The Outcasts of Poker Flat

キャルは悪人の夫ライカーとは別れたいと思っている。ライカーは銀行強盗をして奪った金をキャルに預けた。
キャルを含めて四人の男女が町を追放され、途中で二人の男女が加わった。吹雪の中を山の中の小屋に避難した。
吹雪は激しくなり馬が逃げ出して閉じ込められた。一人の男性が町に助けを求めに行った。そしてライカーが拳銃を持って小屋にきた。


製作年:1952、監督:ジョセフ・M・ニューマン、脚本:エドマンドH.ノース、原作:ブレット・ハート


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ライカー(キャメロン・ミッチェル) キャルの夫
 キャル(アン・バクスター) ライカーの妻
 ジョン・オークハースト(デイル・ロバートソン) 賭博師
 シップトン夫人(ミリアム・ホプキンス)
 ジェイク・ワッターソン(ウィリアム・H・リン) 酔っ払い
 トム・デイキン(クレイグ・ヒル) パイニーの恋人
 パイニー・ウィルソン(バーバラ・ベイツ) トムの恋人。妊娠中

舞台となっている小屋の構造はリヴィングと寝室2室。寝室からは外に出るドアはない。


今まで気がつかなかったのだが、原題はほぼ同じで「(1919)ポーカー・フラットの浮浪者/The Outcast of Poker Flat」という映画がある。内容はまったく違う。注、Outcastが複数形と単数形になっている。


■ あらすじ

◆ 銀行強盗

ライカーは手下二人と銀行強盗をした。夜中に忍び込んで金庫を爆破する荒っぽい手口である。

ライカーは妻のキャルに馬を用意するように指示した。そして奪った金をキャルに預けた。ライカーは、とりあえず知人の家に隠れた。

キャルはライカーと別れたいと思っている。昔は好きだったが、もう嫌気がさしている。しかしライカーが怖いので、別れられずにいる。

◆ 町を追放された

キャルを含めて男性二人、女性二人が町から追放される。「ポーカー・フラットには二度と近づくな」。注、理由は明示されない。

バラバラに行くという話もでたが、結局みんな同一行動をする。雪が残っている山道を進む。

絶壁の道を過ぎて、山の中に入った。猛獣が襲ってきたので、シップトン夫人が落馬して足首を捻挫した。

「この近くに小屋かあるはず」ということで探す。

雪が降ってきた。男女二人に出会った。彼らとは逆にポーカー・フラットに向かっている。

さらに雪が激しくなってきた。小屋が見つかった。

◆ 山小屋

小屋の中に六人が集まった。キャルの他は賭博師のジョン・オークハースト、酒飲みのジェイク・ワッターソン、足首捻挫のシップトン夫人。

それからトム・デイキンとパイニー・ウィルソン。パイニーは妊娠しているとのこと。

手持ちと小屋にあった食料を確認したが、食料はあまりない。

ジェイクが「馬も寒いだろう」と言って毛布を持って外に出た。しかしミスをして馬が逃げてしまった。ジェイクは「朝になったら探しに行く」と言っている。

要約すると、雪が降り馬がないので動けず、食料も少ないという状況である。

◆ キャルとジョンが話す

女性二人は寝室へ行った。キャルも行こうとしたがリヴィングでジョンと話した。主にキャルの話題。

「なぜこの町を追い払われた?」「私の連れ合いが問題なの」。

「銀行を襲って二人を撃った。それで逃げてきた。二年前に結婚したが、恐ろしかった」。

「どうして逃げなかった?」「最初は愛よ。それからは...」と口ごもった。

「彼(ライカー)のいないところに行く」「俺は一人で行く」。

キャルはライカーから預かっていた9800ドルを出して「半分あげる」と言ってジョンを誘った。二人は握手して一緒に行こうと言う約束をした。

◆ トムは助けを求めに出発した

朝になった。依然として雪が降っている。

トムは「助けを求めにポーカー・フラットに行く」と言う。馬がないので徒歩になる。

それと「助けに来てくれるとは限らない」という話になる。キャルは金をだして「金を返すから助けに来てと言えばよい」と提案。するとジョンが「金は分割して渡さないと来てくれない」と言うので、500ドルだけを渡した。補足。これでジョンとの「半分ずつ」の話はなしになる。それと「金を返す」というのは、この金はもともとポーカー・フラットで奪ったものなので。

