THE WALKING HILLS

ジムをリーダーとする九人は砂漠の中に埋もれているとの噂の金塊を探しに出かけた。少し後にシェップの恋人のクリスも追いかけて合流した。
シェップは昔誤解から殺人を犯して逃亡したことをクリスに打ち明けた。
偶然見つけた牛の頭の骨をたよりに砂地を掘り始めたが、金塊は見つからない。
遠くから太陽の光の反射が見えた。クリーヴがジムにこっそりと「フレジーが反射に応答した」と報告。後ほどフレジーは、捜査員であることが判明する。
ジョニーがフレジーに襲われてケガをして寝たきり状態になる。後ほど死亡する。
フレジーがシェップに拳銃を向けたが、スコップで叩き落されて、二人はスコップで戦う。ジムもシェップに加勢して、結局フレジーは死亡する。
金塊は見つからなかったが、一万ドルほどが見つかった。みんなで分配し、自首するためにシェップはクリスと一緒に国境を越えて立ち去った。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作:1949年、脚本:アラン・ルメイ、監督:ジョン・スタージェス  


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ジム(ランドルフ・スコット)
 シェップ/ディヴ・ウイルソン(ウィリアム・ビショップ)
 ウィリー(エドガー・ブキャナン)
 チョーク(アーサー・ケネディ)
 フレジー(ジョン・アイアランド)
 ジョニー(ジェローム・コートランド)
 ビブス(ラッセル・コリンズ)
 ホセ(ホセ・ホワイト)
 クリーヴ(チャールズ・スティーヴンス)
 クリス(エラ・レインズ) シェップの恋人
 


■ あらすじ

◆ 金塊を運んだ馬車

アメリカとメキシコの国境の町メヒカリ。酒場で賭けをしている連中。賭けをしながら、とりとめもない話をしていた。

1852年、五台の荷馬車がウォーキング・ヒルズを通った。それらの馬車は500万ドルの金塊を運んでいた。しかしそれらの馬車は行方不明になった。注、本当は馬車ではなく牛車らしい。でも字幕は「馬車」になっている(笑)。

「その話は100回も聞いた」と言う者もいた。

しかし「この前、馬が古い馬車の車輪に引っかかった」という話が出ると、みんなは真剣な顔をした。

ドアを閉めて、こっそりと話した。そして「みんなで金塊を探しに出かけよう」と話がまとまった。

◆ 出発

総勢九人。リーダーはジム。こっそりと夜に出発した。

山道を通り抜けて、ついに砂漠に入った。ウォーキング・ヒルズ。果てしなく続く砂。

道に迷ったのか?、目印がない、不安がよぎる。先住民のボセが「帰りたい」と言う。しかし帰ったら何を喋るか分からない。秘密が漏れる。みんなで引き留めた。

◆ クリスが来た

確信がないまま砂漠を進んでいったが、牛の頭蓋骨が見つかった。荷車を引っ張った牛らしい。

そのあたりをみんなで掘り始めた。

作業を始めて、しばらくするとクリスが来た。「誰から聞いたんだ?」「帰れ」と言われるが、クリスは「探し物があるんでしょ?、帰らせるなら、みんなに話すわよ」と言うのでクリスも仲間に入れることにした。

発掘作業はなかなか進まないが、掘っていくとチェーンが見つかった。みんな急に元気が出た。

◆ シェップとクリス

シェップとクリスは知り合い以上の中であったようである。クリスが「デイヴィ」と呼ぶと「その名前で呼ぶな」と制した。その名前を嫌う理由がある。

「そのうちにみんな気がつくわ。私から逃げようとしてたでしょ。私は金塊を求めて来たわけじゃない」。

二人は昔話をした。昔シェップとクリスは(コロラド州の)デンヴァーにいた。ある時二人は会う約束をした。クリスは雨の中を待っていたが、シェップは現れなかった。クリスはシェップを追いかけてきた。

クリスはジムとも知り合いで、ジムは「俺に何かあったらジョニーを頼れ、危ないことはするな」と言う。注、ジムとシェップは今回が初対面。

◆ 謎の光

一生懸命に作業をしていると、遠くの岩のところから、光がこちらに向けられて点滅してきた。

みんなは、何なのか、その意図をいぶかる。ジムは「あれは暗号」。さらにジムは「応答を見た」と言ったが、フレジーが「本当か?」と聞くと「いや、分からない」と言い換えた。注、ジムに突っ込めば、相手側への返信の光は、こちらに向かってはいないので、見えないはず。

