■ Edge of Doom
マーティンは母親の葬儀に誠実な対応をしなかった神父を殴り殺した。
神父殺害の容疑者として映画館強盗犯人が挙げられた。しかしマーティンは誠実な対応をする。
製作年:1950、監督:Mark Robson、脚本:Philip Yordan、原作:Leo Brady
■ はじめに
登場人物(キャスト)
トーマス・ロス神父(ダナ・アンドリュース)
ヘイマー神父(？)
マーティン・リン(ファーリー・グレンジャー) 花屋店員
Mrs.リン(？) マーティンの母親
ジュリー(マーラ・パワーズ) エレヴェーターガール、マーティンの恋人
カークマン神父(ハロルド・ヴァーミリア)
クレイグ(ポール・ステュアート) 映画館強盗
どうでもよいことではあるが、一応指摘しておく。ダナ・アンドリュースは「Father Thomas Roth」となっており、カトリックの神父。セリフでも「Father」と呼ばれている。
「Father」はカトリックの神父のこと。プロテスタントの牧師はPastorやReverendと言う。
しかし当教会の内装やトーマス・ロスの服装を見ると明らかにプロテスタントである。特にカトリック教会には必ずある聖母マリア像が見当たらない。
日本ではなくキリスト教圏の映画製作者がこれを知らないとも思えないが、あまり気にしないで映画を作ったのだろうか？
■ あらすじ
◆ ヘイマー神父の悩み
聖スティーヴンス教会は貧しい地区の中にある。信者にはいろいろな悩み事があり、また伝道活動にも支障をきたしていた。
ヘイマー神父は、むしろマジメな人間であるがゆえに、当教会を去りたいと、ロス神父に申し出た。
ロス神父は自分の体験をヘイマー神父に話した。同じような状況の教区である。
◆ マーティン・リンの状況
マーティン・リンは花屋に勤めていた。給料は安く、また病気の母親を養っていた。
恋人のジュリーとの結婚もできない状況であった。
母親が死亡した。
◆ 神父を殺害した
昔の話だが、マーティンの父親は酒飲みだったが自殺した。
その時、カークマン神父は「神に背いた自殺者は葬れない」と父親の葬儀を拒否した。
マーティンはそれを憎んでいたが、信仰が厚かった母親には、きちんとした葬儀をしてやりたかった。
マーティンは再びカークマン神父に頼み込んだが、またしても拒否された。
怒ったマーティンは重い十字架を振り上げて殴ってカークマン神父を殺害した。
教会から出てきたところ、老齢の女性とすれ違った。
◆ 映画館強盗
同じころ、映画館に強盗が入り売上金が強奪された。
町を徘徊していたマーティンは強盗犯人と間違われて逮捕された。しかしロス神父の証言で釈放された。
一方映画館強盗の犯人クレイグはカークマン神父殺害容疑で逮捕された。
マーティンは、母親の慈善葬の申し込みをして、さらに花屋に葬儀の花の貸し売りを頼んだ。
罪を反省して恋人のジュリーに告白しようとしたが、できなかった。
◆ 女性の証言
カークマン神父殺害の容疑者が数人集められて、現場で目撃者の女性が確認する。マーティンもその一人である。
マーティンの番。女性は首をかしげて考えたが「違います」との返答。
次にクレイグ。女性は「この人です。間違いありません」と明確に答えた。
他の容疑者は釈放された。
だが本来は誠実な青年であるマーティンは、母親の遺骸の前で罪を告白した。部屋の片隅でロス神父が聞いていた。
マーティンはジュリーに会って真実を話した後、警察に向かった。
■ 出演作
◆ ファーリー・グレンジャー
(1948)夜の人々/They Live by Night
(1950)恐怖の一夜/Edge of Doom
(1951)見知らぬ乗客/Strangers on a Train
(1952)人生模様-賢者の贈り物/The Gift of the Magi
(1951)密輸と犬とギャング/Behave Yourself
◆ ダナ・アンドリュース
(1940)スワンプ・ウォーター/Swamp Water
(1944)ローラ殺人事件/Laura
(1945)堕ちた天使/Fallen Angel
(1946)我等の生涯の最良の年/The Best Years of Our Lives
(1947)影なき殺人/Boomerang
(1948)海の呼ぶ声/Deep Water
(1950)恐怖の一夜/Edge of Doom
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1949)禁じられた街/Forbidden Street/Britannia Mews
(1945)ステート・フェア/State Fair
(1952)パリの記者とハンガリーのスパイ/Assignment - Paris
