■ Frenchman's Creek/1944年


製作:1944年、原作:若き人妻の恋(ダフニ・デュ・モーリエ)、脚本:タルボット・ジェニングス、監督:ミッチェル・ライゼン


■ あらすじのあらすじ

ドナは夫と喧嘩をしてナブロンの別荘に来た。そこでジャンと言うフランス人の海賊に出会った。

ドナはジャンたちの作戦に参加した。このままジャンと一緒に暮らすべきかを迷った。

夫も別荘に来て他の貴族たちと一緒にジャンたちを罠にかけてジャンを捕らえた。

ドナは牢獄に侵入してジャンを解放した。
 


■ はじめに

ジョーン・フォンテインが海賊映画に出演するとは意外。だが海に近い別荘に行って海賊に出会って恋をするというのは、いかにもメロドラマ風。しかし本作ではジョーンにしては、わりと荒っぽいことをする。断崖を上る/下りる、イスや鎧を持ち上げて投げつける、ナイフで刺す、船に乗り込もうとする敵を殴って海に落とす。

本作にはダフネ・デュ・モーリアの原作がある。また同じくジョーンが出演した「レベッカ/Rebecca(1938)」も彼女の原作である。

登場人物(キャスト)
 ドナ・セント・コロム(ジョーン・フォンテイン)
 ハリー・セント・コロム(ラルフ・フォーブス) ドナの夫
 ジャン・オーブリー(アルトゥーロ・デ・コルドヴァ) フランス人の海賊
 ロッキンガム卿(ベイジル・ラスボーン) ハリーの知人
 ゴドルフィン卿(ナイジェル・ブルース) ロッキンガムの従兄弟、妻が妊娠中
 ラッシュレイ卿(?) ゴドルフィンの義兄
 ウイリアム(セシル・ケラウェイ) 別荘の使用人
 ピエール・ブラン(ビリー・ダニエルズ) ジャンの部下

設定は1868年、イギリス。
 


■ あらすじ

◆ ナブロンの別荘へ

ドナは結婚して八年、子供が二人いて、今年30歳。このところドナとハリーの小競り合いが続いている。ちなみに本作時ジョーンは26歳。

原因は、主にロッキンガム卿の件。ハリーはロッキンガムと仲が良く、しょっちゅうパーティなどを開いている。ドナはそれに駆り出される。そしてロッキンガムはやたらとドナになれなれしい。ドナが嫌がっても気にしていない。ハリーもそれに注意しない。

今日もパーティに駆り出されたが、ドナは怒って途中で帰ってきた。

ハリーが夜遅く帰宅すると、何人かの作業者がドナの荷物を持ち出している。びっくりしてドナに聞くと「ナブロンに行く」とのこと。決意は固いようである。

ナブロンはロンドンから馬車で数日の距離の海岸地帯で、コロム家の別荘がある。

ドナは「あなたの命令に従うのは今日で終わり」と宣言して、子供二人を連れて馬車で出発した。

◆ ナブロンに到着

美しい景色の田園地帯を通り抜けてナブロンの別荘に到着した。海のすぐ近くである。五年前までハリーと一緒に住んでいた。

昔からいた使用人はおらず、ウイリアムと言う新しい使用人が迎えた。昔の使用人は死亡したそうである。注、使用人は他にもいる。そして使っていなかった別荘にずっと使用人を雇っていた。

ウイリアムは突然の訪問に驚いたようである。使っていなかったので別荘はわりと整備がされてなく、ドナは命令口調で指示をした。そして「今度は長くいる」と言った。

しかしウイリアムはとても気が利いていて、ドナはすぐにウイリアムを信頼した。

ベッドにドタンと転がると、昔の感情がよみがえってきた。壁に飾ってある自分の肖像画を眺めて、もう一人の自分に話しかけた。

ベッドの横にある棚をみると灰皿があった。ドナが使ったものではない。またフランス語の薄い本が置いてあった。このベッドを誰かが使っていたようである。

◆ ピクニック

次の日は子供を連れて、海のそばにピクニックに行った。後でウイリアムが弁当を届けるそうである。ここもコロム家の土地である。

子供と遊んでいるとゴドルフィン卿が訪ねてきた。妻が妊娠中だそうである。そして「このあたりにはフランス人の海賊がいる」と話した。「本物の海賊なの?」と聞く。「ハリーにも対処するように伝えてくれ」と話した。

