Suddenly

大統領暗殺を企む三人組が、大統領が到着する駅を見下ろす家に侵入し家族を人質に取った。
彼らは窓に狙撃銃を備え付けた。当地の保安官が訪ねて来て、保安官も撃たれて人質になった。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1954、監督:Lewis Allen、脚本:Richard Sale、原作:Active Duty(1943、Richard Sale)


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 トッド・ショー保安官(スターリング・ヘイドン)
 エレン・ベンソン(ナンシー・ゲイツ)
 ピーター・ベンソンIII(キム・チャーニー) エレンの息子、通称ピッジ
 ビーター・ヘンソン(ジェームズ・グリーソン) エレンの義父、通称ポップ
 ジャド・ホブソン(ジェームズ・オハラ) 修理屋

 ダン・カーニー(ウィリス・ボーシェイ) シークレットサーヴィス指揮官

 ジョン・バロン(フランク・シナトラ)
 手下二人(-)

せっかくスターリング・ヘイドンが出演しているのに、撃たれてケガをしたので活躍しないのは残念だな。代わりにエレンとピッジが活躍する。
 


■ あらすじ

◆ エレン・ベンソン

カリフォルニア州サドリの町。エレン・ベンソンは夫が死亡し、息子のピッジ、義理の父親のポップと暮らしている。

家は鉄道駅を間近に見下ろす丘の上。

エレンに対してトッド・ショー保安官がしきりにアプローチをかけているが、エレンは無視している。

なのでトッドは最近はピッジに機嫌を取っている。

◆ 大統領が来る

突然三人の男性が訪れた。FBIの捜査官と名乗り身分証明書を見せた。

用件は大統領を乗せた列車が当駅に停車し、大統領が駅に下りるので警戒をするためだとのこと。

一方トッドが町を歩いていると、ダン・カーニーというシークレット・サーヴィスの係官がやってきて「当駅に大統領が来るので警護に協力してほしい」との依頼を受けた。

◆ ジョン・バロン

ジョン・バロンは第二次大戦で手柄を立てた。銃の腕前は一流だった。だが他にとりえがない。人生の目標みたいなものを持たず、その場限りの人生を送っていた。

バロンは殺し屋家業を始めた。銃で相手を殺す、この楽しみに酔った。バロンの自尊心を満足させた。つまり彼はサイコである。

さて大仕事が舞い込んだ。大統領暗殺、報酬50万ドル。

大統領は列車に乗ってサドリの町に来る。列車から降りたところを射殺する、という計画。

バロンは手下二人を連れてサドリの町まで来た。駅前から見るとちょうどよい位置に一軒家が立っている。

三人はFBI捜査官を装って、その家を訪ねた。ヘンソン家の三人がいた。

◆ 狙撃銃を取り付けた

バロンたちは「大統領を危険に陥れる物がないか」と言って家の中をチェックを始めた。

もちろんバロンたちの本当の目的は、大統領を狙撃するために、この家を確保することである。

彼らが怪しい人物であることはすぐにばれた。彼らは家族を人質に取った。

そしてちょうど駅を見下ろす部屋に、金属製のテーブルを据えて、それに狙撃銃を取り付けて、照準を合わせた。

◆ トッドも人質になった

トッドはシークレットサーヴィスの要求に従って、周囲をチェックし始めた。そしてカーニーを伴ってベンソン家に来た。

バロンに指示されてエレンが玄関口に来た。トッドは大統領の訪問を知らせて「何か怪しいことはないか?」と訪ねた。バロンに脅されているので、エレンは適当な答えをする。

だがトッドが家の中が何かおかしなことに気がついた。中に入って三人と撃ち合いを演じた。

カーニーは射殺された。トッドは肩を撃たれて、バロンたちの人質となってしまった。

◆ 引き出しの拳銃

ポップがタンスの引き出しの中の拳銃を確認した。だがそのままにしておく。

突然ピッジが拳銃を持ってバロンを撃った。だが音がしただけ。実はオモチャの拳銃。

補足。この場面はピッジが引き出しにあった拳銃を使ったように、我々に誤解させるようにできている。

またキッチンでエレンが包丁を握ったが、バロンに阻止された。

そのようなことも取り混ぜながら、重苦しい雰囲気の中で時間が経過する。

◆ ジャド・ホブソンが訪問してきた

さてベンソン家のテレヴィはしばらく前に壊れていて、修理を依頼していた。

修理屋のジャド・ホブソンが訪問してきた。彼も人質となる。

また重苦しい雰囲気が継続する。

バロンは手下の一人を駅前に偵察に行かせた。だが彼は警察に怪しまれて、銃撃戦となり射殺された。

◆ オモチャ拳銃を本物と取り替えた

ポップは心臓病である。この緊張の中で心臓が苦しくなった。ピッジに薬をとつてきてくれるように頼んだ。

ピッジはオモチャの拳銃を持って別の部屋に行った。引き出しの中の薬を手に取った。

そこに本物の拳銃があるのを見つけた。ピッジは薬と本物の拳銃を持って戻った。

本物の拳銃はソファの前のテーブルにおかれた。ピッジは拳銃が本物であることをエレンとポップにこっそりと伝えた。

◆ ホブソンの作戦

ホブソンはテレヴィを修理すると言って、ケーブルに5000ボルトの電気が流れるように細工した。それを狙撃銃の金属テーブルの下に垂らした。

ポップは間違えたふりをして、そこに水をこぼした。バロンを感電死させようとする作戦である。

だが引っかかったのはもう一人の手下で、彼は感電死した。

怒ったバロンはホブソンを撃って床をきれいに拭かせた。

◆ バロンを撃った

ついに大統領の列車が到着する。バロンは狙撃銃の前に立って待ち構えた。列車が近づいてきた。

だが驚いたことに列車は速度を落とさずに駅を通過した。

これを見てバロンは天を仰いだ。

だがこの瞬間、エレンがテーブルの上の拳銃を掴んで、バロンを撃った。バロンは憎々し気な顔をして倒れた。

◆ ラスト

エレンとトッドはホブソンが運び込まれた病院に行った。

だがホブソンは助からなかった。

病院からでてきた二人は今度の日曜日、教会の礼拝の後で会うことを約束した。
 


■ 出演作

◆ スターリング・ヘイドン
(1956)現金に体を張れ/The Killing
(1953)カンサス大平原/Kansas Pacific
(1952)虐殺の砂漠/HELLGATE
(1952)ゴールデン・ホークの復讐/The Golden Hawk
(1955)死闘の丘/Shotgun