■ The Luck of the Irish
記者のスティーヴはアイルランドに旅行した。そこでレプラカーン(男性の妖精)に会った。またノラという女性にも惹かれた。
ニューヨークに戻った。なぜかレプラカーンと同じ顔をしたホアスという男性がアパートにきた。
またニューヨークに出て来たアンに偶然出会った。スティーヴはアイルランドに行って以来、何かが変わっていた。
昇進の話を断りアイルランドに移住することにした。


製作年:1948、監督:Henry Koster、脚本:Philip Dunne


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)
 スティーヴン・フィッツジェラルド(タイロン・パワー) ジャーナリスト
 レプラカーン(セシル・ケラウェイ)
 タティー(J. M. Kerrigan) 宿屋の主人
 ノラ(アン・バクスター)

 デイヴィッド・アーガー(リー・J・コッブ) スティーヴの上司
 フランシス・アーガー(ジェーン・メドウズ) デイヴィッドの娘。スティーヴの恋人
 ホアス(セシル・ケラウェイ)

◆ 補足

アイルランドの妖精
leprechaun/レプラカーンは男妖精
banshee/バンシーは女妖精

全体はわりと軽くスイスイ進んでいく。ストーリーは若干ありきたりの感はあるが、私は二人とも好きなので、それは問題ではない。アンは「青いガーディニア」でも「ノラ」役。
 


■ あらすじ

◆ アイルランド旅行

ジャーナリストのスティーヴン・フィッツジェラルドは同僚とアイルランド旅行をしていた。

しかしもうニューヨークに帰る時である。車で町に向かっていた。が、道を間違えたようである。

それで方向を変えたが、それでも間違っていたようである。橋を渡るときに橋が壊れて車が水に浸かった。

ケガはなかった。少し歩いていくと滝があった。

◆ 老人と会う

滝のそばに老人がいた。「町に行くにはどうしたらよいか?」と尋ねたが、老人は要領をえない答えをした。

「大事な用事がある。急いでいるんだ」「なぜ急ぐんだ?おかしいな」という会話をしたが埒が開かない。

老人は滝の方に歩いて行った。スティーヴも反対方向に歩いたが、後ろを振り返ると老人は消えていた。

◆ 宿に到着

歩いていくと村があった。遊んでいた子供たちが珍しそうに二人を見た。

その村に宿屋があった。だがかなりボロボロである。しかし選択肢はない。

宿屋の主人に滝のそばで会った老人のことを話した。主人はびっくりしたような顔をしたが、老人のことはあまり話したくない雰囲気である。

◆ ノラ

一階で食事をした後、二階の自分の部屋に入った。

女性が入ってきた。ノラ。主人の娘らしい。滝の話をしたが「そこには滝はない」との驚くべき答えが帰ってきた。

二人で老人の話をしようとするが話を逸らす。

◆ レプラカーンとミルク

食事をした時にライターを忘れてきたので、一階に取りに戻った。

主人がドアを開けて何かをドアの外に置いた。スティーヴンには気がつかない。

声をかけるとびっくりした様子。「レプラカーンにミルクをやる」という。

部屋に戻って窓から見る。先般滝のそばで出会った男性がやってきて、ミルクを持ち去った。

興味を持ったスティーヴンは追いかけて行った。彼は森の中に逃げていく。

追いついて問い詰めた。するとなぜか上着の下にスコップを持っており、そのスコップで掘り始めた。

穴から壺が出てきた。開けると硬貨(みたいなもの)が出てきた。一枚を取りだしてスティーヴンに渡した。

そして立ち去った。

◆ ノラに話す

朝になった。外に出るとノラが働いていた。「昨日は夢を見たんだ」と体験を話した。

ノラと一緒に滝に向かった。同じ地形だがノラの言った通り滝がない。

一緒を歩いて丘に来た。二人はここで個人的な話をした。そして「ニューヨークに帰らないといけない」と話した。

ノラに硬貨を見せると「16世紀のスペインの硬貨」と答えた。

◆ ニューヨークに帰る

沖合に船がいる。スティーヴンはボートに乗って船に向かう。ノラが見送る。

見送っていたノラはなぜか泣き出した。

飛行機に乗り換えてニューヨークに向かった。

◆ 仕事が始まった

戻るとさっそく上司のデイヴィッド・アーガーに会った。すぐに仕事の話になる。上院議員に会って取材する話。

デイヴィッドの娘のフランシスにも会った。フランシスは少々早口で喋るが知性がある女性である。

二人でスティーヴンのアパートに行く。飾っている絵を見て話した。

◆ ホアスがくる

ドアチャイム。訪ねて来た男性の顔を見て、スティーヴンは驚いた。アイルランドで会ったレプラカーンである。

派遣会社からの紹介でスティーヴンの食事を作ったり、身の回りの世話をしたりする役目である。名前はホアス。

「どこから来た?」と聞くがアイルランドとは無関係のようである。だが、レプラカーンと同じように意味不明の応答をする。なぜか憎めない性格である。

スティーヴンが冷蔵庫を開けるとミルクがなくなっている。ホアスに聞くが、例の曖昧な返事。そしてミルクが配達されてきた。

例の硬貨をホアスに見せたが、知らないとのこと。

◆ ノラに会ったっ!

