■ The Mark of Zorro
After graduating from military school, Diego returned to his hometown. But unlike before, the diabolical Mayor Quintero and his subordinate Captain Pasquale ruled.
Diego confronted them as the black-masked Zorro.

士官学校を卒業したディエゴは故郷に戻った。以前と違って極悪市長キンテロと部下のパスクアレ大尉が支配していた。
ディエゴは黒覆面を被ったゾロとなって彼らと対決した。


製作年:1940、監督:Rouben Mamoulian、脚本:John Taintor Foote、原作:The Curse of Capistrano(Johnston McCulley)


■ はじめに

本作は1919年の原作があり、何度も映画化されている。

スペインが世界の覇権を握っていた時代。カリフォルニアはスペイン領。zorroはスペイン語で「狐」。

登場人物(キャスト)
 ドン・アレハンドロ・ヴェガ(Montagu Love) 父親、前市長
 セニョーラ・イサベラ・ヴェガ(Janet Beecher) 母親
 ドン・ディエゴ・ヴェガ(タイロン・パワー) 主人公 →ゾロ
 フェリペ神父(Eugene Pallette)

 ドン・ルイス・キンテロ(J. Edward Bromberg) 現市長
 イネズ・キンテロ(Gale Sondergaard) 妻
 ロリータ・キンテロ(リンダ・ダーネル) 現市長の姪
 エステバン・パスクアレ大尉(ベイジル・ラスポーン)

ゾロは二種類の覆面を使う。一つは顔の上半分を覆って目が出ているもの。もう一つは顔の下半分を覆っているもの。

タイロン・パワー&リンダ・ダーネル共演は本作の他に闘牛士の生涯を描いた「(1941)血と砂、闘牛士の最後/Blood and Sand」と迫害されて安住の地を求めてユタに辿り着いたモルモン教徒を描いた「(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young」がある。
 


