Captain Blood

医師のピーター・ブラッドは独裁者ジェームズ2世に反対する患者を治療したために、捕らえられてポート・ロイヤルに送られて奴隷となった。
仲間と脱走をするが失敗した。ちょうどポート・ロイヤルをスペイン海賊船が襲撃し町は大混乱。混乱に乗じて海賊船を乗っ取った。ピーターたちは海賊となりカリブ海を荒らしまわった。
ポート・ロイヤルに向かうウィルビー卿一行がフランス海賊に捕らえられたが、一行を解放してポート・ロイヤルに向かった。
しかしフランス海軍がポート・ロイヤルを襲撃していた。ピーターが知らないうちにジェームズ2世が倒されフランスに亡命し、フランスと戦争をしていたためである。
フランス海軍を撃破しウィルビー卿一行を送り届けた。そしてビーターはポート・ロイヤルの総督となった。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作:1935年、監督:マイケル・カーティス


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ピーター・ブラッド(エロール・フリン)
 アラベラ・ビショップ(オリヴィア・デ・ハヴィランド)
 ビショップ大佐(ライオネル・アットウィル)
 ウィロビー卿(ヘンリー・スティーブンソン)
 ジェームズ2世(バーノン・スティール)
 ジェレミー・ピット(ロス・アレクサンダー) ピーターの仲間
 ルヴァスール(ベイジル・ラスボーン) フランス海賊
 


■ あらすじ

◆ 反国王派を治療したために捕らえられる

1685年。イングランドにおいてはジェームズ2世の独裁政治に対して反乱がおきていた。

開業医のピーターの元にジェレミーが現れて、国王派に弾圧された知人の治療を頼んだ。政治的な意見に関係なく、人の命を大切にする医師として治療を引き受ける。

しかし国王派の将校が現れて有無を言わさず連行された。

名ばかりの形式的な裁判が行われた。「私は医師としてやるべきことをしただけ」と堂々と主張するが、ビーターは死刑となった。

◆ ポート・ロイヤルに送られて奴隷となる

しかし「ジャマイカのポートロイヤルで奴隷が不足している」と言う理由により、他の囚人とともにポートロイヤルに送られた。船の中の劣悪な環境で仲間たちの具合が悪くなりビーターが治療をした。

ポートロイヤルに着き、奴隷の競売が行われて、ビーターたちはビショップ大佐の農場に送り込まれた。

実はビーターは反抗的であったために農場ではなく、さらに過酷なディクソン鉱山に送られようとしたのだが、ビショップ大佐の姪アラベラの気まぐれでアラベラに10ポンドで買われて、農場送りとなった。