ホアスに運転してもらって車で出かけた。が、渋滞に巻き込まれた。おまけにエンスト。ホアスがボンネットを開けて調べるが直りそうにはない。警官に注意された。

スティーヴンは車を降りてタクシーに乗り、さらに電車に乗った。補足。スティーヴンが下りるとホアスは簡単に車を動かした。

電車は満員状態。スティーヴンは財布をすり取られるが気がつかない。

いや、それよりも大事なこと。離れたところにノラを見かけた。ノラに近づこうとするが、なかなか近づけない。

ノラは下車した。追いかけた。改札口を抜けて追いついた。確かにノラ。ノラも懐かしがった。

ノラに付き合って買い物をした。ここで財布がなくなっていることに気がついた。

レストランに行って話した。結婚式の出席のために来たそうである。しばらく滞在するとのこと。

◆ 昇進を辞退する

仕事が終わって帰宅した。なぜかホアスは出て行くという。

アーガーのバーティに出た。みんなに紹介された。

別の部屋でフランシスと話した。スティーヴの昇進の話が持ち上がっているのだが、スティーヴは断るつもりである。

スティーヴの気持ちを知ったフランシスは「大きなチャンスなのに」と言う。

その後、アーガーがみんなの前でスティーヴの昇進の話がなされた。みんなが拍手。しかしスティーヴは、それに感謝しつつも辞退する。

アパートに戻ったなぜかホアスがいた。ホアスは、例によってあやふやな表現なのだが、人生訓みたいなことを話した。

◆ ノラと会う

パーティに出席した。注、何のパーティか不明。

ノラが出席している。ノラと話す。「いい仕事が見つかった」「本当?」「怒らないか?」。

実はアイルランドに行くということなのだが、スティーヴは曖昧に話している。

ここでノラとダンスをしたい男性が割り込んでくる。スティーヴは相手の男性と喧嘩して殴り合いになった。

車に乗って行ってノラに介抱された。ノアが住んでいるアパート。

◆ アイルランド

スティーヴはアイルランドにいる。隣にはノラが座っている。二人は結婚した。

スティーヴはドアの外にミルクを置いた。陰からみているとホアス/レプラカーンが現れた。
 


■ 出演作

タイロン・パワー
(1939)地獄への道/Jesse James
(1941)血と砂/Blood and Sand
(1947)悪魔の往く町/Nightmare alley
(1953)ミシシッピーの賭博師/The Mississippi Gambler
(1948)征服への道/Captain from Casile
(1951)狙われた駅馬車/Rawhide
(1942)海の征服者/THE BLACK SWAN
(1946)剃刀の刃/THE RAZOR'S EDGE
(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young
(1942)激闘/ベンジャミンの復讐
(1951)私はあなたを忘れない/二つの世界に住む男/The House in the Square/I'll Never Forget You/Man of Two Worlds
(1948)幸福の森、アイルランドの妖精/The Luck of the Irish

アン・バクスター
(1940)スワンプ・ウォーター/Swamp Water
(1953)青いガーディニア/The Blue Gardenia
(1950)彼女は二挺拳銃/A Ticket to Tomahawk
(1950)イヴの総て/All about Eve
(1952)人生模様/最後の一葉/O. Henry's Full House
(1956)十戒/The Ten Commandments
(1953)私は告白する/I Confess
(1946)剃刀の刃/THE RAZOR'S EDGE
(1952)ポーカー・フラットの追放者/The Outcasts of Poker Flat
(1946)地獄から来た天使/肩の上の天使/Angel on My Shoulder
(1948)幸福の森、アイルランドの妖精/The Luck of the Irish

◆ セシル・ケラウェイ
(1939)嵐が丘/Wuthering Heights
(1940)月光の女/The Letter
(1942)奥様は魔女/I MARRIED A WITCH
(1964)ふるえて眠れ/Hush… Hush, Sweet Charlotte
(1946)郵便配達は二度ベルを鳴らす/The Postman Always Rings Twice
(1958)誇り高き反逆者/The Proud Rebel
(1948)幸福の森、アイルランドの妖精/The Luck of the Irish

◆ リー・J・コッブ
(1949)深夜復讐便/THIEVES' HIGHWAY
(1947)征服への道/Captain from Casile
(1948)出獄/CALL NORTHSIDE 777
(1947)影なき殺人/Boomerang
(1957)イヴの三つの顔/The Three Faces of Eve