ゴドルフィンが帰ってウイリアムが来た。しばらくウイリアムと話すが、ドナはウイリアムと話が合うようである。

ウイリアムはドナに「(ドナは)私の前の主人と気が合う」と話した。今回はハリーが来ないと話すと「今しか逃げる時はない」と意味深な言葉を吐く。

ウイリアムが帰り、子供と入り江を見てから屋敷に戻った。

◆ 口笛が聞こえる

夜、ベッドにいると外から口笛が聞こえた。外を見ると屋敷に通じる斜面を誰かが上ってくる。

ウイリアムが走り出て、その人物の前に出て話をすると、その人物は帰っていった。

◆ 海賊船に連れ込まれた

次の日の朝、ドナは一人で入り江に出かけた。船が停泊している。

ドナの後ろから男が近づいてきた。その男はマントをドナに被せた。後ほどこの男はピエールという名前だとわかる。

船の中でマントが取られた。ドナの前で男が鳥の絵を描いていた。「(入り江に)不法侵入よ」と言ったが落ち着いた顔をしている。ジャン。

ジャンは灰皿を出した。ドナはジャンが寝室を使った人物だと気がつく。「肖像画に聞いて許可をもらった」「許可はしてない」「(肖像画の)君は優雅にうなづいた」と応酬するが、ドナはむしろジャンに親しみを感じた。

船員は歌を歌ったりして、割とゆったりとした雰囲気でくつろいでいる。船の名前は「ラ・ムエット(カモメ)」号。

「昼過ぎにお茶を飲みに行っていいか?」「海賊は夜に来るものよ。料理をごちそうするわ」との会話をして、ドナは船を下りた。

船員がみんなで見送った。

◆ ジャンが屋敷を訪問する

屋敷に帰ってジャンをもてなす準備をした。ウイリアムに話すとウイリアムはジャンが来ることを予期していて、料理などの準備をしていた。「あなたの目が語っていた」。

ドナは「彼は結婚はしてないの?」と口走り「どんな服がいいかしら」とドレスを選ぶ。

ジャンが来た。ドナは玄関で迎えた。

ジャンは普通の社会生活に耐えられなくなって海賊になった。しかし海賊は科学のように緻密であり、そしてまたエクサイティングであるというような話をした。

ドナが「付近の女が海賊を怖がっている」という話をすると「女たちは私の部下にほれ込む」「退屈な生活に飽いている女性も多い」と答えた。

ドナはピアノを弾き、ジャンはドナの絵を描いた。

ドナ: 「よく描けてるわ」
ジャン:「私が恋した壁の絵の人物とは別人」
ドナ: 「私も壁の絵の方が好きよ」

ドナ: 「夫婦の片方が相手を思っていないとしたら?」
ジャン:「なぜ結婚した」
ドナ: 「ハリーは楽しかった」
ジャン:「今は?」

ジャンは船に来るように誘う。

補足。まだこの時点では明らかにされないが、ウイリアムの言う「前の主人」は実はジャンのこと。

◆ バーティ → カモメ

昼間ゴドルフィン邸でパーティが開かれる。他の人もいっぱい来ている。また海賊の話をしている。

ドナはバーティが終わってウイリアムと馬車で待ち合わせ場所に行く。森の中でバーティ服から着替える。これも割と長いヒラヒラのスカートだけど。

「夜10時に迎えに来て」と言ってウイリアムと別れる。ピエールが迎えに来ている。

ジャンと海を見下ろす森の中で話す。「私はいろんなところで威張り散らす女よ」「そのようなドナはいない」。

海賊退治の話をしていたことを言うがジャンはあまり気にしていない「用心して頂戴」。

ジャンは「そろそろ出航する」と言う。

ゴドルフィンの義兄のラッシュレイがフランスから奪った船を取り戻すつもりらしい。

「君が男だったら、一緒に」「私も行かせて」。ここで「ドナが船酔いするか否か」で賭けをする。ドナはルビーのイヤリングを賭ける。ジャンはドナに何をかけてほしいかを聞くと「ゴドルフィンのかつら」と答える。

◆ 作戦を開始する

ドナは屋敷に戻って、次の日出かける、でも船に乗るような服装ではなく、また長いスカート。ウイリアムに頼んで「熱があって寝ている」ことにする。

ピエールが迎えに来ていたので一緒に船に乗る。みんなが歌を歌いながら作業をする。出航。ボートでカモメを引っ張ってもらう。その後に帆を上げた。

ゴドルフィンの義兄ラッシュレイはフランスでメリー・フォーチュン号を盗み、それでインドに行き、大金を儲けた。その船と積み荷を奪い取る。

目的の場所は湾があり海から見て左側はストレートに奥まで続いている。入り口近くに要塞があり、その奥に港があり、斜面を上ると屋敷や町がある。ラッシュレイの屋敷もここ。湾の右側は岬があって、その奥は深く入り込んでいる。

