■ The Man in the Road
道路に倒れている人を助けようと走り寄った。しかしその時に殴られて気絶した。
病院で目が覚めたが、自分が誰であるかの記憶がなくなっていた。
医者から名前はイヴァン・メイソンで、貿易関係の仕事をしていたと教えられた。しかしそれが本当であるかは分からない。


製作年:1956、監督:Lance Comfort、脚本:Anthony Armstrong、原作:Guy Morgan


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 イヴァン・メイソン/ジェームズ・パクストン(デレク・ファー)
 ローナ・エリソン(エラ・レインズ)
 キャトレル教授(ドナルド・ウォルフィット)
 マニング医師(ブルース・ビービー)
 ミッツィ看護師(リサ・ダニエリー)
 ケリー(シリル・キューザック) 患者
 レミング夫人(オリーブ・スローン) アパートの管理人
 経営者(ジョン・ウェルシュ)
 ジョージ・ホワイト(?)ゲームキーパー
 スコットランドヤード管理者(ラッセル・ネイピア)
 スコットランドヤード警部(フレデリック・パイパー)
 スコットランドヤード刑事(カレル・ステパネク)

ローナは狩猟に来ていて、そこのコテージを借りている。

「ゲームキーパー」。「ゲーム」とは狩猟のこと。狩猟の森の管理をする人。狩猟者にアドヴァイスや不正な行為の禁止をする。結果として森の動物の正常な構成を維持する仕事。
 


■ あらすじ

◆ 道に人が倒れていた

夜の田舎道。車が走っている。人が倒れている姿がライトに浮かび上がった。

車を止めて駆け寄った。状況を確認しようと、しゃがみ込む。

そこを後ろから殴られた。気絶した。

車に火がつけられた。殴られた人は運び去られた。

◆ 病院に入っている

ベッドに寝ている。頭に包帯が巻かれている。状態は良くない。

医者が来て診察する。看護師が世話をする。

しばらくすると気が付いて少し話せるようになった。

看護師のミッツィと話す。「調子は良くなってきている」とのこと。ミッツィは巻き舌の英語を話した。

◆ 記憶がなくなっている

医師はキャトレルと名乗った。キャトレルは「メイソンさん」と話しかけた。

しかし男性は自分がメイソンではないような気がしたが、自分の名前を忘れていた。

キャトレルは「必ず良くなります」と話した。

キャトレルはメイソンの荷物を取り出した。財布には214ポンド。

メイソン宛の手紙も見せた。差出人はピエール。ピエールという名前も知らない。手紙の宛先住所は「7 rose croft road crap and common london sw4」。

パスポートもあった。名前はイヴァン・メイソン。生まれはvex hill sussexで1920/01/02,現在35歳、身長は5フィート11インチ。そしてソ連行のヴィザ。

しかしまったくそのような記憶がない。キャトレルは目の前でライターの火をつけて、ユラユラと動かしている。それを見ていると、自分がイヴァンであるかのような気がしてきた。

◆ アパートの管理人の女性が現れた

イヴァンは、次第によくなってベッドから起き上がれるようになった。

ミッツィに車イスを押してもらって外に出た。しばらくすると杖をついて歩けるようになった。ミッツィと次第に親しくなった。

ある日、キャトレルは一人の女性を連れてきた。レミング夫人。

レミング夫人は、イヴァンが住んでいたアパートの管理人だそうである。そして会計士として働いていたそうである。

レミング夫人は懐かしそうに話しかけた。しかしイヴァンは夫人のことをまったく覚えていない。

またキャトレルは、ライターの火をユラユラさせた。レミング夫人を知っているような気がしてきた。

◆ ケリー

外でミッツィと一緒にいた。ミッツィとはかなり親しくなっている。二人はキスをした。

それを二階から見ている人物がいた。

イヴァンは、その人物の部屋に行った。ケリー。酒ビンを持っていて酔っぱらっている。ケリーは「もう少ししたら、ここから出て行く」と言う。

マニング医師とミッツィが入ってきた。二人はケリーに注意した。マニングは「ケリーの言うことを本気にするな」と注意。

その時に「明日、ロンドンに行って、あなたの雇用主に会う」と言われた。

◆ 雇用主に会う

キャトレルたちとロンドンに行った。イヴァンはある建物に入った。一人の人物がいる。

彼は懐かしそうにイヴァンに握手をした。イヴァンの雇用主とのこと。

彼は二人でハイキングに行ったことなどを話した。仕事は貿易業務をしていて、とても優秀だった。その書類も見せられた。

またイヴァンはロシアに行く予定であった。イヴァンの母親がロシア人で、母親に会うために二週間ソ連に行く予定だった。母親は父親が死んだ後にソ連に戻った。

このようなことを話された。もちろんイヴァンには、そのような記憶はなかった。またキャトレルがライターの火をユラユラさせた。

◆ ケリーから話を聞く

イヴァンは車で町に出て、ある店に入った。ケリーが待っていた。

例によってケリーは酒を飲んでいて、話がのらりくらりとしているが、ケリーは次のような話をした。

ある患者が死亡して君が運ばれてきた。君の名前はイヴァン・メイソンではない。君の脚はケガしていなかった。君の脚を折って100ポンドをもらった。キャトレルは薬を使わずに催眠術をかける。

◆ ローナ・エリソンに出会う

ケリーの話を聞いて戻る途中。手を振っている女性を見かけた。乗馬服を着ている。

その女性を車に乗せた。名前はローナ・エリソン。父親がアメリカ人で大使館に勤務している。その関係でイギリスにいる。当地には狩りに来ている。馬に乗っていたが馬に逃げられた。

