キャサリンは内向的な性格で恋人ができなかった。父親や叔母はキャサリンのことを心配した。
しかしモリスという恋人ができた。キャサリンは夢中になった。しかしモリスはキャサリンの父親の財産が目当てであった。
父親に反対されてキャサリンはモリスに駆け落ちを提案した。しかしモリスは拒否し姿を消した。
数年後、父親は死亡しキャサリンは財産を相続した。そしてモリスが戻って来た。
製作年:1949、監督:William Wyler、脚本:Augustus Goetz、Ruth Goetz、原作:The Heiress(Augustus Goetz、Ruth Goetz)
■ はじめに
◆ 登場人物(キャスト)
キャサリン・スローパー(オリヴィア・デ・ハヴィランド) 主人公
オースティン・スローパー(ラルフ・リチャードソン) 父親、医師
ラヴィニア・ペニーマン(ミリアム・ホプキンス) 叔母、未亡人、同居
マリアン・アーモンド(モナ・フリーマン) キャサリンの従姉妹
ジェファーソン・アーモンド(ロイ・コリンズ) マリアンの父親
エリザベス・アーモンド(セリーナ・ロイル) マリアンの母親
モリス・タウンセンド(モンゴメリー・クリフト)
■ あらすじ
◆ キャサリンの性格
1850年、ニューヨーク。
医師のオースティン・スローパーは妻をなくし娘のキャサリンがいる。また妹のラヴィニア・ペニーマンは夫が死亡して戻ってきている。他にはメイド。
オースティンとラヴィニアはキャサリンのことが心配である。キャサリンは内向型の性格で、人と交わろうとしない。
二人は何かとキャサリンを連れ出して、機会を作るのだが、あまり効果が上がらない。
男性の相手が話しかければ、それなりの受け答えをするのだが、それ以上の反応がない。
良い相手が見つかればよいのだが、このような状態では、それも望めない。
◆ モリスとの出会い
キャサリンの従姉妹のマリアンが婚約しパーティが開かれた。
キャサリンは会場の端のイスに座ってじっとしている。
男性に誘われる。踊っている時は楽しそうな顔をしている。男性が話しかけると、それなりの反応はする。しかしそれで終わりである。また元のイスに戻ってくる。
キャサリンとラヴィニアが座って話をしている。
ある男性が前に来てラヴィニアを誘った。ラヴィニアは「用事を思い出したわ」と行ってキャサリンにチャンスを与える。用事があるというのは偽装。
相手の男性はモリス・タウンセンド。
二人でダンスをしたが、キャサリンは例によって例のごとくのようである。
しかしモリスは、キャサリンを丁寧に扱い、優しく話しかけた。ヴェランダでベンチに座って話した。
二人はまた会う約束をした。
◆ キャサリンは夢中になる
モリスはスローパー家を訪問して、オースティンやラヴィニアとも話した。
二人のデートが繰り返された。キャサリンはモリスと付き合ううちに明るくなっていった。
大人しいキャサリンにしては、率直に嬉しさを表した。
◆ 父親はモリスの動機を疑う
しかしオースティンはモリスと会ううちに疑問が芽生えてきた。
確かに明るい立派な青年であり、キャサリンの内向的な性格をカヴァーしてくれる。そして何よりもキャサリンがモリスを好きである。
オースティンは父親として当然のことであるが、モリスの素性などをそれとなくチェックした。
するとモリスは定職を持っていなかったばかりか、実家には財産もなかったことが判明した。
さらにオースティンはモリスと話すうちに、キャサリンへの愛情は偽装であり、スローパー家の財産を狙っているのではないかとの結論に至った。
◆ キャサリンは駆け落ちを試みる
オースティンはキャサリンに自分の考えを話した。
しかしモリスに夢中になっているキャサリンが受け入れるはずもなかった。
キャサリンの熱気を覚ますために、オースティン、キャサリン、ラヴィニアは半年間のヨーロッパ旅行に出かけた。
しかし旅行から戻ってもキャサリンのモリスへの愛は変わらなかった。それでオースティンは「モリスと結婚するならば、財産は譲らない」と申し渡した。キャサリンを思うが故の強硬措置である。
これを聞いたキャサリンはモリスに駆け落ちしようと提案した。モリスは同意した。
打ち合わせ通りキャサリンは荷物をまとめて待ち合わせ場所に行った。しかしモリスは現れなかった。キャサリンは泣いた。
◆ 父親が死亡した
キャサリンは心を閉ざして刺繍に精をだした。
さてオースティンの健康状態がよろしくない。医者なので自ら聴診器をもって自分自身を診察する。
オースティンは、自分の命がそれほど長くないことを認識した。
オースティンは死亡した。財産はキャサリンのものとなった。
◆ 再びモリスが訪問してきた
さてずいぶんと時間がたった。モリスが再びキャサリンを訪ねてきて、ドアを叩いた。
キャサリンはモリスと聞いてメイドに応答しないように指示した。モリスへの恨みである。モリスは何度もドアを叩く。
