■ The Homestretch
馬主のジャックはレスリーと知り合った。しかしレスリーにはビルという婚約者。
ジャックは強引にレスリーに言い寄る。レスリーは次第に迷い始める。
各地の競馬場を回りながら、三人の小競り合いが続いていく。レスリーはどちらかを決められない。
製作年:1947、監督:H. Bruce Humberstone、脚本:Wanda Tuchock
■ はじめに
◆ 登場人物(キャスト)
ジャック・ワラス(コーネル・ワイルド) 馬主
レスリー・ヘイル(モーリン・オハラ)
ビル・ヴァン・ダイク(グレン・ランガン) レスリーの恋人
キティ・ブラント(ヘレン・ウォーカー) 馬主
◆ 補足・感想
わりと暗い場面でも顔がきれいに撮影されておりグッド。しかしシャープではない。
本作のポイントはレスリーのキャラクタである。モーリン・オハラはだいたいにおいて、はっきりした性格の強いキャラクタを演じている。
しかし本作では、二人の男性の間をフラフラフラフラしている。キャラクタが子供っぽく安定性がない。もちろんこれが本作の狙いである。
ヘレン・ウォーカーは、悪役を多く演じている女優だが、本作では悪役ではない。わりとふてぶてしい態度なのは同じだけど。
ストーリーはいくつもの有名競馬場を回りながら展開する。レスリーとジャックの話が、あまりまとまりがなく、ドタバタと展開するが、本作はそこを描いたもの。面白いと思うか思わないかは、それぞれだろう。
キティがもっと三人の間に割り込むようなストーリーの方がよかったかも?
■ あらすじ
◆サンタ・アニタ競馬場(カリフォルニア)
馬主のキティ・ブラントはメモを書いて親戚のレスリー・ヘイルへの電報をメッセンジャーに依頼した。
それを見ていたジャック・ワラスはメッセンジャーに賄賂を渡してメモを貰った。
◆ ボストン/レスリーに会う
ボストン。雪が降っている。ジャックはレスリーを訪問した。レスリーは不在でオバのマーサが対応した。住所は先般のメモから分かった。
ホテルに戻った。するとレスリーが訪問してきた。ジャックはレスリーの顔を見て途端にニッコリ。
ランチに誘って話した。しかしレスリーには婚約者がいるとのこと。
話した後レスリーを屋敷まで送り届けた。レスリーは少し迷惑顔である。
◆ ロンドン/競馬場
ジャックは競馬場に来て双眼鏡を使って見ている。
遠くにレスリーが来ているのを発見して近づいた。声をかけるがレスリーは冷たい反応。
婚約者のビル・ヴァン・ダイクが来た。レスリーは「早く結婚して」とジャックに聞こえるように催促。
ビルは用事があったのか立ち去った。
ジャックはレスリーにデートを提案し二人でドライヴした。
◆ ロンドン/トレーニングセンター
二人はその後トレーニングセンターに行った。馬の調教する場面を見ていた。
数日滞在するうちに二人は次第にいい雰囲気になってきた。
ここでジャックが調子に乗ってキスしようとしたが避けられた。
しかしついにキス。さらに調子に乗ってプロポーズする。しかし「何を言ってるの?」と拒否された。
ビルが訪ねて来て二人は車に乗って去った。
◆ ロンドン/競馬場
ビルとレスリーが一緒に観戦している。ジャックは別のところで観戦。
ジャックの馬アビーRが出場している。アビーRはスタート直後に騎手を振り落とした。
ジャックはがっくり。ビルは笑う。しかしレスリーの表情は微妙。
◆ ブエノス・アイレス
ブエノス・アイレスに向かう船。馬も乗せている。
ジャックとレスリーがばったり出会った。ビルは来てないらしい。例によってジャックがレスリーに迫った。きっぱり断られるかと思ったが、なぜかレスリーはシドロモドロ。
船の中で二人はそれなりに親しくなった。
二人はホテルに行った。ジャックはMr.Mrs.ワラスと書く。レスリーは特に反対はしない。
パーティがありキティがいた。ジャックとキティがキスするのでレスリーは唖然・呆然状態。
しかしジャックとレスリーが部屋に戻ると花束が用意してあった。もちろんジャックから。「oh! lovely」。
ジャックが「俺を好きか?」と言うと、レスリーは「さあ、どうかしら?」ととぼけるが、しかし楽しそうである。
◆ アビーRはケガをしている
二人で厩舎に行った。キティもきている。アビーRは前足をケガしている。治療して包帯を巻いた。
馬が自由に走り回っている。アビーRも出てきた。少しずつアビーRをトレーニングする。
しばらくすると調子が上がってきた。スピードもでてくる。全速力で走れるようになった。
この間レスリーとキティの間にトラブルがあった。レスリーは泣いた。
◆ レスリーがケガ
レース。アビーRは最初は先頭、しかし遅れた。だが最後に飛び出して優勝。
優勝パーティが開かれる。しかしレスリーはなぜか気分が落ち込んでいる。
