■ The Strange Affair of Uncle Harry
ハリーは姉、妹と住んでいる。恋人ができて、結婚することになった。
結婚の邪魔となった妹を殺そうとしたが、しかし間違って姉が死んでしまった。
妹が起訴される事態となり、ハリーは「私が殺した」と自首したが....。
製作:1945年、監督:ロバート・シオドマク
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ハリー・クインシー(ジョージ・サンダース)
へスター・クインシー(モイナ・マクギル) ハリーの姉
レティ・クインシー(ジェラルディン・フィッツジェラルド) ハリーの妹
デボラ・ブラウン(エラ・レインズ) ハリーの恋人
ノナ(サラ・オールグッド) クインシー家のメイド
ジョン(?) クインシー家の犬
「おじさん」はハリーの勤務先でのニックネーム。
■ あらすじ
◆ クインシー家
クインシー家はかっては名家だったが、今では落ちぶれている。
ハリーは織物工場に勤務している。姉のへスターは夫が死亡して戻ってきた。その他に妹のレティ。ハリーだけが働いている。
メイドのノナがいる。落ちぶれたわりにはメイドを雇う金があるらしい。
へスターとレティはあまり意見が一致していないようで、よく言い合いをしている。ハリーはそれを黙って聞いている。
◆ デボラ・ブラウン
ハリーの会社のニューヨーク支店からデボラ・ブラウンというデザイナーが転勤してきた。
わりとさっぱり、しっかりした女性のようである。ハリーは自分の仕事について説明した。
ある日仕事が終わって二人で野球観戦をした。二人で大きな綿飴を食べた。その後、店のテラス席で食べながら話した。デボラが主に喋ってハリーが聞いている。
星の話が出てきたのでハリーは自宅に誘った。ハリーの自宅には天体望遠鏡がある。ずいぶんと立派なものである。二人で望遠鏡を覗いた。
へスターとレティは「女性が来てるわよ」と話した。注、望遠鏡は別棟に設置してある。
後日またデボラはクインシー家を訪れて、へスターとレティとも話した。クインシー家の犬ジョンとも仲良くなった。
◆ 「デボラと結婚する」
デボラが来てから三か月が経った。会社のハリーの仕事場。デボラが入ってきた。
デボラは「ヨーロッパに行く」と言った後、ハリーを挑発。挑発に乗ってハリーがデボラにキスをした。なぜヨーロッパなのかは不明。
ハリーは帰宅。花束を持っている。レティを呼んで花束を渡す。
ちょっと間をおいて「俺はデボラと結婚する」と宣言。レティは抱きついた後、グラスを取って乾杯した。注、なぜレティに花束を渡すのかは疑問。
ここでへスターが戻ってきた。さっそくレティが報告する。へスターも喜んだ。
◆ デブラはニューヨークに戻った
ハリーとデボラの結婚に伴って、へスターとレティは他の場所に引っ越す。注、部屋はいっぱいあるようだが。
不動産屋。へスターとレティの住む新しい物件を探す。ハリーも一緒に来ている。レティの物件は適当なものがない。というかレティはあまり選ぼうとしない。
この間、レティが二人の結婚についていろいろと文句を述べ立てる。
デブラとハリーは二人の引っ越しの件で悩んでいる。ハリーが謝る。
教会。へスターとレティが出席。レティは気分が悪いようである。普段でているハリーはいない。
ハリーとデブラは教会の外にいる。突然だがデブラは「ニューヨークに帰る」と話している。結婚話の決着がつかないからである。
二人は教会に向かった。救急車のサイレンが聞こえてきた。教会から出てきた子供がレティだと教えた。
ハリーは救急車を追いかけようとするが、デブラが「どうするの?」と聞く。「私と結婚するのは知ってるわよね」。デブラは立ち去った。デブラの行動は唐突である。
レティはデブラがニューヨークに行ったと知って嬉しがった。
◆ ハリーが何かを考えている
ハリーは机の中の何かを取り出して見ている。何か考えている雰囲気。
レティが入ってきたので、手に持っていたものを戻した。二人は外にでて歩きながら話した。この時はレティはハリーの腕にぶら下がって甘えていた。
◆ へスターが死亡した
ハリーは例の机の中のものを取り出した。毒。じっと見ている。
外を見とるレティがいるので中へ呼んだ。「なかなか寝れないの」。
レティに「ココアを飲むか?」と聞くと頷く。レティが席を外したすきにココアを入れて、さらに毒を入れた。
