■ A Dangerous Profession
保釈保証金の仕事をしているヴィンスの元にルーシーという女性の依頼があった。ルーシーとは以前に会ったことがあった。
ルーシーが用意した保釈金では足りなかったが、ドーソンという弁護士が現れて少し金をだし、さらにヴィンスの分も足した。
結果ルーシーの夫のクロードは保釈されたが、しかし誰かに殺された。
製作年:1949、監督:Ted Tetzlaff、脚本:Warren Duff、Martin Rackin
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ルーシー・ブラケット(エラ・レインズ)
クロード・ブラケット(ビル・ウィルアムス) ルーシーの夫
ヴィンス・ケイン(ジョージ・ラフト) 元刑事、保釈証書ブローカー
ジョー・ファーリー(パット・オブライエン) ケインの相棒
ニック・フェロン(ジム・バッカス) 警部補
ジェリー・マッケイ(ローランド・ウィンターズ) 酒場の経営者
イレーヌ・ストーム(ベティ・アンダーウッド) 酒場の女性
ロイ・コリンズ(ロバート・ギスト) マックス・ギブニー
マシュー・ドーソン(デイヴィッド・バウアー) ルーシーの弁護人
「殺しのミッション」が邦題だが、例によって意味不明。
■ あらすじ
◆ 保釈金ビジネス
ロスアンジェルス。元刑事のヴィンス・ケインはジョー・ファーリーと一緒に保釈金を貸し出す事務所を開いている。
保釈金を払えない人に保釈金を貸す。保釈が終了して保釈金が戻るときに若干の利子を貰う。一種の金貸しである。
◆ 証券盗難事件
1年11か月前、15万ドルの証券が盗まれて換金された。しかしその証券は盗まれたものだった。またベニーという警官が殺された。
この事件に絡んで、ニック・フェロン警部補がある人物を逮捕した。クロード・ブラケット。
本件に関して保釈の要求が出ているとのことで、ヴィンスとジョーはドルシーホテルの217号室に出かけた。
誰もいなかったので、勝手に中を調べた。
飾っている花、香水、サンダルにヴィンスは記憶があった。
自分の名刺をおいてでてきた。
◆ ルーシー・ブラケット
事務所に帰ると、ある女性が待っていた。昔知り合った女性である。ルーシー。
ルーシーとは、偶然一緒のバスに乗っていたがバスが故障して、二人で海岸を歩き、ヒッチハイクをした。それだけの関係であるが、二人の間に特別な感情が起こった。少なくともヴィンスはそうだった。1年11か月前のこと。
そして二人は会う約束をしたが、ルーシーは来なかった。
ルーシーはクロードの妻とのこと。結婚して五年だそうである。
保釈金は25000ドルだが、ルーシーには4000ドルしか用意できない。
ヴィンスは、この件を断りルーシーは出て行った。しかしヴィンスは、ちょっと考えている。
◆ ルーシーを訪ねていく
再度ルーシーを訪ねた。嫌がったが強引に中に入った。わりと感情的な言葉を交わした。
「なぜ結婚していることを黙っていた?」「初対面の人にはそんなことは言わない」「なぜ俺の誘いに乗った?」「夫とは別居中だった。離婚もする予定だった」「なぜ約束の場所に来なかった?」「夫が突然帰ってきた。濡れ衣を着せられた。すぐに逃げなければと言われた」。
ルーシーはクロードの無実を信じているとのこと。
◆ クロードは保釈された
その後、マシュー・ドーソンというルーシーの弁護人と会って、12000ドルを用意してきた。ルーシーが4000ドル出せるので、残りは9000ドルとなる。
ヴィンスは、自分の事務所の金で残りの保証金を出して、クロードの保釈を勝ち取った。
事務所の金を使ったことに対してジョーはヴィンスに文句を言った。またニックは、保釈させたことに対して文句を言った。
クロードはヴィンスの監視の元にいるのが条件なのだが、クロードは出て行くという。ヴィンスは「毎日六時に電話しろ」と言って、黙認した。
◆ 怪しい男
ヴィンスはクロードが勤務していた証券会社にでかけた。しかし「そんな社員は知らない」と不思議なことを言われた。
それで弁護士のドーソンを訪ねて行った。中から男がでてきた。中に入るとドーソンはいない。
エレヴェーターの前で出てきた男と一緒になった。その男は先にエレヴェーターに乗るのを嫌がり、ヴィンスが先に乗った。
◆ クロードは姿を消した
クロードは出て行って、ルーシーに置手紙があった。
ヴィンスから電話があってクロードの存在確認。ルーシーは「寝ている」と嘘を言った。
すぐにヴィンスがきた。ルーシーは「起こさないで、二人でディナーに行きましょう」と偽装する。
ヴィンスは大胆な提案をする。「荷造りをして、ここは出よう」「仕事を捨てるの?」。ここでルーシーが抱き着いた。
そして置手紙をみせた。
ヴィンスの言葉は偽装で、クロードがいないことを確認するためだった。ヴィンスは怒って出て行った。
◆ クロードは殺された
ヴィンスとジョーが「依頼人の逃亡は前代未聞だ」などと話していると、ニックがきた。「クロードが殺された」とのこと。
ドーソンを訪ねていくと「本件は知らない男から依頼された」と言う。男の名前はマックス・ギブニーとのこと。ワズワースホテルにいるらしい。