ここでビーターたちは過酷な労働を強いられた。何かあるとすぐに鞭が飛んでくる。次第に恨みを蓄積する。

その日の作業が終われば牢に入れられる。もし脱走を企てれば体に焼き印が押される。

◆ 医者として認められて自由になる

さて総督は痛風である。非常に痛い。当地の医者のワッカーとブロンソンに診てもらっているが良くならない。

アラベラの(気まぐれな)紹介でビーターは総督の治療を行うことになる。

しばらくして総督の痛風は改善し、ビーターは自由の身となった。しかしピーターは依然として重労働をさせられている仲間のことが心配である。

◆ 仲間と脱獄を計画する

ワッカーとブロンソンは共同の病院をもっている。しかし総督の侍医の地位を失ったので暇そうにしている。

ビーターが訪ねてきて「この島を出ていきたいが、船がない」と言う話をする。ビーターが出ていけば、商売復活と考えたのか二人は「船は用意する」と言う。

ビーターは仲間たちに計画を話して推進していった。幸い中にはいろいろな経験をもった人がいた。航海手、砲撃手など。分担して計画を進めていった。

ジェレミーと打ち合わせをしていた時に獄吏にとがめられた。たまたま通りかかったアラベラがビーターを庇ってビーターは無事。

しかしその後ジェレミーは捕らえられて拷問を受けた。

◆ 脱獄するが失敗する

さて決行の日となった。真夜中に決行する予定。

ここでビーターは総督の痛風が悪化して呼び出された。治療して帰ろうとしたが、総督に引き留められて、なかなか仲間のところへ行けなかった。

しかしなんとかして戻ったが、ジェレミーが縛られている場所に遭遇した。ジェレミーを介抱した。ジェレミーは「計画のことは喋ってない」と行き絶え絶えに訴えた。

そこに獄吏が来てピーターを捕らえた。

予定の時刻になり仲間たちは脱出した。ビーターとジェレミーを助けた。

しかし獄吏たちに包囲された。

◆ スペイン海賊が襲撃してくる

ここで沖合にスペインの海賊船が現れてポートロイヤルの町を砲撃した。猛烈な砲撃の後に海賊たちは上陸して町を略奪した。

海賊は町を占拠し総督に金貨20万枚を要求した。

ビーターたちは、海賊の一団を襲って武器を奪った。だがしかし用意していた船は燃やされており、海賊が乗ってきたボートに乗り海賊船に向かった。

海賊船にはごくわずかの見張りしか残っておらず、簡単に乗っ取ることができた。

気づいた海賊たちは、ボートに乗って向かってきたが、ボートに対して砲撃をして、ことごとくボートを吹き飛ばした。

ポート・ロイヤルの町は救われた。

ビショップ大佐が来て彼らの助命嘆願を約束するが、ビショップは海に投げ込まれた。

◆ 海賊となりカリブ海を荒らしまわる

ピーターたちは意気揚々と出航した。

ピーターたちはカリブ海の海賊となったが、ビーターは彼らに厳格なルールを課して規律と道徳を守った。

カリブの海で知らぬものがない海賊となった。

一方ボートロイヤルの総督にビショップ大佐が任命された。

◆ フランス海賊ルヴァスールと出会う

同じくカリブ海を荒らしているフランス人ルヴァスールが率いる海賊船があった。

二人はトルトゥーガ島で会い、いわば兄弟の契りを交わした。お互いに攻撃せず共同で敵に対処する。

二隻の海賊船は、これまで以上にカリブ海を荒らしまわった。

◆ ウィロビー卿とアラベラがルバスールに捕らえられる

さてウィルビー卿は、国王の使者としてポート・ロイヤルに向かった。この船にはアラベラも乗船している。

ビーターは、この二人が乗った船を(二人が乗っているとは知らないで)やり過ごした。

そしてルヴァスールが二人が乗った船を襲った。二人をバージン・マグラ島に連れてきた。

ビーターが訪ねてきた。ビーターもアラベラもびっくりするが、とりあえず二人とも知らんふりをする。

ルヴァスールに「女性は捕虜にしないルールだ」と言うが、ルヴァスールは拒否する。そこで「捕虜を金貨2万枚で買い取る」と申し出た。ビーターとアラベルの関係を知らないルヴァスールは不思議な顔をする。

けっきょく交渉は決裂して、ビーターとルヴァスールが決闘することになる。危うい戦いにアラベラはハラハラして見ている。ルヴァスールは刺されて死亡した。

◆ ウィロビー卿とアラベラをポート・ロイヤルへ

船上でビーターとアナベラが話している。「宝石をやる」「盗んだものはいらない。あなたなんて大嫌いよ」「俺を10ポンドで買っただろ」というような展開で小競り合い気味である。

ウィルビーが来てピーターに話しかけようとするが、ビーターが拒否する。なぜ拒否するかと言えば、独裁者である国王の使者だから。注、これで重要な情報がピーターに伝わるのが遅れてしまう。

