun Glory
(1960)翼の男:海軍機と旅客機が空中衝突/The Crowded Sky