■ Dragonwyck
ミランダはコネティカット州の農家の家に育った。ニューヨークの遠い親戚の家の娘の家庭教師をすることになった。
しかしその家は、大金持ちではあったが、精神的な絆がなく家族が離れ離れであった。
根本的な原因は主人のニコラスにあるようであった。また妻のヨハンナが死亡した。


製作年:1946、監督:Joseph L. Mankiewicz、脚本:Joseph L. Mankiewicz、原作:Dragonwyck(Anya Seton)


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)
◇ コネティカット州
エフライム・ウェルス(ウォルター・ヒューストン) 父親
アビゲイル・ウェルス(アン・リヴィア) 母親
ミランダ・ウェルス(ジーン・ティアニー) 娘、主人公
他に子供が三人
◇ ニューヨーク州の親戚
ニコラス・ヴァン・ライン(ヴィンセント・プライス)
ヨハンナ・ヴァン・ライン(ヴィヴィエン・オスボーン) 妻
カトリーヌ・ヴァン・ライン(コニー・マーシャル) 娘
ペギー(ジェシカ・タンディ) ヴァン・ラインのメイド

ジェフ・ターナー(グレン・ランガン) 医師

コニー・マーシャルは「(1946)センティメンタル・ジャーニー/Sentimental Journey」のヒッティ。


■ あらすじ

◆ ミランダ・ウェルス

コネティカット州グリニッジ、1844年。ウェルス家は当地の農家である。

信仰深い父親エフライム、それに従う母親アビゲイル。子供が四人。ミランダは長女。

子供たちは外の世界を知らなかった。エフライムはキリスト教の原理主義者であった。家族にそれに従った生活を要求した。

◆ ニューヨークから手紙

ある日、ニューヨーク州のアビゲイルの遠い親戚から手紙が来た。ニコラス・ヴァン・ライン。

ヴァン・ライン家は大きな農園を持っており、それを多数の小作人に耕作せて、そこからの収入で豊かな生活をしていた。

ミランダはヴァン・ライン家の8歳の娘カトリーヌの家庭教師としてニューヨークに行くことを考えた。

そもそもエフライムを説得することが難題ではあったが、ミランダの計画は意外にも首尾よく進んで、両親とニコラスを説得することができた。

エフライムとミランダはニューヨークに向かった。

◆ ヴァン・ライン家の状況

エフライムはニューヨークを見て、またヴァン・ライン家の状況を見て、自分の宗教信念とは合致しないことが不満ではあったが、ミランダの願いを聞き入れた。

ミランダは豪邸の中で暮らし始めた。しばらくしてヴァン・ライン家の状況を把握した。

一言で言えば家族間のコミュニケーションがない。それの主因はニコラスのようである。

妻のヨハンナはニコラスを怖がっている。ヨハンナは病気のようである。そしてカトリーヌは独りぼっちであった。

使用人たちも、そのような状況に触れたくないようであった。

もう一つの問題はミランダが田舎者であって、付き合う人々からバカにされた。

しかしカトリーヌとの間はうまく行った。使用人たちとも親しくなった。

◆ 小作料の問題

ヴァン・ライン家の農園は多数の小作人が耕作している。小作人は、使用料を払う必要がある。

しかし使用料が高く、小作人の間には不満が鬱積している。

ミランダは出入りの医師ジェフ・ターナーに会って、そのあたりの状況を聞いた。ターナー医師は密かに彼らに協力しているとのこと。

◆ ブリーカーは捕らえられた

ミランダはニコラスがクラース・ブリーカーという小作人と争っている場面を目撃した。

数日後、ブリーカーは殺人の容疑で捕らえられた。

ターナー医師は、容疑者が正当に扱われるように当局に要請した。

◆ ミランダはグリニッジに戻った

ニコラスはヨハンナがカトリーヌの出産後に不妊症になり、それが彼の不満となったとミランダに語った。

さらにニコラスはミランダに好意を持っていることを告白した。そんな時ヨハンナは死亡した。

ミランダは、ニコラスに対して距離を置くべきと判断してグリニッジに戻った。

しかし二か月後、ニコラスはグリニッジを訪れて、ミランダや両親にミランダと結婚したい旨を告げた。

◆ 子供を出産したが死亡した

両親とミランダは、この申し入れを受けて、ニコラスとミランダは結婚した。そしてミランダは妊娠した。ニコラスは喜んだ。

ミランダは出産したが、その赤ん坊は心臓の病気を持っており、洗礼の後に死亡した。

ニコラスは暗い屋根裏部屋に引きこもるようになり、麻薬常用者となった。

◆ ヨハンナは毒殺された

ミランダは、この件をターナー医師に相談した。

ターナー医師は、ニコラスが幻聴を伴う精神病にかかっており、ヨハンナの死が事故ではなかったと判断した。

後ほどニコラスはキョウチクトウを使ってヨハンナを毒殺したことが判明した。

◆ ニコラスは射殺された

ターナー医師は、ニコラスを妻殺人の件で告発した。

一方、小作料の件で小作人たちの不満が高まってきて、不穏な情勢となってきた。

ミランダは、この状況を避けて避難した。

小作人たちが屋敷の周りに集まって騒ぐ中、警察はニコラスの逮捕に向かった。

ニコラスは拳銃を持って抵抗し、結局警官に射殺された。

◆ ミランダとターナー医師は結婚した

一連の騒動が終わった後、ミランダとターナー医師はグリニッジに向かった。

ターナー医師を両親に紹介し、ターナー医師はしばらくグリニッジに滞在した。

二人は結婚した。
 




◆ グレン・ランガン
(1945)戦慄の調べ/Hangover Square
(1946)センチメンタル・ジャーニー/Sentimental Journey
(1948)蛇の穴/The Snake Pit
(1947)永遠のアンバー/Forever Amber
(1952)ネバダ決死隊/Hangman's Knot
(1946)呪われた城/Dragonwyck
(1947)ホームストレッチ、美女の迷いと競馬/The Homestretch

◆ ジーン・ティアニー
(1942)ベンジャミンの復讐/Son of Fury
(1944)ローラ殺人事件/Laura
(1945)哀愁の湖/Leave Her to Heaven
(1946)呪われた城/Dragonwyck
(1946)剃刀の刃/The Razor's Edge
(1950)街の野獣/Night and the City
(1949)疑惑の渦巻/Whirlpool
(1943)天国は待ってくれる/Heaven Can Wait
(1951)脱獄者の秘密/The Secret of Convict Lake

◆ ヴィンセント・プライス
(1944)ローラ殺人事件/Laura
(1951)替え玉殺人事件/HIS KIND OF WOMAN
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young
(1946)操られた目撃者/Shock
(1945)哀愁の湖/Leave Her to Heaven
(1964)地球最後の男/The Last Man on Earth
(1947)罠にかかった弁護士/The Web
(1955)四十人の女盗賊/Son of Sinbad
(1946)呪われた城/Dragonwyck