■ The House in the Square/I'll Never Forget You/Man of Two Worlds
実験物理学者のビーター・スタンディッシュは、雷撃を受けて200年近く前にタイムスリップし、先祖のビーター・スタンディッシュとなった。
ピーターが結婚したケイトに会った。しかし妹のヘレンに惹かれた。未来を変化させないためにケイトと付き合おうと努力したが無駄であった。ケイトから婚約を破棄された。
ビーターはささやかな実験室を作って実験した。しかしそれが怪しいことをしていると誤解されて、精神病院に入れられることになった。


製作年:1951、監督:Roy Ward Baker、脚本:Ranald MacDougall、原作:Berkeley Square(John L. Balderston)


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ビーター・スタンディッシュ(タイロン・パワー) 実験物理学者
 ロジャー・フォーサイト(マイケル・レニー) ビーターの同僚
 マーサ・フォーサイト(アン・ブライス:二役) ロジャーの妹

 ヘレン・ペティグレム(アン・ブライス:二役)
 ケイト・ペティグレム(ベアトリス・キャンベル) 姉
 トム・ペティグレム(デニス・プライス) 父親
 アン・ペティグレム(アイリーン・ブローン) 母親
 デヴォンショア公爵夫人(キャスリーン・バイロン)
 Mr.スローストル(レイモンド・ハントレー)

The House in the Square
 


■ あらすじ

◆ ビーター・スタンディッシュ

アメリカの実験物理学者ビーター・スタンディッシュは、現在はロンドンに来て研究をしている。

かって先祖が住んでいたバークレー・スクエアの屋敷に一人で住んでいる。

物理学の実験というものは巨大化していて、昔とは違ってマネージャーの下に幾人もの科学者、さらに多くの助手が実験に従事している。

◆ 雷に打たれた

ある日、ビーターは同僚のロジャー・フォーサイトの車に乗って帰った。

ロジャーはビーターが一人で暮らしており、またもともとが他人と打ち解けない性格のため、ビーターのことを心配している。

ビーターの屋敷まで来た。ピーターはロジャーに屋敷の中を案内した。一通り案内して玄関に来ると雨が降っていた。かなり激しい雨である。

ロジャーに手を振って、玄関のドアに手をかけた。そのとたんビーターは雷に撃たれた。

起き上がってドアを開けて中に入った。

◆ 過去にスリップした

ドアを開けた。屋敷の構造は元のままだったが、中の調度品が違う。自分の服が昔風の服に変わっているのに気がついた。

誰も住んでいないはずなのに女性が二人現れた。女性も昔風の服をしている。そして昔風に膝を曲げてあいさつした。

ピーターは、自分が初代のビーター・スタンディッシュになっているのに気がついた。200年近く前である。

現れた女性はビーターの従姉妹のケイト・ペティグレムとその母親のアン・ペティグレムであった。

ビーターは自分がケイトと結婚したことを思い出した。

◆ ヘレンと会った

ケイトに惹かれたのは当然の成り行きであった。ケイトの姉妹のヘレンに会った。なぜかビーターはヘレンのことを知らなかった。

ビーターはこの時代に突然現れたので、いろいろとトンチンカンなことをやらかした。みんなはそれを不思議に思った。

しかしそのようなビーターに対してヘレンだけは落ち着いた対応をした。

そしてヘレンに惹かれて行った。ピーターは物理学者なので「過去ののビーターと違ったことをしたら、未来が変わってしまう」と認識することができた。

なのでケイトと付き合おうとしたが、どうしてもヘレンに惹かれていく。

◆ 自分の検収書を作った

ビーターは屋敷とは別の場所にささやかな自分の研究所を作った。そこにヘレンを連れて行って、実験を見せた。

もちろん元の時代に比較すれば、機材は貧弱なものなので、できることは限られたが、ヘレンは興味を持ったようである。

ピーターはヘレンに「自分は未来から来た」ことを話した。ヘレンはそれを受け入れた。ヘレンにはこのことを他人に秘密にするように頼んだ。

このようなことで二人は一層親密になった。また実験室だけではなく、他のいろいろなところに出かけた。

◆ 社会の状況

研究室に行ったり、ヘレンと街を歩いたりすると、貴族の社会とは違って、社会には貧困、不健康、不平等が蔓延していることを発見した。

どうすることもできないが、それでビーターの感受性を傷つけられた。

◆ ケイとの関係

ヘレンだけではなく、他の人との関係も続いていく。二人の母親のアン、デヴォンショア公爵夫人など。

パーティもしばしば催される。当然ケイトとも踊る。

ケイトとは婚約している仲であるが、ケイトもビーターから心が離れているようである。ついにケイトは「ビーターとは結婚しない」と宣言した。

◆ ビーターは精神病院へ

さて、ビーターが秘密の研究所を持っていることが知られた。もちろん何らおかしなことをしているものではない。

ただ時代の水準よりも進んだことはしている。それが影響したのか?あるいは単に「こいつは怪しい」と睨まれただけなのかは不明である。

警官たちが来て、実験器具を破壊した。そしてビーターは精神病院に入れられることになった。

ヘレンはビーターへ自分のことを思い出してもらうためにアンサタ十字架/古代のエジプトのコプト教会の十字架をビーターの部屋に置いた。

ビーターは、十字架を受け取るために自宅に走るが、十字架を取る前に捕まって連れ去られた。

玄関を出たところで雷に打たれた。

◆ 現在に戻った。

ピーターは玄関のドアを開けて中に入った。やはり屋敷の構造は同じだが調度品は20世紀のものだった。ピーターが着ている服も元に戻った。

自分の部屋の机を探すとヘレンから送られた十字架が見つかった。

ロジャーが訪ねてきた。彼はピーターが七週間の間には狂人のように振舞っていたと述べた。

ロジャーは妹のマーサを連れて来ていた。マーサはヘレンに酷似していた。
 


■ 出演作

タイロン・パワー
(1939)地獄への道/Jesse James
(1941)血と砂/Blood and Sand
(1947)悪魔の往く町/Nightmare alley
(1953)ミシシッピーの賭博師/The Mississippi Gambler
(1948)征服への道/Captain from Casile
(1951)狙われた駅馬車/Rawhide
(1942)海の征服者/THE BLACK SWAN
(1946)剃刀の刃/THE RAZOR'S EDGE
(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young
(1942)激闘/ベンジャミンの復讐

◆ マイケル・レニー
(1945)シーザーとクレオパトラ/Caesar and Cleopatra
(1953)聖衣/The Robe
(1954)ディミトリアスと闘士/Demetrius and the Gladiators
(1954)デジレ・クラリー/Desiree
(1957)日の当たる島/Island in the Sun