■ Shadow Of Fear/Before I Wake
エイプリルは父親が死亡したので帰郷した。はじめて継母フローレンスと会った。
フローレンスとは気が合わず、またフローレンスが父親や母親を殺したのではないかとの疑念が沸き起こった。しかし周りの人間はエイプリルの主張を取り合わなかった。
ある時父親が死亡した時に乗っていた船の船首に衝突と見られる傷跡を見つけた。


製作年:1955、監督:Albert S. Rogell、脚本:Robert Westerby、原作:Before I Wake(Hal Debrett)


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

エイプリル・ヘイドン(モナ・フリーマン) 主人公、21歳直前
ヘイドン氏(-) 父親、本作時死亡
ヘイドン夫人(-) 母親、本作時死亡
フローレンス・ヘイドン(ジーン・ケント) 継母、元看護師
エルシー(グレッチェン・フランクリン) メイド
ヘンリー(?) 船着き場で働いている人

マイケル・エルダー(マクスウェル・リード) 医師、主人公の幼馴染
エルダー氏(フレデリック・レスター) 医師、マイケルの叔父
病院の受付(フィリス・コメル)

ドリスコル氏(ヒュー・ミラー) 弁護士
巡査部長(アレクサンダー・ゲージ)
ハリソン夫人(ジョゼフィーン・ミドルトン) 母親の友達


「エイプリル」というネーミングは何?モナ・フリーマンはだいたいにおいて、明るい役が多いのだが、今回は怒ってベラベラ喋りまくる。

ストーリー的にはエイプリルが思い込みから性急に行動して、周りから諫められるが、最後には...という展開になっている。
 


■ あらすじ

◆ エイプリルは帰郷した

エイプリル・ヘイドンはイギリスからカリフォルニアの大学に入っていた。

母親が病気になって死亡し、父親が再婚し、さらに今回父親が死亡した。

その間、故郷には戻らなかったが、大学も卒業となり、久しぶりに帰郷した。

父親の再婚相手は、母親が病気になった時の看護師である。

駅に着くと駅長に出迎えられた。また知っている人からは声をかけられた。

エイプリルはタクシーに乗って屋敷に向かった。

◆ 継母と会った

ヘイドン家は、湖のそばにある大きな屋敷である。屋敷の前の庭から続く船着き場がある。これもヘイドン家の所有である。船着き場には何艘かの船が係留されている。

タクシーを降りると継母のフローレンスが出迎えた。初めて会う。

屋敷に入る。構造は元のままであったが内装が変えられていた。そして大きな片目だけの絵が飾られていた。この絵を見てエイプリルは凍り付いた。

それと何人かいた使用人は、すべて解雇されて別の使用人が働いていた。

◆ エイプリルはもうすぐ21歳

自分の部屋に入った。部屋は元のままだったが、しかし目を強調した抽象画が飾られていた。

使っていた自分の持ち物を見ていると昔が蘇ってきた。

さてエイプリルは後三週間で21歳となる。父親が死亡して財産の相続するのだが、21歳になるまでは、フローレンスが後見人で財産を管理することになっている。

◆ フローレンスと争う

エイプリルはフローレンスとは波長が合わなかったようである。いろいろなことで口論する。

フローレンスがタバコや飲酒を禁止しようとしたことも争いとなった。

それともっと大事なことだが、母親の死亡原因に疑問を持つ。性急なエイプリルはフローレンスに「母を殺した」と激しい言葉を投げつける。当然フローレンスも応戦する。

父親は船の事故で死んだことになっているが、これにも疑問を呈する。

エイプリルとフローレンスは、時には激しく時には休戦して口論を繰り広げる。

しかし特に証拠があるわけではなく、客観的に見ると「エイプリルが勝手に思い込んでいる」ということになる。

エイプリルは周りの人からも注意される。

◆ いろいろな人を訪ねる

それでも納得できない。

エイプリルは、父親や母親の最後を看取ったエルダー医師を訪ねていく。

応対したのは若者であったが、それはエルダー医師の甥のマイケルだった。マイケルとは幼馴染である。マイケルも医師をしている。

また警察の巡査部長(名前不明)も訪ねて行った。さらに母親の友達のハリソン夫人も訪ねた。

◆ 子供の頃に乗った船

さてエイプリルは船着き場に停泊している船の一つに行った。その船は子供の頃に乗せてもらった懐かしい船である。また父親が事故の時に乗っていた船である。

