BELLE STARR

南北戦争の形勢は北軍有利となりミズーリ州でも北軍が進駐してきた。ベル・シャーリーの兄エドは南軍として戦ったが故郷に戻って来た。もうサバサバしている。
ベルはエドの同級生で北軍のトーマス・クレイルと付き合ったが「まだサム・スター大尉が戦っている」と喧嘩した。
ベルはサムの部隊に参加することになった。作戦に参加したが、彼らのしていることは強盗であった。次第に疑問が大きくなってきた。


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製作年:1941、監督:アーヴィング・カミングス、脚本:ラマー・トロッティ


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

ベル・シャーリー(ジーン・ティアニー) → ベル・スター
エド・シャーリー(ジョン・シェパード) ベルの兄
ルー(ルイーズ・ビーヴァース) メイド
サム・スター大尉(ランドルフ・スコット) 南軍
トーマス・クレイル少佐(ダナ・アンドリュース) 北軍

◆ 補足

ベル・シャーリーは実在の人物。1848/2/5-1889/2/2。三回結婚している。二回目がサム・スター。最後には殺害されている。一応「伝記映画」としたが、さほど事実に沿っているわけではない。

ベルは常にスカートをはいており、馬に乗る時は女性用の鞍(両足を片側に揃えて乗れる)を使う。

北軍の軍服は紺色、南軍の軍服はグレー。サムが南軍の軍服を着るのは二回。ベルとの結婚式の時と最後に北軍に出頭する時。

北軍側は合衆国(United States)、南軍側は連合国(Confederate States)。

ベルの映画は他に「(1952)モンタナ・ベル/Montana Belle」。ベル役はジェーン・ラッセルでピッタリ。もう一つは「(1968)The Belle Starr Story」がある。だがこれはイタリア映画で、言語もイタリア語。

「ジーン」と言う名前は男性にも女性にもある。男性は「Gene」、女性は「Jean」「Jeanne」。だがジーン・ティアニーは「Gene」。映画監督のジーン・ネグレスコは男性だが「Jean」。


