The Come On

メキシコの海岸でデイヴ・アーノルドはリタ・ケンドリックという女性と知り合った。
だがリタには結婚していて、夫のハーレイから虐待されているという。しばらくして「夫を殺して」と依頼されたが、拒否した。
だがハーレイが殺された。二人は疑われたが、マグニグルという人物が現れて二人を助けた。
だが二人の疑いが晴れた後、マグニグルは二人を脅した。そして実はハーレイは死んではいなかった。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1956、監督:Russell Birdwell、脚本:Whitman Chambers、Warren Douglas、原作:Whitman Chambers


■ はじめに

◆登場人物(キャスト)

リタ・ケンドリック(アン・バクスター)
ハーレイ・ケンドリック(ジョン・ホイト) 夫
デイヴ・アーノルド(スターリング・ヘイドン)
J.・J.・マグニグル(ジェシー・ホワイト)
ジェニングス(ポール・ピセルニ) 地方検事補

◆ 補足

我らのアン・バクスターが悪役である。彼女は露骨な悪役はやっていないが、それなりに悪役はしている。わりと小柄で童顔なので、その意味では悪役は向いていないかも。

リタはデイヴに最初に「どこから来たの?」と話しかけて、最後、自分が死のうとする時に二回「どこから来たの?」と言う。

他のレヴューではJ.・J.・マグニグルは刑事ということになっているが、町の中にオフィスを構えていて刑事の雰囲気ではない。

明示はされていないが、リタとハーレイは別居している雰囲気。

1956年製作なので、画像がもう少し鮮明であってほしかった。アン・バクスターの水着姿は初めて。

地方検事には連邦政府から任命される連邦地方検事と選挙で選ばれる州地方検事がある。前者は州を跨る事件を担当、後者は州内の事件を担当。地方検事は管理職で、その下に個々の事件を担当する検事補がいる。
 


■ あらすじ

◆ デイヴはリタと出会う

夏、メキシコ。デイヴ・アーノルドは釣りにきていた。釣り船を借りている。

釣り船を船着き場に係留して砂浜にいた。他には誰もいなかったが、そのうち少し離れたところに水着姿の女性が現れた。そして自分の方に歩いてきた。「どこから来たの?」と声をかけてきた。