キャサリンはモリスを無視していたが、何を思ったのかメイドにドアを開けさせた。モリスと会った。
モリスは過去のことを謝った。
キャサリンはモリスに荷物を持ってきて引っ越すように言った。
モリスは喜んで引き返した。さて雨が降ってきて次第に激しくなってきた。
◆ キャサリンはモリスを拒否した
モリスは荷物を持って来て再びドアを叩いた。
今度はキャサリンは、またメイドに応答しないように指示した。モリスはドアを叩き続ける。
キャサリンはメイドにもう遅いので寝るように指示をした。メイドは二階に上がった。
そして自分もライトを消して二階に上がっていった。
モリスは雨に濡れながらドアを叩き続けた。
■ 出演作
◆ モンゴメリー・クリフト
(1948)赤い河/Red River
(1949)女相続人/The Heiress
(1949)陽の当たる場所/A Place in the Sun
(1953)終着駅/Terminal Station
(1948)山河遥かなり/The Search
(1953)私は告白する/I Confess
◆ モナ・フリーマン
(1949)女相続人/The Heiress
(1952)天使の顔/Angel Face
(1949)テキサス決死隊/Streets of Laredo
(1955)デンヴァーへの道/The Road to Denver
(1952)挑戦者/ボクシング映画/Flesh and Fury
(1949)Dear Wife
(1955)恐怖の影/Shadow Of Fear/Before I Wake
(1957)ドラゴン砦の決戦/Dragoon Wells Massacre
(1946)ジギー・ブレナン/That Brennan Girl
(1961)二つの世界/The Two Worlds Of Charlie Gordon
(1950)銅の谷/Copper Canyon
(1947)恋文騒動/Dear Ruth/
(1951)Dear Brat
(1950)私は万引き/I Was A Shoplifter
(1950)烙印/牧場主の行方不明の息子を探す/Branded
(1947)母はタイツを穿く/Mother Wore Tights
(1944)女性市長と彫刻家/Together Again
(1946)黒馬物語:ブラック・ビューティ/Black Beauty
(1952)底抜け落下傘部隊/Jumping Jacks
(1951)母親の浮気の真相/Darling, How Could You!
◆ オリヴィア・デ・ハヴィランド
(1935)海賊ブラッド/Captain Blood
(1936)進め龍騎兵/The Charge of the Light Brigade
(1937)恋愛合戦/It's Love I'm After
(1938)ロビンフッドの冒険/The Adventures of Robin Hood
(1938)結婚スクラム/Four's a Crowd
(1938)黄金の罠/Gold Is Where You Find It
(1939)無法者の群/Dodge City
(1939)太平洋の翼/海の荒鷲/Wings of the Navy
(1939)女王エリザベス/The Private Lives of Elizabeth and Essex
(1939)風と共に去りぬ/Gone with the Wind
(1940)カンザス騎兵隊/Santa Fe Trail
(1941)いちごブロンド/The Strawberry Blonde
(1941)壮烈第七騎兵隊/They Died with Their Boots On
(1943)カナリア姫/PRINCESS O'ROURKE
(1946)遥かなる我が子/To Each His Own
(1946)暗い鏡/The Dark Mirror
(1948)蛇の穴/The Snake Pit
(1952)謎の佳人レイチェル/My Cousin Rachel
(1958)誇り高き反逆者/The Proud Rebel
(1964)不意打ち/Lady in a Cage
ふるえて眠れ/Hush… Hush, Sweet Charlotte(1964)
(1977)エアポート'77/バミューダからの脱出/Airport '77
(1943)陽気な女秘書/Goverment Girl
(1949)女相続人/The Heiress
(1955)見知らぬ人でなく/Not as a Stranger
(1936)風雲児アドヴァース/Anthony Adverse
(1956)恋はパリで、大使の娘/The Ambassador's Daughter
(1938)結婚スクラム/Four's a Crowd