甲板の上に操舵室と数個の座席、階段を下りて船室があるだけの小さな船である。

船室に入って、父親がかぶっていた帽子を頭に乗せ、昔のアルバムを眺めた。

マイケルが現れた。マイケルは湖の向こうに往診に行く場合は、ここからモーターボートに乗って行く。

往診にいこうとしたところエイプリルがいたので声をかけた。

◆ 船首の傷

さてマイケルがボートに乗って行った後、船首に衝突したような跡があるのを発見した。

船着き場で働いていたヘンリーに聞いたが気にしてないようである。

往診から戻って来たマイケルにも話した。そして巡査部長にも来てもらった。

エイプリルは「父親はフローレンスに殺された」と騒いだ。皆からはまた例によって「エイプリルが勝手に騒いでいる」と見なされた。

◆ 父親からの手紙

帰宅したところフローレンスからの置手紙があり、出かけるとのことであった。

エイプリルはフローレンスの部屋に入って探した。引き出しの中からは、父親がエイプリルに書いた何通もの手紙が投函されずに残っていた。フローレンスが故意に出さなかったことが判明した。手紙をポケットに入れた。

さらに探していると写真が見つかった。

フローレンスが戻って来た。屋敷の外から見ると自分の部屋のライトがついている。

戻って来たフローレンスに注意されてフローレンスと争った。写真は取り上げられた。手紙はエイプリルのポケットに入ったまま。

さらに二人は気まずい仲になった。

◆ 遺言書

エイプリルは弁護士のドリスコル氏を訪問した。

父親は遺言書の修正をしている途中だったとのこと。まだ修正が完了していないので、元の遺言書が有効とのこと。

我々にはどのような修正であったかは、明らかにされないが、ともかく21歳になるまではフローレンスが後見人であることには変更がない。

◆ 車の事故

フローレンスとエイプリルは車に乗って出かけた。

車が峠の道に差し掛かった。左側は崖である。

突然、フローレンスが「ブレーキが利かない」と騒ぎ出した。

フローレンスはドアを開けて脱出した。エイプリルもドアを開けようとしたがドアが開かない。注、イギリスなので車は左側通行、乗っている車は右ハンドル、助手席は左側。もしドアが開いても外は崖。

エイプリルは必死の思いで運転席に移動した。ハンドルを握り、ブレーキをかけた。ブレーキは利いた。車は停止した。

フローレンスが走り寄ってきて「よかったわ」と言ったが、この件でもフローレンスに対して疑念が湧いた。

◆ 眠り薬

さてもうすぐ21歳の誕生日である。

自分の部屋にいる。フローレンスが夕食を持って来た。

食事をした後、エイプリルは急に眠くなり倒れてしまった。

フローレンスは枕の下からエイプリルが隠していた父親の手紙を探し出した。

その後、部屋の中をメチャクチャに荒らした。

そしてエルダー医師に電話をかけた。

エルダー医師が来る。エイプリルが目を覚ました。

エイプリルはフローレンスにヤラレタことを訴えたが、エルダー医師はエイプリルが取り乱しておかしなことを言っていると取り合わない。

フローレンスはエルダー医師のカバンから注射器を取り出し、睡眠薬を入れて医師に渡した。注、フローレンスは看護師。

エイプリルは注射を打たれて、また眠った。

◆ エイプリルは船に乗せられた

エルダー医師が帰った後、フローレンスはエイプリルを担いで、船着き場に行った。

例の船に運び込んだ。船を出して湖の中の島に行った。

そこでエイプリルの体をロープで固定し、エンジンをかけて、船を発進させた。船は岩礁に激突するはずである。

フローレンスはモーターボートで戻った。

◆ エイプリルは生きていた

警察がきている。フローレンスが泣きながら警察に説明している。

エイプリルが乗った船が岩礁にぶつかった状態で見つかった。エイプリルはいなかった。

フローレンスは「エイプリルは酔っていた」と「証言」する。

ここでマイケルが現れた。後には包帯をしたエイプリルがいた。

フローレンスはエイプリルに殴りかかろうとしたが逮捕された。

マイケルとエイプリルは抱き合って、連行されるフローレンスを見送った。
 


■ 出演作

モナ・フリーマン
(1949)女相続人/The Heiress
(1952)天使の顔/Angel Face
(1949)テキサス決死隊/Streets of Laredo
(1955)デンヴァーへの道/The Road to Denver
(1952)挑戦者/ボクシング映画/Flesh and Fury
(1949)Dear Wife