ローナを乗せて狩猟場のコテージに行った。馬は先に帰ってきていてローナを待っていた。

ローナは話し好きらしく、いろいろ聞いてきた。イヴァンは、自分が記憶喪失であること、自分の名前や他のことも知らないこと。今いる病院があまり信用できないことなどを話した。

ローナは「疑っていることを言わない方がいいと思うわ。しっかりした証拠を掴んでから警察に言うべきよ」とアドヴァイスした。

ローナはしっかりした感じの女性で、イヴァンは好印象を持った。

◆ 行動を疑われた

イヴァンが帰ってくる。相変わらずケリーは酔っぱらっている。

マニング「どこに行っていた?」イヴァン「散歩だ」

キャトレル、マニングと食事をした。「母親に会いたいだろう。会ったら記憶を取り戻す」と言う。またキャトレルがライターの火をユラユラさせた。

それに合わせてイヴァンは体をユラユラさせた。しかし今回は意識ははっきりしていた。体をユラユラさせたのは偽装である。

イヴァンは部屋を出た。残った二人は話した。「ケリーをほおっておくと危ない。メイソンはミッツィがうまくやるだろう」。

◆ ミッツィに誘われた

イヴァンが部屋にいるとミッツィが入ってきた。そして大胆な提案をする。

「私をどこかへ連れて行って。約束して」「明日話そう」「今決めてちょうだい」。ミッツィはキスをした。

二人は明日でていくことに決めた。ミッツィは部屋を出て行った。

しかしイヴァンのミッツィに対する言葉は偽装である。

ドアを開けて階下の様子を探った。明日の朝に何かをするという話をしている。

その後に刑事が訪ねてきて、何かを話して出て行った。

◆ イヴァンは脱出した

財布とパスポートだけを取り出してポケットに入れた。窓を開けて、トイを伝って外に下りた。敷地から抜け出た。森の中を走った。

病院では、イヴァンがいなくなったことに気が付いて車を出して探した。

◆ ローナのコテージに隠れた

ローナが借りているコテージ。ゲームキーパーのジョージ・ホワイトが訪ねてきた。

「車が来て、男を見かけなかったか?と尋ねられた」「なんて答えたの?」「誰も見なかったと答えた」。

実は中にイヴァンがいる。

朝になった。二人で食事をしながら話した。イヴァン「結局自分は何者なのか?」「アパートの管理人に聞けば?」。

二人でロンドンに行くことにする。

◆ レミング夫人

二人で列車に乗ってロンドンに行った。イヴァンは自分が住んでいたはずのアパートに言った。

レミング夫人に会った。最初は知らないふりをしたが、夫人を追求すると「50ポンドで嘘をつくように頼まれた」と判明した。

一方、ローナはスコットランドヤードに行った。イヴァンとの関係を疑われたが、イヴァンの情報を渡して調査を頼んで出てきた。

その後、担当者はパスポートオフィスに電話をした。

一方、キャトレルたちは、イヴァンが女性と一緒にロンドンに行ったことを掴んだ。

◆ スコットランドヤード

スコットランドヤードでは、イヴァンの写真を行方不明者と照合している。

イヴァン・メイソンのパスポートが1955年1月11日に紛失届が出ている。本人の車から盗まれたとのこと。

担当者は同僚と「パクストン事件を覚えているか」と話した。

写真を照合して、イヴァンはジェームス・パクストンと判明した。

◆ 二人は捕らえられた

二人はコテージに戻って来た。しかし中には一味が潜んでいて捕らえられた。病院に戻された。

キャトレルは、またライターの火をユラユラされて「お前の記憶をよみがえらせることができる」と言って、イヴァン=ジェームス・パクストンが科学者であることを明かした。

彼らがソ連のスパイであることも明かした。「お前が協力するならば、彼女は自由にする」と取引を要求した。

聞いていたローナは「私のことは心配しなくていいのよ」。

◆ 警察が動き出した

パトカーがコテージに来てジョージに話を聞いた。それから病院に向かった。

刑事が病院を訪れた。「イヴァン・メイソンは?」。応対したキャトレルはしらばっくれた。ケリーの話も聞いた。

刑事は簡単に引き下がって帰った。パトカーは遠ざかった。

しかしパトカーは林の陰に隠れて、病院を見張った。

◆ ローナが連れ出された

二人は依然として捕らえられていた。一味はローナを連れて車で出発した。

それを確認した警察は、車のナンバーを手配して非常線を張った。

パトカーは車を捕らえて、ローナを解放した。

◆ 一味はヘリで逃げ出す

病院に残った一味は、ジェームスを連れ出した。上空にヘリが来た。

ヘリに乗って脱出しようとする。

引き続き病院を見張っていた警察は彼らを追いかけた。

警察に追いつかれて、一味はジェームスをほおって、ヘリに走った。

キャトレルは、一味の仲間を裏切って自分だけがヘリに乗り込もうとした。

ヘリはキャトレルを置いて飛び立った。キャトレルはヘリの足に捕まった。ヘリは舞い上がった。しかしキャトレルは地上に落下した。補足、ヘリは飛んで行ったが、どうなったかは不明。

ローナはジェームスに駆け寄った。ジェームスは記憶を取り戻した。
 


■ 出演作

エラ・レインズ
(1944)容疑者/The Suspect
(1944)拳銃の町/Tall in the Saddle
(1944)幻の女/Phantom Lady
(1945)ハリーおじさんの悪夢/The Strange Affair of Uncle Harry
(1949)ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/The Walking Hills
(1949)殺しのミッション/危険な職業/A Dangerous Profession
(1949)狂った殺人計画/Impact
(1950)峡谷の銃声/Singing Guns
(1952)ハチェット牧場の対決/Ride the Man Down
(1956)道路の男/The Man in the Road