二人は適当な話をした。そして「さようなら」と言うので、デイヴは強引に女性を抱いてキスをした。

夜十時に船着き場で会うことになる。女性の名前はリタ・ケンドリック。

夜、船着き場。デイヴがいるとリタが来た。しばらく話したが、リタは昼と同じく帰ろうとする。引き留めるが帰って行った。

◆ リタは結婚していた

夜、クラブ。リタが一人で入って来た。席に着いた。二人連れの男性が入ってきてリタの席に座った。リタと一人は初対面でお互いに挨拶した。

デイヴが入って来た。リタを見つけてデイヴが席に近づいた。男性二人は不快な顔。

リタはデイヴに一人を夫のハーレイであると紹介した。デイヴはハーレイを殴り倒した。ハーレイは運び出された。

その後、リタはある部屋に入った。ハーレイがいた。割と険悪な雰囲気。しばらく言い合ってリタは出て行った。

◆ 「夫を殺して」

デイヴは船で沖に出ていた。船の電話が鳴った。リタから。二人は午後5:30に会う約束をした。

二人は海辺で会った。リタは夫とのことを話した。リタは「金が必要だったから夫と結婚した」と話した。

さらに「夫からは暴力を振るわれている」という。

そのようなことを話して「あなたと一緒にいたいの」と言い残して立ち去った。

しばらくして二人はまた会った。この時にリタは「10万ドルで夫を殺して」とストレートに依頼した。

デイヴは断ったがリタはデイヴにキスをしてもう一度依頼した。またデイヴは断った。

◆ 「ヤツを殺す」

ハーレイが部屋にいる。男性と話していた。男性が帰り、リタが入って来た。

ハーレイは「あいつは誰だ」と追及。デイヴのことである。リタは居直って「あの人が好きなの」。

さらに口論、平手打ちの応酬となりリタは倒れた。ハーレイは出て行った。

リタはデイヴに電話した。泣き声を聞いて、慌ててデイヴが駆け付けた。リタは顔にアザがで来ていた。

デイヴは「ヤツを殺す」と呻いた。

◆ ハーレイが殺された

デイヴはリタの家に向かっていた。後から誰かがつけている。リタの家に入った。

リタは「ダイナマイトを手に入れた」と話すが、デイヴは否定的な応答をする。

その後、デイヴが港にいると男が近づいてきた。また警察の車が来た。それにはリタが乗っていた。促されて乗ると警察につれていかれた。

そこで驚きの話を聞かされた。「ハーレイ・ケンドリックが殺された」。補足。誰かが撃たれるとか刺されるとか、そのような場面は一切表示されない。

現場の写真を見せられた。二人とも容疑を否定し、釈放された。

リタは「私たちは何もしていないのに彼は死んだ」。

◆ マグニグルに金を要求された

二人にJ.・J.・マグニグルという人物が接触してきた。マグニグルの事務所に入った。

マグニグルはわりと上機嫌で話した。「俺が容疑を晴らしてやる。彼は自殺したんだ」と言う。ダイナマイトの件も知っている。

マグニグルは10万ドルを要求し、書類を出してサインを要求した。二人は、その場で軽く話して、その話を拒否して出て行った。

◆ マグニグルを殺した

その後、リタが一人でマグニグルにオフィスに行った。

再びダイナマイトの件で脅された。マグニグルの体がグッと迫ってきた。リタはバッグから拳銃を出して引き金を引いた。

マグニグルは倒れてリタは跳び出した。

リタは町を彷徨った。いつの間にか船着き場に来ていた。

気が付いたデイヴが駆け寄った。「人殺しをした」と泣いた。

◆ ハーレイも撃った

逃亡するためにリタとデイヴは飛行場に来た。サンディエゴ行の飛行機に乗った。だが二人を誰かが見ている。

サンディエゴでホテルに入った。リタは「ミセス・アーノルド」と言われたので微笑んだ。

リタがラウンジにいた。背後から声をかけられた。その声にリタは非常に驚く。振り返るとハーレイが立っていた。

リタは逃げ出す。ハーレイも追った。

二人は船着き場にあるモーターボートで話した。険悪な雰囲気が漂っている。

だがリタは突然「こっちへ来て、キスをして」と言う。ハーレイが近づく。ここで突然銃声。ハーレイが倒れた。リタが拳銃を握っていた。

リタは拳銃を捨てて逃げ出した。

だがハーレイは死んでおらず、なんとか立ち上がって拳銃を拾い上げた。

◆ リタは死亡した

リタはデイヴと会って海岸に来た。二人が出会った時と同様の状況である。

リタは最初に出会った時と同じように「どこから来たの?」と聞いた。

二人の背後からフラフラとハーレイが現れた。拳銃の引き金を引いた。

デイヴが倒れてリタが駆け寄った。今度はリタを撃った。

リタは行き絶え絶えに「どこから来たの?」と言った。デイヴはリタを抱きしめた。

リタもハーレイも息絶えた。
 


■ 出演作

◆ スターリング・ヘイドン
(1956)現金に体を張れ/The Killing
(1953)カンサス大平原/Kansas Pacific
(1952)虐殺の砂漠/HELLGATE
(1952)ゴールデン・ホークの復讐/The Golden Hawk
(1955)死闘の丘/Shotgun
(1954)三人の狙撃者:大統領暗殺計画/Suddenly

アン・バクスター
(1940)スワンプ・ウォーター/Swamp Water
(1953)青いガーディニア/The Blue Gardenia
(1950)彼女は二挺拳銃/A Ticket to Tomahawk
(1950)イヴの総て/All about Eve
(1952)人生模様/最後の一葉/O. Henry's Full House
(1956)十戒/The Ten Commandments
(1953)私は告白する/I Confess
(1946)剃刀の刃/THE RAZOR'S EDGE
(1952)ポーカー・フラットの追放者/The Outcasts of Poker Flat
(1946)地獄から来た天使/肩の上の天使/Angel on My Shoulder
(1948)幸福の森、アイルランドの妖精/The Luck of the Irish
(1944)婚約者の陰謀/スカートの中の悪魔/Guest in the House/Satan in Skirts
(1955)暴力には暴力だ/The Spoilers
(1952)妻の親友/My Wife's Best Friend
(1958)生きていた男/Chase a Crooked Shadow
(1954)カーニヴァル物語/Carnival Story
(1948)廃墟の群盗/Yellow Sky
(1955)悪徳:神学生と歌手/Bedevilled
(1942)ナチスからの逃亡:ドイツ占領下のフランス脱出/The Pied Piper
(1957)三人のあらくれ者/Three Violent People
(1948)ジェリコの壁/The Walls of Jericho