ミリアムは姉のルースの名前を使って、兵士のビルに慰問の手紙を書いた。手紙が何度も往復した。
ビルはイタリアから戻ってきてルースに会いに来た。しかしルースには婚約者アルバートがいた。
家族を巻き込んだドタバタの展開となる。さらにビルの友達と妹も訪ねてきた。
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製作年:1947、監督:William D. Russell、脚本:Arthur Sheekman、原作:Dear Ruth(Norman Krasna)
はじめに
◆ 登場人物(キャスト)
ハリー・ウィルキンス判事(エドワード・アーノルド)
エディ・ウィルキンス(メアリー・フィリップス) 妻
ルース・ウィルキンス(ジョーン・コールフィールド) 長女(22歳)
ミリアム・ウィルキンス(モナ・フリーマン) 次女(16歳)
ドラ(マリエッタ・キャンティ) メイド
アルバート・クマー(ビリー・デ・ウルフ) ルースの婚約者
ビル・シークロフト中尉(ウィリアム・ホールデン) ルース(実はミリアム)の文通相手
マーサ・シークロフト(ヴァージニア・ウェルズ) ビルの妹
チャック・ヴンセント軍曹(ケニー・モリソン) ビルの友達
「エディ」は普通は男性名だが、ウィルキンス夫人の名前として挙げられているので、そのまま踏襲する。
ドタバタをそのまま紹介したので、ややこしいが読んでいただきたい。
◆ 解説・感想
本作の続編として「(1949)Dear Wife」「(1951)Dear Brat」がある。出演者も同じ。
これらは次女のミリアムが家族に内緒に勝手なことをして、家族を騒動に巻き込むもの。ミリアムのキャラクターが素晴らしい。モナは1926年生まれだが、本作では16歳、三作ともまだ未成年の設定。
ウィリアム・ホールデンとモナ・フリーマンの共演作は、もう一つある。「(1949)テキサス決死隊/Streets of Laredo」。こちらもモナはまだ子供の設定。
モナ・フリーマンは画家でもあり、歌手でもある。出演作もわりとあり、知ってよかったと思える女優である。テレヴィ出演も多い。
ウィリアム・ホールデンは有名俳優だが、善役も悪役もするし、わりと奥深い役もこなす。
■ あらすじ
◆ ミリアムの行動
1944年、ニューヨーク。ハリー・ウィルキンス判事の次女ミリアムは、いろいろな家庭を訪問して回っている。軍人への慰問をお願いするためである。
しかし多くの家庭では協力する気がなく断られる。
ミリアムは疲れて家に戻って来た。ハリーと姉のルースが下りて来て食事をする。
その話の中でミリアムがハリーを勝手に血液バンクに登録したことが判明した。
ミリアムは外出した。その後、ルースの婚約者のアルバート・クマーが来て、二人も外出した。
◆ ビル・シークロフト中尉が来た
その後、ビル・シークロフトという若者が訪ねてきた。中尉。
ビルは最初からいかにも「あなた方のことはよく知っている」と言う顔をして話し出した。
ハリーとエディは不思議な顔をした。しかしせっかく訪ねてきた人なので、ともかく笑顔で接待した。
イタリアで従軍しているが、休暇を貰ってルースを訪ねて来たとのこと。
ルースの話を熱心にする。ルースのこともよく知っている。ルースとは手紙を交換していたとのこと。飾ってあったルースの写真をみて「彼女の写真を見て頑張った」という。
両親は不審に思ったが、ビルは気がつかない。
ルースが不在と聞いてビルは帰っていった。
◆ 手紙はミリアムの仕業
ミリアムは戻ってきて自分の部屋。
ルースも戻って来て自分の部屋。エディが入って来たので「私はついに結婚するのよ」と嬉しそうに言う。相手はもちろんアルバート。
エディは先ほどのビルの話をする。ルースはビルのことはまったく知らない。ハリーも入ってきた。
三人で「これは何だろうか?」と疑問に思う。そこにミリアムが入ってきた。三人の話を聞いて口に手を当てて目を見開いた。
ハリーはミリアムを見て「こっちにきて座りなさい」と命令。
「(ビルが)戻ってくるなんて知らなかったわ」と言いながら、ルースの名前で手紙を出したことを認めた。60通。ルースの写真も送った。兵士を励ますための活動の一環である。
注、ビルからの返信が来たのを家族が気がつかなかったのかは不思議。
◆ ビルが来てアルバートも来た
ビルがまた訪ねてきた。「妹が勝手に」とは言えないので、とりあえず穏便に対応する。
ビルはルースを見てニコニコ、ニコニコ。ルースもニコニコしたが顔がこわばっている。「突然なのでびっくりしたの」。
またチャイムが鳴った。アルバート。
ルースはビルを連れて裏庭に回った。理由が分からないビルは不思議な顔。さらに二人は外に出た。
アルバートが入って来たが、奇妙な雰囲気に気がつく。ミリアムが喋ろうとしたが、ハリーに「黙りなさい」と言われた。
アルバートはルースがいないので、両親とぎこちない会話をしている。アルバートが話すと両親は笑ってごまかす。
◆ ビルとルースはデート状態
ビルとルースはゲームセンターやレストランに行く。ビルは楽しそうだが、ルースはアルバートのことを言い出せない。
ダンスをすると割といい雰囲気になった。ルースが「中尉」と話しかけると「ビルと言ってくれ」。
二人はウィルキンス家に戻って来た。ハリーは慌ててアルバートを二階に上げた。
ビルとルースは入り口でキスをする。階段の上から見ていたアルバートは怒って下りていこうとする。ハリーが必死に止める。