■ あらすじ

◆ 士官学校を卒業し故郷に帰る

ドン・ディエゴ・ヴェガはマドリードの士官学校を卒業した。カリフォルニア・ロスアンジェルスで市長をしている父親より連絡があり、故郷に帰ることになった。

大西洋を渡り、大陸を横断した。

やっとのことでロスアンジェルスに到着した。しかし何か様子がおかしい。一言で言えば活気がない。以前はそうではなかった。

◆ 父親は市長を追い払われた

まずディエゴは市庁舎に行った。ところが市長であるはずの父親はいなかった。

ドン・ルイス・キンテロなる人物が市長を名乗っており「あなたの父親は高齢で引退された」。

どちらかと言えばキンテロは度胸がない人物で、むしろ部下のエステバン・パスクアレ大尉が力を持っているようであった。

キンテロの妻イネズと話すと「スペインに行きたい」と言う。またキンテロの姪でロリータという17歳の少女がいた。

外にでると、兵士によって税が厳しく徴収されていた。

賢明なディエゴは、当地の情勢を把握した。

◆ ディエゴは真意を隠した

ディエゴは自宅に戻った。父母とフェリペ神父が出迎えた。

三人はやっと戻ってきたディエゴに大いに期待しているようである。すなわち当地の悪人を懲らしめる役割をディエゴに期待している。

父親と神父からは「今は力を持った剣士が必要だ」との説明を受けるが、ディエゴは軽く受け流す。当地の現状を説明しても「この程度のことは、どこにでもある」と応答する。

神父は「つまらぬ男になったものだ」と軽蔑して出て行った。

みなさんはお分かりのようにディエゴの中には固い決意があるのだが、今はそれを隠している状態である。

◆ ゾロが現れた

兵士が税の告知の張り紙をしている。

そこに馬に乗った黒覆面の男が現れた。たちまち兵士たちを追い払って張り紙をしていった。

「キンテロは盗人であり、民衆の敵。復讐から逃れることはできない。ゾロ」。

男は剣で「Z」の文字を書いて、たちまち走り去った。

さらに森の中。キンテロ夫妻が乗った馬車が通りかかった。同じく黒覆面の男、すなわちゾロが馬車を襲撃した。

二人から現金と宝石を奪って走り去った。ここでも「Z」のサインが遺された。

街角には5000ペソの賞金でゾロの手配書が張り出された。

さらにキンテロが執務をしている時にゾロが現れてキンテロを脅していった。「市長を辞める時は、ヴェガにさせろ」と要求した。

パスクアレが入ってきた。キンテロは「ゾロが現れた」とおののいていた。パスクアレは壁の「Z」を確認し部下にゾロを探させた。

◆ ロリータが祈っている

ロリータが聖堂で祈っている。「誰かが私を連れ出してほしい」と祈っている。

実はロリータが修道院に入るという話が進められている。彼女の本心は、修道院には入りたくないということである。

ディエゴが聖堂に入って来た。覆面は着けていないが頭からヴェイルを被っている。ロリータには誰だか分からない。神父であると思っている。

ディエゴはロリータの気持ちに対して理解を示した。

◆ フェリペ神父はゾロの正体を知った

その後もゾロの出現・活躍が続き、懸賞金は二万ペソにあげられた。

パスクアレや兵士が強引に税金を取り立てている。そこに拳銃を構えたゾロが現れた。

ゾロは取り立てた税金を取り上げて逃亡した。教会の近くまで来て変装を取って教会に入った。

教会ではミサが行われている。ミサが一段落してフェリペ神父は、自室に戻って来た。ディエゴがいた。

ゾロを捜索している兵士たちが入って来た。「このあたりにゾロがいた」。ディエゴは「ずっとここにいるが見かけない」と答えると兵士たちは出て行った。

神父は「一人で悪と対決してるものがいる」とディエゴを批判する。

ここでディエゴはマスクを取り出して自分の顔に当てた。ディエゴ=ゾロは先ほど兵士から取り上げた金を「みんなに配ってくれ」と言って渡した。

神父はディエゴの真の姿を知って抱きしめた。

◆ ディエゴとロリータの縁談

ゾロの活躍が続き、もうキンテロは怯えている。一方パスクアレは肝が座っている。

パスクアレは「ゾロは前市長の手先だ。ディエゴとロリータを結婚させろ」と主張する。

イネズは元々スペインに憧れを持っている。訪ねてきたディエゴにスペインの話をせがむ。ディエゴはそれに応じて適当に話をでっち上げる。

キンテロがヴェガ家を訪ねてくる。用件は「ディエゴとロリータの縁談」である。

それを聞いてアレハンドロは不愉快な顔をする。しかしディエゴは「光栄な話だ」と応じるので、アレハンドロは呆れる。

ディエゴはキンテロ家の夕食に招かれた。

◆ ロリータにも正体を明かす

夜、ロリータの部屋。花が投げ込まれて続いてゾロが現れた。

キンテロが現れたのでゾロは隠れた。キンテロが姿を消すと今度はディエゴが表れた。ロリータにもゾロ=ディエゴであることが明かされた。

ロリータが「結婚の話が嘘だと言いに来たのね?」と聞くと「いや、それは本当だ」との答え。

次第にディエゴとロリータの話は進んでいく。ディエゴの正体を知らないアレハンドロはイライラが募っている。

◆ フェリペ神父が連行された

ゾロの活躍が続き住民はゾロを応援している。住民にも明るさが見えてきた。

ゾロが集めた金はフェリペ神父に渡っている。いずれ住民のために使われる。

神父がその金を確認していると、突然パスクアレが入って来た。その金の出所を追及する。

神父は金を奪われて連行された。住民たちに信頼されているフェリペ神父が連れ去られたというニュースで住民たちは集まって騒ぎ出した。

◆ ディエゴが逮捕された

キンテロが自分の部屋に入るとディエゴがいた。キンテロは「神父がゾロとつるんでいた」と興奮気味である。

その時に兵士が入ってきて報告する。地下の酒蔵の樽に穴が開いていて酒が漏れており、「Z」のマークがあったとのこと。

キンテロは動揺して「今すぐにここを出る、呪われている」と言い出す。さらに「市長職を辞職」という書類を作った。

パスクアレが入ってきてキンテロを責めた。ここで今まで温厚な顔を貫いてきたディエゴが市長に「サインしろ」と言う。

パスクアレがディエゴに対して剣を抜く。ディエゴも応じた。しばらく激しい剣劇が続いたが、パスクアレが刺されて死亡した。

ここにいたってキンテロはディエゴがゾロであることを認識した。多数の兵士が雪崩れ込んできてディエゴは逮捕された。

◆ キンテロはスペインへ

キンテロは「ゾロを処刑する」との告示を張り出した。

フェリペ神父の連行で騒いでいた住民たちは、さらに怒って市庁舎の前に集まった。兵士たちと争い始めた。

フェリペ神父とディエゴ=ゾロは牢に入れられていたが、牢番を騙して脱出した。

ディエゴが市庁舎の門を開けたために住民たちが突入して兵士たちと激しい戦いとなった。

この戦いは住民たちの勝利となった。

キンテロは住民たちの前に立って演説した。「自分は市長を辞任し、スペインに行く。新しい市長はドン・アレハンドロ・ヴェガ」と宣言した。住民たちは万歳。

キンテロ夫妻は旅立った。ロリータは残ってディエゴとハッピーエンドになったことは言うまでもない。
 


■ 出演作

◆ ベイジル・ラスポーン
(1935)海賊ブラッド/Captain Blood
(1938)ロビンフッドの冒険/The Adventures of Robin Hood
(1944)情炎の海/Frenchman's Creek
(1935)嵐の三色旗/二都物語/A Tale of Two Cities
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo
(1940)怪傑ゾロ/The Mark of Zorro

リンダ・ダーネル
(1941)血と砂、闘牛士の最後/Blood and Sand
(1946)荒野の決闘/My Darling Clementine
(1952)海賊黒ひげ/BLACKBEARD, THE PIRATE
(1947)永遠のアンバー/Forever Amber
(1945)戦慄の調べ/Hangover Square
(1948)殺人幻想曲/Unfaithfully Yours
(1945)堕ちた天使/Fallen Angel
(1944)西部の王者/Buffalo Bill
(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young
(1944)明日起こったこと/It Happened Tomorrow
(1951)カジノで負けた女教師/The Lady Pays Off
(1954)私の愛と恨み/This Is My Love
(1940)怪傑ゾロ/The Mark of Zorro

タイロン・パワー
(1939)地獄への道/Jesse James
(1941)血と砂、闘牛士の最後/Blood and Sand
(1947)悪魔の往く町/Nightmare alley
(1953)ミシシッピーの賭博師/The Mississippi Gambler
(1947)征服への道/Captain from Casile
(1951)狙われた駅馬車/Rawhide
(1942)海の征服者/THE BLACK SWAN
(1946)剃刀の刃/THE RAZOR'S EDGE
(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young
(1942)ベンジャミンの復讐
(1951)私はあなたを忘れない/二つの世界に住む男/The House in the Square/I'll Never Forget You/Man of Two Worlds
(1948)幸福の森、アイルランドの妖精/The Luck of the Irish
(1942)純愛の誓い/ This Above All
(1940)怪傑ゾロ/The Mark of Zorro