クリーヴがジムをこっそりと呼び出した。「フレジーが応答した」。ジムも「そう思う」。

さらに「フレジーは政府の人間。あの暗号も同僚への報告だろう」。しかしジムは「そのことは忘れろ」と答えた。

注、ここでクリーヴが人間の指の骨を見つけたと言って、それらしいものを差し出すが、後の展開には影響しない。

◆ 「俺は殺人犯」

作業の休憩中に「空の状況がおかしい。砂嵐がくるかも」というような話をする。しかし夜にはきれいな星が光っている。

シェップとクリスがみんなから離れて座っている。クリスは「私はここに来るんじゃなかった」と話す。

ここで突然シェップは「俺は殺人犯」と言う。クリスは驚く。「フレジーは警察、メヒカリから追われている」。

シェップは昔の話をする。賭け事をしていた。勝っていた。相手が酒ビンを割って殴りかかろうとした。シェップはテーブルをひっくり返して反撃した。相手が胸のポケットが膨らんでいた。拳銃だと思った。思い切り殴りつけた。しかし相手は拳銃を持っていなかった。相手は死んだ。気が転倒して逃げ出した。これがクリスがシェップに会えなかった理由である。

その後、クリスはシェップを追いかけて国境の町まで来た。

◆ ジョニーが大けが

シェップとクリスが離れたところを見ると、誰かがしゃがんで何かをしている。それに誰かが忍び寄って飛びかかった。格闘している。拳銃が発射された。

二人は慌てて駆け寄った。他の人も駆け寄ってきた。一人が立ち上がった。フレジー。拳銃を持っている。もう一人は倒れたまま。ジョニー。

みんなはジョニーを木の陰に運んで行って寝かせた。フレジーが言うには「眠れずに砂をいじっていたら、急にこいつが飛びかかってきた」。

ジョニーは動くことができない。脊髄を損傷したようである。

ジョニーは「フレジーは何かを埋めていた」。ジョニーが寝ているところにテントを張った。

◆ フレジーが点滅に応答する

朝になった。ジムなどがフレジーに「昨日はこれを埋めてたんだろ」と迫って、四角い道具を見せた。

また遠方からライトが点滅した。フレジーは、その道具を使って応答した。シェップは「俺も暗号が分かる」とクリスにささやいた。注、内容は言わない。

フレジーは「今回は殺人犯を追っている。しかしここに犯人はいなかった」と言う。注、「いなかった」と言うのは偽装でフレジーは犯人がいると思っている。

ジョニーはジムに「フレジーのターゲットは俺」。そして自分が悪いことをしたことを仄めかす。「ここで死にたい」。

クリスは「医者を呼ばなきゃ」と言うが、みんなは反対する。ジムは黙っている。クリスは「金のことしか頭にないの、ジョニーが死んだらみんな殺人犯よ」。クリスは馬のところに走っていこうとしたが止められた。

ジムはクリーヴに馬を隠させて、誰も出れないようにした。

◆ 箱が発見された

相変わらず発掘作業を行っている。箱が出てきた。しかし中には何も入っていなかった。ただこれによって、作業に力が入ってきた。

この間、馬の出産があったり、砂嵐がきたりする。嵐がすぎて、また作業を再開する。

クリスが見ているところで、動かないはずのジョニーに足がピクッと動いたので、「ジョニーの足が..」とみんなに報告に行くが、無視される。

シェップとクリスは、二人で国境を越えていく話をしている。

しかし発掘作業の方では、(ガラクタは見つかるが、)めぼしいものは見つからない。

◆ シェップとフレジーが戦う

ジョニーががシェップとクリスに「フレジーの標的は俺」と話す。それをフレジーが聞いていた。フレジーは「こいつの指名手配は偽物、ジョニーはおとり」と言う。フレジーの言葉を信じれば、ターゲットはシェップでもジョニーでもない。