作戦。湾の正面から入っていくと要塞があるので危険。岬に上陸して横断して湾の中に入る。それから港まで泳いでいく。

ドナの任務。岬に上陸して湾の中に入るまでは同じ。それからボートに乗って港に行き、上陸してラッシュレイの屋敷に行ってラッシュレイを港まで呼び出すこと。注、ラッシュレイを港まで呼び出す作戦の必然性はないように思われる。ここはドナ=ジョーンの活躍場面を提供するためと思われる。

ジャンはドナの決意を確認する。「船に残るか?」「行きたいわ」。ドナはスボンに着替えて、髪をスカーフでまとめて、ナイフを持った。注、ナイフは後ほどボートのロープの切断に使用する。

ドナはみんなと一緒に岬に上陸した。急な崖を上り、さらに急な崖を下りて湾の内側に来た。ここで風向きが変わったので、ジャンはもう一度ドナの決意を確認する。注、風向きが変わったので乗っ取った船で湾外に離脱する時に危険が増えるから。

みんなは海に入って泳いで港まで行く。

◆ ドナの活躍

ドナはそこにあったボートでピエールとターゲットの港に着く。一人で斜面を上ってラッシュレイの屋敷に走る。

ラッシュレイの屋敷に行って「船が危ないので船へ行ってください」と伝えた。「君はトーマスの息子のジムか?」と聞かれたので「はい」と答えた。引き留められるので「母が病気」と言って帰ろうとしたが「ジムの母親は10年前に死んだ」。ドナは逃げて走って港に下りた。

ともかくラッシュレイはゴドルフィンを誘って港に下りて行ったが、途中でメリー・フォーチュン号が動き出したのを見て慌てた。トーマスではなく、他のものがメリー・フォーチュン号を動かしている。

ドナは港に戻った。ラッシュレイの指示で部下が動き出している。ボートがいくつも繋いであるので、(持ってきたナイフで)ロープを切って桟橋から離れさせた。自分もボートに乗って離れた。

ドナのボートは追跡されてひっくり返りドナは水の中。ジャンの部下がボートを出す。ドナは泳ぎ着いてボートに乗った。ドナを捕らえようとする敵を殴って海に落とした。ラッシュレイは「あの少年(ドナ)がロープを切った」と叫んでいる。

ドナはメリー・フォーチュン号に乗り込んだ。ラッシュレイやゴドルフィンが乗ったボートが迫ってきた。ジャンはゴドルフィンの頭からかつらを剣で引っかけて奪った。

敵から砲撃がなされたが、メリー・フォーチュン号は逃げ切った。

ここで緊張が取れたのか、ドナは酔って吐いた。注、これでドナはジャンとの賭けに負けた。ルビーのイヤリングを差し出す必要がある。

◆ これからどうする?

メリー・フォーチュン号では目的を達成して大騒ぎである。

ドナは、やっと目を覚ました。酔って吐いてから眠っていた。ジャンが食事を持って入ってきた。「イヤリングは残念だわ」と言ったが「冒険を終えてほっとした」。

「いつまでいるの?」「家に帰りたい?」「聞いただけ。これから何をするの?」。

コロム家の入り江を見下ろす場所に戻ってきた。ドナは元のドレスに着替えている。二人はキスをするが、ドナ(とジャン)はこれからどうするかを決めかねている。

二人の話はずっと堂々巡りをする。ドナは、このままジャンと一緒に暮らすのか?二人とも悩んでいる。「願えば、この日々は永遠」「別の仕事(子供を育てること)がある」「いや、このまま生きるのよ」。

◆ ドナは戻った

ドナは屋敷に戻ってきた。ウイリアムが迎えた。そして昨夜ハリーとロッキンガムが来たことを知った。ハリーと子供に会った。ハリーはウイリアムの工作通りにドナが体調が悪くて寝ていたと思っているようである。ロッキンガムとドナはまた小競り合いをした。