プール。ジャックとキティが泳いでいる。しかしキティが突然腹痛。あわててジャックがキティを抱え上げてビーチチェアに乗せた。
だがキティは笑い出した。腹痛は偽装。
レスリーがその光景を目撃。車に乗って走り出した。だが木に正面衝突。レスリーは病院に運ばれた。
幸い大したケガではなかった。
◆ ビルが来た
病院の中。レスリーはもう歩ける状態。ジャックが来るが、レスリーはキティとのことを怒っている。
事故の話を聞いたのかビルが入ってきた。ビルと二人が話しているのをジャックは背を向けて聞いていた。
二人は出て行った。
◆ メリーランド
ビルとレスリーがレースを見に来ている。ジャックとキティははアビーRが出走するので当然来ている。
アビーRは、なんか出走したくないようでスタート位置に入るのを渋っている。
アビーRは暴れたりして、周りがてこずっている。
ビルは大声で笑った。しかしレスリーは微妙な顔をしている。
その後も、アビーRは調子が出ず、ジャックとキティはがっくり状態が続いた。
◆ ケンタッキー
アビーRはもちろん出場する。そして今回はビルの馬(馬名は不明)も出場する。
スタート。ビルの馬が飛び出して先頭を走った。しかしアビーRが迫ってきた。ジャックとキティは一生懸命に応援。
しかしビルの馬が抜けてくる。ビルは興奮。しかしレスリーは興奮して思わず、アビーRを応援してしまう。
ビルの馬が優勝。だがビルはレスリーが嬉しくなさそうな顔をしているのに気がつく。
終了後、ジャックは厩舎にいる。アビーRのところに行く。
そこにレスリーが現れた。一人、ジャックが気がつく。レスリーはジャックに抱き着いた。
■ 出演作
◆ コーネル・ワイルド
(1941)ハイ・シェラ/High Sierra
(1945)哀愁の湖/Leave Her to Heaven
(1947)永遠のアンバー/Forever Amber
(1948)深夜の歌声/Road House
(1952)剣豪ダルタニアン/At Sword's Point
(1945)魔法のランプ/Magic Lamp
(1952)カリフォルニア征服/California Conquest
(1954)怒りの刃/Passion
(1947)ホームストレッチ/The Homestretch
◆ グレン・ランガン
(1945)戦慄の調べ/Hangover Square
(1946)センチメンタル・ジャーニー/Sentimental Journey
(1948)蛇の穴/The Snake Pit
(1947)永遠のアンバー/Forever Amber
(1952)ネバダ決死隊/Hangman's Knot
(1946)呪われた城
(1947)ホームストレッチ/The Homestretch
◆ ヘレン・ウォーカー
(1947)悪魔の往く町/Nightmare alley
(1949)狂った殺人計画/Impact
(1948)出獄/CALL NORTHSIDE 777
(1953)Problem Girls
(1946)ミュージックホール殺人事件/Murder in the Music Hall
(1947)ホームストレッチ/The Homestretch
◆ モーリン・オハラ
(1941)わが谷は緑なりき/How Green Was My Valley
(1942)海の征服者/THE BLACK SWAN
(1963)マクリントック/McLintock!
(1952)すべての旗に背いて/Against All Flags
(1945)海賊バラクーダ/THE SPANISH MAIN
(1947)船乗りシンバッドの冒険/Sinbad the Sailor
(1947)三十四丁目の奇跡(奇蹟)/Miracle on 34th Street
(1939)ノートルダムのせむし男/The Hunchback of Notre Dame
(1949)恋に踊る/Dance, Girl, Dance
(1944)西部の王者/Buffalo Bill
(1954)マラガ/Malaga
(1939)巌窟の野獣/Jamaica Inn
(1946)センチメンタル・ジャーニー/Sentimental Journey
(1955)ゴダイヴァ夫人/Lady Godiva of Coventry
(1952)カンガルー/Kangaroo
(1949)禁じられた街/Forbidden Street/Britannia Mews
(1961)荒野のガンマン/The Deadly Companions
(1956)陰謀のリスボン/Lisbon
(1998)タクシーでカナダへ/Cab to Canada
(1949)女の秘密/A WOMAN'S SECRET
(1947)ホームストレッチ/The Homestretch