■ あらすじ

◆ エドが戻ってきた

南北戦争の勝利はほぼ北軍に確定した。ミズーリ州でも北軍が進駐してきて、司令部を設置した。

エド・シャーリーが戦争から戻ってきた。南軍側で戦ってきたが、今ではさばさばしている。だが妹のベルは悔しそうである。

北軍として戦ったトーマス・クレイル少佐とエドは同級生であった。二人は旧交を温めている。トーマスはベルとも知り合いである。

ベルはトーマスと口論して「まだサム・スター大尉が戦っている」と睨みつけた。だがベルはサムとは会ったことがない。

しかしベルとトーマスはニコニコとデートしたりもする。ベルは自分の写真を渡した。

◆ 夕食会にサムが来た

ベルはエドが帰ってきたこともあり、夕食会を開いた。トーマスも招いた。

途中で来客があった。もう客はすべて来ているので、メイドのルーは断ろうとしたが、ベルが招き入れた。

なんとサムである。

不穏な雰囲気になりながらも、ともあれ同席して食事をした。

◆ サムが撃たれた

さて夕食会が終わってトーマスとサムが出ていく。

玄関を出るとトーマスは拳銃を突き付けてサムを逮捕しようとする。

だがサムの仲間が潜んでいて、逆にトーマスが捕らえられた。

トーマスを連れて行こうとしたが、北軍部隊が来た。

サムたちは逃亡した。北軍は追いかけた。

だがサムが撃たれて落馬した。

◆ サムは捕らえられ、シャーリー家は焼き払われた

シャーリー家のドアが叩かれた。ケガをしたサムが連れられてきた。

エドは反対するが、ベルがサムを匿って二階に上げて治療をした。

トーマスが指揮する北軍が現れて、シャーリー家を捜索し始めた。

二階に上がろうとしたので、ベルが拳銃を構える事態となった。

睨みあっていたが、ケガをしているサムがヨロヨロと現れた。

サムとエドが逮捕された。

そして非情にもトーマスはシャーリー家を焼き払うように命令した。

ベルは泣き叫んで復讐を誓った。

◆ サムは逃亡した

サムとエドは北軍の司令部の牢に入れられた。

司令部の周りには住民が集まり、松明やプラカードを持ってデモをした。いつもの光景ではあるが人数が多い。そして司令部を取り巻いた。大声で騒いだ。

そして牢の近くに干し草を積んだ荷馬車。

ベルが二人に面会に来た。そしてサムに拳銃を渡した。

外から牢の格子にロープを結び付けて、それを馬車で引っ張り、格子を破壊した。

三人(サム、エド、ベル)が牢から逃れ出て馬車に乗って逃亡した。

デモ隊は速やかに解散した。

◆ ベルはゲリラに参加した

サムと一緒にエドとベルはサムたちの山中のアジトに来た。200人ほどもメンバーがいる。

もうベルはサムたちと行動を共にするつもりであるが、エドは反対した。「彼らはもう南軍ではない。強盗だ」と言うが、ベルの決意は揺るがず、エドは立ち去った。

なぜかベルは最初から拳銃が上手である。彼らと一緒に行動した。サムはベルにキスしようとしたが引っ叩かれた。

サムとベルの手配書が張られるようになった。懸賞金の金額が上がっていった。

◆ サムとベルは結婚した

アジトに北軍が攻めてきたが撃退された。

さてしばらくたって、サムとベルは結婚をした。みんなが祝福する。

サムは南軍の軍服を着て、ベルはウェディングドレスを着た。

◆ エドが死亡した

しかし、この頃からベルは彼らの行動に疑問を持ち始めた。

コール兄弟というならず者が来て仲間になった。コール兄弟も含めて彼らは列車強盗をした。

またエドが来て、ベルに戻るように説得する。ベルも少しは疑問を持っているが、戻ることは拒否する。

戻っていくエドをコール兄弟が撃った。倒れたエドを見てベルが駆け寄った。エドは死亡した。

戻ってきたサムに対してエドのことを伝えると、サムは「これは戦争なんだ。いろいろなことがある」とはぐらかされた。

◆ 知事の演説が行われる

町に「知事が来て演説する」との布告が張り出された。

これを見てサムは、演説会場を襲撃する計画を立てる。知事を誘拐して身代金を要求するつもりである。

今までサムたちの行動に若干の疑問を抱いてきたが、この計画にベルは反対した。

サムが聞き入れず強行しようとするので、ベルは結婚指輪を外して、アジトから立ち去った。

◆ 演説は罠だった

ベルは、シャーリー家が焼き払われたので、今は山の中で暮らしているメイドのルーを訪ねて行った。

「もう投降する」と言ったが、町に行って情報を得ているルーは「演説会は罠。兵士がいっぱいいる」と言う。

すなわちサムたちを誘い込んで、逆にやっつけようという魂胆である。

◆ ベルは射殺された

これを聞いてベルはアジトに戻った。だが、サムたちは出撃した後でアジトは空。

ベルはサムたちを追いかけた。

だが誰かが馬で走っているベルを銃撃した。ベルは死亡した。狙ったのは賞金稼ぎである。

ベルの死体は北軍司令部に運び込まれた。

◆ サムはベルと再会した

北軍司令部にサムとルーが現れた。サムは南軍軍服を着ている。

二人はトーマスに面会した。賞金稼ぎも来ている。

ルー、サムの順番に死体を確認した。二人ともベルであることを否定した。

それを聞いて賞金稼ぎは喚いた。賞金がもらえないからである。

賞金稼ぎは追い出され、トーマスも部屋を出て行った。

サムは持ってきた結婚指輪を死体=ベルの指に嵌めた。

自分の部屋に戻ったトーマスはベルの写真のロケットを取り出して見た。
 


■ 出演作

◆ ジーン・ティアニー
(1942)ベンジャミンの復讐/Son of Fury
(1944)ローラ殺人事件/Laura
(1945)哀愁の湖/Leave Her to Heaven
(1946)呪われた城/Dragonwyck
(1946)剃刀の刃/The Razor's Edge
(1950)街の野獣/Night and the City
(1949)疑惑の渦巻/Whirlpool
(1943)天国は待ってくれる/Heaven Can Wait
(1951)脱獄者の秘密/The Secret of Convict Lake
(1950)歩道の終わる所/Where the Sidewalk Ends

◆ ランドルフ・スコット
(1939)地獄への道/Jesse James
(1945)海賊キッド/Captain Kidd
(1952)西部のガンベルト/Carson City
(1962)昼下りの決斗/Ride the High Country
(1949)ウォーキング・ヒルズの黄金伝説/The Walking Hills
(946)静かなる対決/Abilene Town
(1943)無頼漢/Desperadoes
(1933)森の男:牧場乗っ取りの陰謀/Man of the Forest

ダナ・アンドリュース
(1940)スワンプ・ウォーター/Swamp Water
(1944)ローラ殺人事件/Laura
(1945)堕ちた天使/Fallen Angel
(1946)我等の生涯の最良の年/The Best Years of Our Lives
(1947)影なき殺人/Boomerang
(1948)海の呼ぶ声/Deep Water
(1950)恐怖の一夜/Edge of Doom
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1949)禁じられた街/Forbidden Street/Britannia Mews
(1945)ステート・フェア/State Fair
(1952)パリの記者とハンガリーのスパイ/Assignment - Paris
(1965)勇者の街/Town Tamer
(1950)歩道の終わる所/Where the Sidewalk Ends