Journey to Italy/Viaggio in Italia

アレックス&キャサリン・ジョイス夫婦は相続した別荘を売却するためにナポリに来た。
不仲ではないが二人の間には溝がある。ナポリに来ても別行動をした。特に脈絡もなく、二人は離婚することになった。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1954、監督:Roberto Rossellini、脚本:Vitaliano Brancati、Roberto Rossellini


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 キャサリン・ジョイス(イングリッド・バーグマン)
 アレクサンダー・ジョイス(ジョージ・サンダース) アレックス
 ホーマーおじさん(-) 画面には登場しない
 チャールズ・ルウィントン(-) 詩人、キャサリンの元恋人、画面には登場しない
 マリー(マリア・モーバン)
 ポール・デュモン(パウル・ミュラー)
 娼婦(アンナ・プロクレメル)
 トニー・バートン(レスリー・ダニエルス) 別荘の管理人
 ナタリー・バートン(ナタリア・レイ) 別荘の管理人
 ベティ(ジャッキー・フロスト)

ストーリー的にはキャサリンが主人公となっている。モノクロ映画だが、カラー化されたヴァージョンがある。せっかくイングリッド・バーグマンが出演しているのだから、もう少し画面を鮮明にしてほしかった。

イングリッド・バーグマンは感情の表現をする時に動作がわりと大袈裟。典型例は「(1941)ジキル博士とハイド氏/Dr. Jekyll and Mr. Hyde」。だが本作では、それは見られない。本作の内容から行くと、それは適切である。彼女がうまく演技しているものと思われる。

食事をする時に二人ともわりと前屈みになっている。わざとしているのか?一見して分かる。おそらく二人の関係を表現しているものと思われる。
 


■ あらすじ

◆ ナポリへ

イギリス人の夫婦、アレックス&キャサリン・ジョイスは結婚して八年になる。夫婦仲が悪いわけではないが、二人の趣味や性格は一致せず、なんとなくケダルイ夫婦生活を送っている。子供はいない。

このたびホーマーおじさんからナポリにある別荘を相続した。二人は別荘を売却することにして、車でナポリに向かった。

田園地帯をずっと車で走る。あまり話はしない。

アレックスは仕事中毒で、この旅行は単なる休暇である。キャサリンは詩人のチャールズ・ルウィントンのことを思い出していた。

チャールズはキャサリンの昔の恋人で、二年前に亡くなった。

◆ 別荘に到着したが、

別荘に到着した。管理人はトニー&ナタリー・バートンという夫婦である。トニーは元はイギリス兵で、ナタリーは戦後に結婚したイタリア人。

数日は別荘にいたが、二人の間に埋められない空間ができる。普段ならば、アレックスは仕事をしているので、そのような空間はない。

キャサリンに「今までの結婚生活に意義はあったのか?」と疑問が発生する。

◆ 二人は別行動

キャサリンは一人でナポリを見物する。博物館で古代の巨大な彫像をみたり、フレグラアの野原で寝っ転がったりした。

またナタリーと合流しフォンタネッレ墓地を訪れた。人間の頭蓋骨が山積みになっており、地元の人々に地元の人々によって大切にされている。

一方アレックスはカプリ島に出かけた。綺麗な景色を無感慨に眺めて過ごした。

◆ 離婚の話が出るがポンペイへ

二人は別荘に戻ってきた。ここで二人は特段の脈絡もなく、離婚することになる。

だがトニーが「ポンペイに行こう」と言い出す。離婚の話は、とりあえず保留となる。

三人はポンペイを訪れて、約2000年前のヴェスヴィオ火山の噴火で灰に埋もれた男女が掘り出されるのを目撃した。二人は抱き合っている。この光景にキャサリンは心を揺さぶられた。

◆ 聖ジェンナーロの祭り

戻ってくると聖ジェンナーロの祭りが行われており、行列に巻き込まれた。

雑踏に巻き込まれて二人は離れ離れになった。キャサリンは人混みに流され、叫び声を上げた。

アレックスは人混みをかき分けてキャサリンを追いかけた。お互いを発見した二人は抱き合った。

補足。二人は元の鞘に戻ったのだが、映画の印象を見ると、必ずしもハッピーエンドではないことが分かる。