シェップが走る。フレジーが追いかけて拳銃を向ける。しかしシェップはスコップで拳銃を叩き落した。フレジーもスコップを持って戦った。

クリスが走ってジムのところへ走った。ジムもスコップを持ち出した。最後は殴り合いになって、フレジーが倒れた。

シェップは「俺がフレジーの標的、ジョニーは無実」と言ったが、ジムは「君の告白は無駄になった、ジョニーは死んだ」。

ジョニーは埋葬された。

◆ チョークとフレジーが戦う

嵐が来た。みんなは避難する。

チョークが砂の中から拳銃を取り出した。フレジーに向けて「ここから離れろ」。フレジーは「お前じゃない、シェップが標的だ」と前と違うことを言う。チョークは「信じるものか」と引き金を引く。

銃撃で馬が暴走しそうになる。ジムがライフルを持ち出す。チョークは逃げ出そうとする。ジムがチョークを撃つ。

馬が逃げ出した。

嵐は治まった。砂が嵐で吹き飛ばされた跡から、また馬車が見つかった。

◆ シェップとクリスが出発する。

結局、金塊は見つからなかった。一万ドルがバッグの中から見つかった。ジムは「どうせ信じていなかった」と言った。みんなサバサバしている。

ジムはシェップにどうするか聞いた。「もう逃げない」。シェップは馬で出発した。そしてクリスもシェップについていった。注、シェップは自首するつもり。

ジムは一万ドルをみんなに分配した。シェップとクリスには分配されていないが、ジムは「後で渡す」と言っている。

嵐で馬がいなくなっているので、ジムはいったん一人で戻り、馬を調達してくる。ジムも出発した。
 


■ 出演作品

◆ ジョン・アイアランド
(1946)荒野の決闘/My Darling Clementine
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1948)赤い河/Red River
(1949)ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/The Walking Hills
(1950)誇りを汚すな/THE RETURN OF JESSE JAMES
(1948)脱獄の掟/RAW DEAL
(1946)目覚めと夢/Wake Up and Dream
(1951)復讐の谷/VENGEANCE VALLEY
(1958)暗黒街の女:マフィアと弁護士とダンサー/Party Girl
(1949)地獄への挑戦:ジェシー・ジェームズを撃った男/I SHOT JESSE JAMES

◆ アーサー・ケネディ
(1941)ハイ・シェラ/High Sierra
(1941)壮烈第七騎兵隊/They Died with Their Boots On
(1966)ミクロの決死圏/Fantastic Voyage
(1949)窓/The Window
(1949)ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/The Walking Hills
(1946)まごころ/Devotion
(1947)影なき殺人/Boomerang
(1952)無頼の谷/Rancho Notorious
(1949)遅すぎた涙/Too Late for Tears

◆ エドガー・ブキャナン
(1951)狙われた駅馬車/Rawhide
(1941)掠奪の町/TEXAS
(1953)シェーン/開拓農家と牧場主+殺し屋の対決/Shane
(1947)大草原/The Sea of Grass
(1949)ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/The Walking Hills
(1947)身代わり殺人計画/Framed
(1951)消えた黄金/CAVE OF OUTLAWS

◆ ランドルフ・スコット
(1939)地獄への道/Jesse James
(1945)海賊キッド/Captain Kidd
(1952)西部のガンベルト/Carson City
(1962)昼下りの決斗/Ride the High Country
(1949)ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/The Walking Hills
(946)静かなる対決/Abilene Town
(1943)無頼漢/Desperadoes
(1933)森の男:牧場乗っ取りの陰謀/Man of the Forest
(1941)女傑ベル・スター/BELLE STARR
(1955)怒りの夜明け/Rage at Dawn
(1949)カナダ平原:ロッキー山脈越え鉄道建設に妨害活動/Canadian Pacific

エラ・レインズ
(1944)容疑者/The Suspect
(1944)拳銃の町/Tall in the Saddle
(1944)幻の女/Phantom Lady
(1945)ハリーおじさんの悪夢/The Strange Affair of Uncle Harry
(1949)ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/The Walking Hills
(1949)殺しのミッション/危険な職業/A Dangerous Profession
(1949)狂った殺人計画/Impact
(1950)峡谷の銃声/Singing Guns
(1952)ハチェット牧場の対決/Ride the Man Down
(1956)道路の男/The Man in the Road
(1947)罠にかかった弁護士/The Web
(1944)ルパン登場/ENTER ARSENE LUPIN