ハリーたちがここに来た理由の一つは海賊の件である。集まって作戦を練るらしい。そしてゴドルフィンとラッシュレイがコロム家に来る。

さてみんなが集合して「海賊に罠をかける」という話をしている。すでに兵は集めてあり、会合が終了後、指令を出すことになっている。

ドナはウイリアムに、この陰謀を話して「カモメは日が暮れる前に出航するので大丈夫」と言ったが、ウイリアムは「カモメは送水管の故障で出航が遅れる」と言った。

ウイリアムは、これを知らせに入り江に向かったが、途中で撃たれて倒れた。しかしそれでもウイリアムは入り江に向かった。

ドナはラッシュレイに顔を見られているので、会合に出席したくないといったが、結局出席することになる。

ウイリアムが傷ついて戻ってきた。ドナはある部屋にウイリアムを匿う。

ラッシュレイと挨拶をすると「この声はどこかで聞いた」と言い出した。「再会できるなんて幸運だわ」と適当にごまかすが、ラッシュレイはわりとしつこく追及してくる。「あの少年の声だ」。

結局ラッシュレイは、他の参加者からも嫌われて、その話を制止された。ドナは歌を歌いながら籠を持ってオレンジを配って回った。「オレンジ売りが王の女になった」。

◆ ジャンたちが襲撃してくる

ウイリアムの通報を受けてジャンと部下が侵入してきた。使用人たちは配膳室に閉じ込められた。

そしてジャンが入ってきた。「ジャン・オーブリーだ」。ここではウイリアムもジャンたちの一員として行動している。

一人一人から武器と宝石を取り上げていく。ジャンはドナに「ルビーを貰おう」という。注、でもその前に渡しているのでは?

ジャンとドナが意味深な話をするので、他の人は不思議そうな顔をする。

みんなを二階の部屋に閉じ込めてジャンたちは出ていく。注、もちろんドナは閉じ込められない。

ジャンが出ていく前に、ドナとジャンは先日話したような、堂々巡りの話をする。結論は前と同じである。

◆ ロッキンガムが...

ジャンが出ていくとロッキンガムが入ってきた。ジャンとドナの会話を聞いていたようである。

彼らは二階に閉じ込められたのだが、脱出できる窓を見つけたとのこと。他の人間は、予定通りに入り江の方に向かって行った。ロッキンガムだけが残った。

ロッキンガムはドナとジャンとの関係を疑っていた。ドナとジャンとの話し方、ウイリアムの行動。ロッキンガムは「すべて理解した」と言った。

「投獄されるぞ」と言われたが、ドナはむしろ居直りの雰囲気。

ロッキンガムは単にドナとジャンとの関係を疑っていたというわけではなく、ドナに下心を持っていた。

ロッキンガムが迫ってきた。ドナは水をかけた。ドナを捕らえようとした。ドナは逃げてイスを抱えて投げつけた。ロッキンガムは倒れたが起き上がって、ドナに抱き着きテーブルの上に押し倒した。ドナはナイフを持って脇腹を突き刺した。ロッキンガムは床に倒れた。

ドナは階段を上がって逃げた。しかし躓いて倒れた。ロッキンガムは傷を負いながらもドナを追いかけてくる。ドナは階段の途中に置いてあった鎧を持ち上げて、迫ってくるロッキンガムに投げつけた。ロッキンガムは階段の下に転げ落ちて動かなくなった。

ここで子供が起きてきて泣いている声が聞こえた。それと大砲の音が聞こえてきた。

◆ ジャンが捕らわれた

一方入り江では、ジャンたちが襲われていた。ジャンは剣を振り回しながら部下にカモメに戻るように指示した。

最後にジャンが残った。ジャンは出航するように叫んだ。部下は躊躇するが、再度ジャンが指示したので、カモメは出航した。

ジャンはカモメが出航したのを確認して剣を捨てた。捕らえられた。

◆ ハリーが戻ってきた

ハリーが戻ってきて、ロッキンガムの死体を発見する。ハリーは「海賊がロッキンガムを殺した」と判断する。

ドナは「私が殺した」と言って事情を説明した。これまでのことも含めてハリーは「私のせいだ。許してくれ」と謝った。

そしてハリーは「海賊のリーダーを捕らえた。ゴドルフィンの屋敷」と伝えた。

ハリーは引き留めるが、ドナは飛び出してゴドルフィンの屋敷に急いだ。

◆ ジャンに面会する

ドナはゴドルフィンの屋敷に行って、ジャンに面会した。ジャンはゴドルフィンの屋敷の二階にある牢獄に捕らわれていた。

ドナはゴドルフィンとともに中に入っていった。ジャンは中で足枷をつけられているが絵を描いている。ドナが声をかけてもしばらく気がつかない。

ジャンが描いていたのは「翼のないカモメ」。ジャンとドナは話すが、ジャンは悟っているようで、深刻な顔をしていない。

さてゴドルフィンの妻の出産が近づいているので、ゴドルフィンは二人をおいて出て行ってしまう。

ここでジャンがもし足枷をつけられていなければ、助け出すことができるが、それはできない。

ドナも外に出た。

◆ ジャンを助ける

ここでウイリアムと協力してジャンを助け出すのだが、ここのストーリーは若干曖昧である。簡単に言えばゴドルフィンを誘い出して、足枷のカギを盗んで、ジャンを牢屋からだすという手順。