レティがまた入ってきて、ココアのカップを手にする。ここで電話。レティが出る。
ハリー宛なのでハリーが出る。電話をしている間に、レティはカップを持って二階に上がった。
またレティが下りてきた。カップを持っている。まだココアは入ったまま。
レティは座ってカップを口に持ってくる。少し飲んだ。全部飲み干した。
レティはなんともないので、ハリーは不審そうな顔をする。
二階で音がした。続いてうめき声。レティとハリーは二階に上がった。へスターが倒れていた。
ここでレティはハリーが毒を入れたことに気が付いた。
◆ レティが死刑になった
補足。ここのところの展開は、逮捕も裁判もなく、二度の新聞記事を使って、すぐに結論が表示される。
新聞に「レティが有罪になった」との記事。さらにしばらくして「控訴は棄却されて死刑が確定した」の記事。
◆ ハリーは「自分が犯人」と申し出た
ハリーは判事に会って書類を渡した。それは「へスターの殺人は自分がやった」と告白するもの。
なかなか長い書類。判事はじゃっかん嫌そうな顔をした。ハリーは「最後を呼んでくれ」と言った。
判事は書類を読み終わって「嘘だ」と言った。判事はハリーがレティを救うために嘘を言っていると解釈した。
◆ レティと面会
そこにレティが連れられてきた。レティはハリーに「元気?」と皮肉っぽく言った。
そしてレティは「私がやった」と主張。ハリーが何かを言おうとしても、取り合わない。判事は、このやり取りを見ている。
しばらくハリーとレティはやりあったが、レティは主張を取り下げない。
レティは戻っていった。
◆ ラスト
ハリーは自宅。何かを考えながら座っている。暗い雰囲気。
足音がした。デボラが入ってきた。笑顔。ハリーにキスをする。
また足音がした。へスターが入ってきた。何の違和感もなく、普通に帰宅したような感じである。デボラを見て抱き合った。
■ 補足
本作のラストは、他のレヴューでいろいろ言われている。みなさんもお分かりだろう。
しかし私はこれで良いと思った。死んだはずのへスターが生き返って、おかしいことは事実だが、すっきりとハッピーエンドしている。
事前に他のレヴューを見ていたので「どうなのか?」と思っていたが、ラストを見て、むしろ good。
ただ問題点はある。真犯人のハリーが法律的な制裁を受けずにいることである。ならば、最後にレティが入ってくるようにしてもいいかも。
本作では弱いトーンではあるが、ハリーとレティに特別な関係があるように暗示されている。
■ 出演作
◆ ジョージ・サンダース
「レベッカ/Rebecca(1940)」
「自由への闘い/This Land Is Mine(1943)」
「永遠のアムバア/Forever Amber(1947)」
「サムソンとデリラ/Samson and Delilah(1949)」
「イヴの総て/All About Eve(1950)」
「口紅殺人事件/While the City Sleeps(1956)」
◆ ジェラルディン・フィッツジェラルド
「嵐ケ丘/WUTHERING HEIGHTS(1939)」
◆ サラ・オールグッド
「美女ありき/Lady Hamilton(1949)」
「わが谷は緑なりき/How Green Was My Valley(1941)」
「ジェーン・エア/Jane Eyre(1940)」
「ジキル博士とハイド氏/Dr.Jekyll and Mr.Hyde(1941)」
「茶碗の中の嵐/Storm in a Teacup(1937)」
◆ エラ・レインズ
(1944)容疑者/The Suspect
(1944)拳銃の町/Tall in the Saddle
(1944)幻の女/Phantom Lady
(1945)ハリーおじさんの悪夢/The Strange Affair of Uncle Harry
(1949)ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/The Walking Hills
(1949)殺しのミッション/危険な職業/A Dangerous Profession
(1949)狂った殺人計画/Impact
(1950)峡谷の銃声/Singing Guns
(1952)ハチェット牧場の対決/Ride the Man Down
(1956)道路の男/The Man in the Road