トムは金を受け取って出発した。

「半分ずつ」の話がなくなったので、ジョンも出発しようとする。キャルも一緒に行こうとするが、ジョンは拒否する。

◆ ライカーがきた

しかし外を見たら人影が近づいてくる。ジョンは出発中止。

キャルは「ライカーよ」。そしてライカーを恨んでいるようなことを言っていたが「トムが町の人を連れてきたら殺される。警告しなくちゃ。私たちは夫婦なのよ」とライカーのことを心配する。

ライカーが入ってきた。この後の展開がわりと長い。基本的にはライカーが拳銃でみんなを制圧した状態となる。

ライカーはそこにあった食べ物を食べる。キャルには食べ物を渡す。キャルが他の人に分けようとすると禁止する。

夜は、他の人を寝室に入れて、リヴィングにはライカーとキャルだけが残る。

ジョンはライカーにいろいろ言うが、キャルはライカーの凶暴性を知っているので「逆らわずに大人しくして」と言う。

ライカーは、金が少なくなっているのに気が付き、またジョンとキャルの関係を疑う。

パイニーはお腹がすいているので「人間はどのくらいで飢え死にするの?」と弱音を吐く。

またジョンは寝室の暖炉の付近の壁を調べて外に出れないかを調べている。

そして食べ物がすべてなくなった。

◆ ジェイクとシップトン夫人が撃たれた

さて、これから次第に立場が逆転してくる。追い詰められたみんなは、覚悟ができてくる。

一人一人がライカーに文句を言い始める。ライカーが脅すが、もう動じない。

次第にライカーが追い詰められてくる。キャルは「あなたか怖がっているのは初めて見た」と言う。

ここがゴチャゴチャするが、ジェイクとシップトン夫人が撃たれて倒れた。

ジョンは寝室に閉じ込めらてドアの外からイスでロックされたが、なんとかロックを外して、さらに外に飛び出した。雪はすでに止んでいる。

トムが人を連れて戻ってきた。ライカーは木の陰に隠れてキャルに「ヤツを呼び出せ」と命令するが、キャルは拒否する。

ライカーは木の陰からトムを狙う。しかし後ろからジョンが来て、ライカーを抑え込む。二人は雪が積もった中で格闘した。

ライカーは雪の中に顔を押さえつけられた。息ができない。ジョンはそのまま押さえつける。ライカーが動かなくなった。

◆ ラスト

トムとパイニーは馬車に乗ってポーカー・フラットに向かった。

ジョンとキャルは頷き合って馬に乗ってトムたちとは別の方向に向かう。
 


■ 出演作

アン・バクスター
(1940)スワンプ・ウォーター/Swamp Water
(1953)青いガーディニア/The Blue Gardenia
(1950)彼女は二挺拳銃/A Ticket to Tomahawk
(1950)イヴの総て/All about Eve
(1952)人生模様/最後の一葉/O. Henry's Full House
(1956)十戒/The Ten Commandments
(1953)私は告白する/I Confess
(1946)剃刀の刃/THE RAZOR'S EDGE
(1952)ポーカー・フラットの追放者/The Outcasts of Poker Flat
(1946)地獄から来た天使/肩の上の天使/Angel on My Shoulder
(1948)幸福の森、アイルランドの妖精/The Luck of the Irish
(1944)婚約者の陰謀/スカートの中の悪魔/Guest in the House/Satan in Skirts
(1955)暴力には暴力だ/The Spoilers
(1952)妻の親友/My Wife's Best Friend
(1958)生きていた男/Chase a Crooked Shadow
(1954)カーニヴァル物語/Carnival Story
(1948)廃墟の群盗/Yellow Sky
(1955)悪徳:神学生と歌手/Bedevilled
(1942)ナチスからの逃亡:ドイツ占領下のフランス脱出/The Pied Piper
(1957)三人のあらくれ者/Three Violent People
(1948)ジェリコの壁/The Walls of Jericho
(1956)疑惑の拳銃/The Come On