注、先にゴドルフィンは牢屋から出て行っているので、牢屋自体のカギはかかっていない(ように思える)。牢屋は屋敷の二階(or三階)にあるので一階に人がいない状態にする必要がある。それと赤ん坊はゴドルフィンの屋敷ではなく、他の場所で生まれる。

ウイリアムが医者に変装してゴドルフィンを誘い出す。ドナがゴドルフィンの部屋に忍び込んでカギを盗む。注、この時ドナは少年に変装する。必要がないと思うが。

◆ 入り江

例の入り江でジャンとドナが話す。ここでの話も、前と同じで堂々巡りの話である。この映画はメロドラマでもあるので、ここのまとまらない話も重要ではあるが。

けっきょくドナはこの地に残り、ジャンはカモメに乗り込む。注、ウイリアムもジョンと一緒に去っていく。
 


■ 補足

◆ 「もうそろそろ終わりかな?」

本作は、残り時間を確認しないで見ていると「もうそろそろ終わりかな?」と思える場所が三か所ある。最後は本当に終わる。

その場所は、ドナ(とジャン)が今後どうするか話すところ。結局ドナには子供がいるので、捨てられないという結論になる。

◆ 「ドナはどこにいる?」

ドナとジャンの間で、何度かこのような会話がなされる。その場にドナはいるので、「素直な解答」は明白。

解答はほぼ同じようなもので「ベッドで寝ている」「熱を出している」など。

これは、「今のドナは、今までのドナとは違う」ということを言っている。

◆ ゴドルフィンのかつら

「ドナが船酔いするか?」ということでドナとジャンは賭けをして、ドナが勝った場合は、ジャンはゴドルフィンのかつらを持ってこなければならないことになった。

このかつらは何?当時のイギリス貴族は正式な場面では、長い髪のかつらを被る。

このかつらのことを言っているのかと思ったが、そうではないようである。ゴドルフィンは頭が剥げており、通常でもかつらを被っている。剥げているのはジャンがかつらを奪った時に分かる。

またドナがナブロンに来て、ゴドルフィンが訪ねてきた先も、ジャンがかつらを奪った時も被っていた。

なので正式な時に被るかつらのことではないようである。

注、ハリーは剥げてないが、別荘でみんなが集まったときに長い髪のかつらをつける。
 


■ 蛇足

別荘はナブロンというところにあるが、ドナがナブロンに行く時に途中で五日間走ったと言っている。フランス海賊が出没するところなので、イギリスの南海岸にあるものと思うが、五日間というのは、ゆっくり走るにしてもかなりの距離である。検索してみたが「ナブロン」は発見できなかった。

岬に漕いでいったボートの回収はどうしたのか?回答は、それぞれのボートに一人ずつ残っている。


■ 出演作

ジョーン・フォンテイン
(1940)レベッカ/Rebecca
(1941)断崖/Suspicion
(1950)旅愁/September Affair
(1951)生まれながらの悪女/Born to Be Bad
(1961)地球の危機/Voyage to the Bottom of the Sea
(1953)二重結婚者/The Bigamist
(1948)忘れじの面影/Letter from an Unknown Woman
(1944)情炎の海/Frenchman's Creek

◆ アルトゥーロ・デ・コルドヴァ
「誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls(1943)」

◆ ベイジル・ラスボーン
「海賊ブラッド/Captain Blood(1935)」
「ロビンフッドの冒険/The Adventures of Robin Hood(1938)」

◆ ナイジェル・ブルース
「進め龍騎兵/The Charge of the Light Brigade(1936)」

◆ セシル・ケラウェイ
「嵐が丘/Wuthering Heights(1939)」
「月光の女/The Letter(1940)」
「奥様は魔女/I Married a Witch(1942)」
「ふるえて眠れ/Hush… Hush, Sweet Charlotte(1964)」