ビーターは二人をポート・ロイヤルに送り届けようとするが、そこにはイングランド海軍がいるので、みんなは反対する。

けっきょくピーターが押し切ってポートロイヤルに向かうことになる。

◆ フランス海軍がポート・ロイヤルを襲撃している

ポートロイヤルに近づいたところ、二隻の船がポートロイヤルを攻撃している。フランス船。

ここでウィルビーがビーターが知らなかった情勢について説明する。

ジェームズ2世は退位しウィリアム3世が即位した(名誉革命)。しかし元国王を支援するフランスとイングランドが戦争状態になった。

◆ フランス海軍を撃破する

フランス海軍は二隻の船が並んでポートロイヤルを砲撃している。陸上からも反撃しているが、しばらくすると反撃がやんでしまう。

ビーターは船にフランス国旗を掲げて一隻の隣まで進んだ。フランス国旗を掲げているので油断している。

フランス国旗を降ろしイングランド国旗を掲げて猛烈な砲撃をかけた。不意をつかけてフランス船はあっけなく沈没。

もう一隻との戦いは熾烈を極めたがビーターの船が勝利した。

上陸して歓迎を受けた。

◆ ビーターが新総督に就任する

実は総督のビショップ大佐は、ビーターを探してポートロイヤルを離れていた。その隙にフランス軍の攻撃を受けていたのだった。

ウィルビーはビショップ大佐を解任し、ビーターを新総督に任命した。

戻ったきたビショップ大佐は、ビーターが総督になっているのを知って驚いた。

 


■ 出演作

エロール・フリン
(1950)海賊ブラッドの逆襲/FORTUNES OF CAPTAIN BLOOD
(1936)進め龍騎兵/The Charge of the Light Brigade
(1938)ロビンフッドの冒険/The Adventures of Robin Hood
(1938)結婚スクラム/Four's a Crowd
(1939)無法者の群/Dodge City
(1939)女王エリザベス/The Private Lives of Elizabeth and Essex
(1940)カンザス騎兵隊/Santa Fe Trail
(1941)壮烈第七騎兵隊/They Died with Their Boots On
(1940)シー・ホーク/The Sea Hawk
(1946)愛をもう一度/Never say good bye
(1952)すべての旗に背いて/Against All Flags
(1947)恐怖の叫び/Cry Wolf
(1947)逃げちゃ嫌よ:二人の作曲家と二人の女性/Escape Me Never

◆ ベイジル・ラスボーン
(1935)海賊ブラッド/Captain Blood
(1938)ロビンフッドの冒険/The Adventures of Robin Hood
(1944)情炎の海/Frenchman's Creek
(1935)嵐の三色旗/二都物語/A Tale of Two Cities
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo
(1940)怪傑ゾロ
(1942)交錯する記憶/Crossroads
(1946)スリ学校の学生/Heartbeat
(1932)追い詰められたプレイボーイ/Sin Takes a Holiday

オリヴィア・デ・ハヴィランド
(1935)海賊ブラッド/Captain Blood
(1936)進め龍騎兵/The Charge of the Light Brigade
(1937)恋愛合戦/It's Love I'm After
(1938)ロビンフッドの冒険/The Adventures of Robin Hood
(1938)結婚スクラム/Four's a Crowd
(1938)黄金の罠/Gold Is Where You Find It
(1939)無法者の群/Dodge City
(1939)太平洋の翼/海の荒鷲/Wings of the Navy
(1939)女王エリザベス/The Private Lives of Elizabeth and Essex
(1939)風と共に去りぬ/Gone with the Wind
(1940)カンザス騎兵隊/Santa Fe Trail
(1941)いちごブロンド/The Strawberry Blonde
(1941)壮烈第七騎兵隊/They Died with Their Boots On
(1943)カナリア姫/PRINCESS O'ROURKE
(1946)遥かなる我が子/To Each His Own
(1946)暗い鏡/The Dark Mirror
(1948)蛇の穴/The Snake Pit
(1952)謎の佳人レイチェル/My Cousin Rachel
(1958)誇り高き反逆者/The Proud Rebel
(1964)不意打ち/Lady in a Cage
ふるえて眠れ/Hush… Hush, Sweet Charlotte(1964)
(1977)エアポート'77/バミューダからの脱出/Airport '77
(1943)陽気な女秘書/Goverment Girl
(1949)女相続人/The Heiress
(1955)見知らぬ人でなく/Not as a Stranger
(1936)風雲児アドヴァース/Anthony Adverse