さっそくホテルに行く、係員に聞くがよくわからない。しかし「エレヴェーターに乗るときに、後ろに回ったヤツがいた」との証言。
◆ ジェリーの酒場
ジェリーの酒場でヴィンスとルーシーが会っている。ルーシーは「結婚一年で愛は消えた、何度も彼を疑ったが、でも信じようとした」とわりととりとめもないことを話す。
ここでヴィンスに電話がかかり電話にでた。その時に、ドーソンの事務所にいた男がいるのを見つけた。ロイ・コリンズと名乗った。
コリンズと少し話したが、ヴィンスは故意にコリンズの服にコーヒーをかけて謝った。
ルーシー、コリンズと店を出た。またコリンズは、最後に店を出た。
◆ コリンズのアパートを調べる
ルーシーを送って行って元の酒場の前に戻った。
知り合いのタクシー運転手に聞いた。「服を汚した男を乗せて行った」とのこと。
その場所まで案内してもらった。アパート。ロイ・コリンズの表札がある。
二階に上がった。中に入る。注、ここでヴィンスはポケットからカギを取り出して開けるが、それはおかしい。
ロイは不在で、中で「ドーソンに会え、マッケイ」のメモを発見した。
◆ 罠をかける
ここまで来て、我々にはまだよく分からないが、ヴィンスにはある程度の推理ができたようである。
「ブラケットに接触して協力させて、ギブニーに盗ませた。ブラケットが証券を換金した。口封じに殺された」。
ホテルの従業員にギブニーの特徴を聞くと、コリンズの特徴と一致する。
しかしヴィンスにとっても証拠をつかんだわけではない。罠にかけることにした。
マッケイを前に「五万ドルをよこせ」。マッケイはしばらく沈黙したが「俺だけでは決められない」と言った。罠にかかったっ!
マッケイは電話をかけた。ジョーが入ってきた。「マッケイは顧客だ」。
マッケイは引き出しから拳銃を出そうとしたが、ヴィンスに物を投げられた。
「明日の10時半に金をもってこい。俺の家に、二人で現金で持ってこい」。
◆ ルーシーが行方不明
ヴィンスはルーシーがいるドルシーホテルに電話をした。しかし昨夜出発したとのこと。
さらにニックのところに行って「ルーシーは悪人ではない、犯人はジェリー・マッケイだ。そしてロイ・コリンズはマックス・ギブニーだ」。
「罠をかけた。45分後に俺の自宅に来る。証拠は不十分だが、現場を押さえられる」。
それと「ルーシーを探してくれ」と頼む。
◆ ルーシーは外に出た
実はルーシーはニックの保護の元にあり、あるホテルの部屋にいた。
ニックが来て「カギをかけて、ここから出るな」と警告した。
しかしルーシーはヴィンスの会社に電話した。誰も出ない。
ルーシーは出かけた。
◆ ヴィンスの家
ヴィンスとニックとマッケイがヴィンスの家に入ってきた。実は中にはルーシーがいた。ルーシーは慌てて陰に隠れた。
「コリンズを引き渡せ。ブラケットと警官を殺した男だ。俺を殺したらニックが気が付く、11時にここにくる」「コリンズと五万を取る気か?」「コリンズを渡したら五万は返す」。
ヴィンスのペースとなっている。
しかしヴィンスは隅にルーシーがいるのに気が付いた。二人からは見えない位置。「ブラケットは分け前を貰ったのか」「コリンズが渡した」。
ここでコリンズを呼び出すという手筈になるが、ルーシーがいるので危険である。
「コリンズに俺を山で殺すと言っておびき出せ」と方針を変える。マッケイはコリンズを電話で呼び出した。
ヴィンスは二人に分からないように「ニックを呼べ/Call Nick」とメモをした。
三人は出かけた。ルーシーがメモを見てニックに連絡した。
◆ 追跡
三人は車に乗って行く。ルーシーは駆けつけたニックと一緒にパトカーで追いかけた。
警察は非常線を張った。
途中で、三人の車にコリンズが乗ってくる。車は山道に入っていく。
ここでヴィンスが挑発して、三人が仲間割れする。コリンズが拳銃を出すが、車のドアが開いた。みんな斜面を落ちていく。
警官隊が到着した。「コリンズだ、ベニーを殺した」。コリンズを含めて逮捕された。
ルーシーとヴィンスが抱き合った。
■ 出演作
◆ エラ・レインズ
(1944)容疑者/The Suspect
(1944)拳銃の町/Tall in the Saddle
(1944)幻の女/Phantom Lady
(1945)ハリーおじさんの悪夢/The Strange Affair of Uncle Harry
(1949)ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/The Walking Hills
(1949)殺しのミッション/危険な職業/A Dangerous Profession
(1949)狂った殺人計画/Impact
(1950)峡谷の銃声/Singing Guns
(1952)ハチェット牧場の対決/Ride the Man Down
(1956)道路の男/The Man in the Road
◆ ジョージ・ラフト
(1946)殺人夜想曲/ノクターン/Nocturne
(1949)殺しのミッション/A Dangerous Profession