ビルは何度もキスをしてから帰った。
アルバートは下りて来てルースに「何時間も待ってたぞ。それにキスしてただろ」と抗議。
ルースがキスをしたので、アルバートの剣幕はやっと収まり、アルバートは帰った。
◆ ビルからの手紙
ルースの部屋。ミリアムがパジャマ姿で入ってきて、ビルから来た手紙を渡した。
ハリーとエディも入ってきて、ルースと一緒に手紙を読む。
しばらくしてルースは両親から手紙を回収。その後ルースは手紙を読みふけった。ビルに良い印象を持ったようである。
◆ プレゼント攻勢
次の朝。ビルから車一杯の花束が届けられた。花は屋敷中に飾られた。
アルバートが来てルースに花束を手渡そうとしたが、いっぱいに飾られている花束を見て、引っ込めて「あいつの仕業か?」と呟いた。
ルースはアルバートに「嫉妬深い男性は嫌われるのよ」と注意。
次の日にはポップコーンが200袋届けられた。注、なぜポップコーンなのかは不明。
ビルも来てルースとキス。両親は二人を見て「どうする?」と話している。
◆ マーサ・シークロフト
アルバートがウィルキンス家を訪問している。ルースも在宅。
家の外に女性。中を窺っている。ハリーが声をかけると中に入ってきた。
女性はマーサ・シークロフトと言ってビルの妹とのこと。やたらと明るい感じである。
マーサはルースに「いつ結婚するの?」と聞くが、ルースは答えに窮する。
チャイムが鳴ってビルが来た。またルースとキスするのでアルバートは睨みつける。
ビルとルース、アルバートとマーサが腕を組んで出かけた。
二組は、小競り合いをしつつも、それなりに楽しんで、町を回った。注、ここがわりと長く描かれる。
◆ チャック・ヴンセント軍曹
さて四人が出かけている間に、男性が訪ねてきた。チャック・ヴンセント軍曹。ビルの知り合いとのこと。
アルバートとマーサが戻って来た。マーサはチャックとは兄との知り合いということで、たちまちチャックと親しそうに話した。
みんなで昼食を食べていると、ビルとルースが戻って来た。
ビルは「ルースは私と結婚する」と宣言した。アルバートは一応「おめでとう」と言ったものの、納得している顔つきではない。
アルバートは両親に「何とかしろ。俺の婚約者だぞ」と小声でささやいた。
ビルに電話が入った。今までは海外勤務だったが、フロリダに転勤になるとのこと。
さて二階に上がっていたチャックとマーサが下りてきた。マーサは「私たちは結婚するのよ」。
さっそくハリーに結婚式をお願いした。注、ハリーは判事なので結婚式を主催できる。
◆ ルースは指輪を返した。
二人を見てビルは「我々も」という。
ルースは「フロリダには行けない」と言う。ビルは「フロリダでなくとも良い」と粘る。しかしルースはビルから貰っていた指輪を返した。補足、アルバートからも指輪を貰っていたものと思われるが不明。
ルースは理由を明らかにしないが、我々が想像すれば、アルバートを断ってビルと一緒になるのは人間として問題と思ったのだろう。
ビルは納得し、ルースは二階に上がった。
ここでミリアムが帰宅。ビルはミリアムがルースに成りすましていたのを、ここで初めて知った。
◆ 二組の結婚式
ここで簡単ではあるがチャックとマーサの結婚式が行われた。終了後二人は二階に上がった。
アルバート、ルース、ビル、ハリーが残った。乾杯をする。アルバートはルースの肩に手をかけた。ルースはビルに「ごめんなさい」。
しかしルースは一応笑顔を作りながらも迷っている。我々には分かる。いやハリーも気がついている。
ビルはハリーとルース、アルバートに挨拶して外に出た。フロリダに行く。
少ししてチャイム。ハリーは外を確認すると、アルバートに二階に上がるように指示した。
ビルが戻って来た。ルースは「フロリダに行ってもいいわ」と言う。
ハリーはドラを証人にして、大急ぎでビルとルースの結婚式を挙げた。
そして二人は出て行った。
◆ ラスト
またチャイムが鳴った。ハリーが出ると見知らぬ水兵。ルースに会いに来たとのこと。
これを見たミリアムは手で口を押えて目を見開いた。ハリーはミリアムを睨みつけた。またミリアムの仕業である。
■ 出演作
◆ ウィリアム・ホールデン
(1941)掠奪の町/TEXAS
(1950)サンセット大通り/Sunset Boulevard
(1953)月蒼くして/The Moon Is Blue
(1949)テキサス決死隊/Streets of Laredo
(1949)Dear Wife
(1952)黒い街:ターニングポイント/The Turning Point
(1948)ペギーのアパート/Apartment For Peggy
◆ モナ・フリーマン
(1949)女相続人/The Heiress
(1952)天使の顔/Angel Face
(1949)テキサス決死隊/Streets of Laredo
(1955)デンヴァーへの道/The Road to Denver
(1952)挑戦者/ボクシング映画/Flesh and Fury
(1949)Dear Wife
(1955)恐怖の影/Shadow Of Fear/Before I Wake
(1957)ドラゴン砦の決戦/Dragoon Wells Massacre
(1946)ジギー・ブレナン/That Brennan Girl
(1961)二つの世界/The Two Worlds Of Charlie Gordon
(1950)銅の谷/Copper Canyon