■ The Adventures Of Marco Polo
ヴェニス商人の息子マルコ・ポーロは父親の指示で東洋との通商路を確立するために北京に来た。
皇帝のフビライ・ハンに気に入られたが、フビライ・ハンは日本征服のために出征した。また娘のクカチン姫は結婚のためにペルシャにいくことになっていた。
この機会に宰相アーメドは帝国を乗っ取り、クカチン姫を妻にしようとした。マルコもカイドゥの元に追いやられた。
帝国の実権はアーメドに握られた。この状況をクカチン姫は鷲を使ってマルコとカイドゥに知らせた。マルコとカイドゥは北京に向かった。


製作年:1938、監督:Archie Mayo、John Ford、脚本:N.A. Pogson、Robert E. Sherwood


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 マルコ・ポーロ(ゲイリー・クーパー) 主人公
 ニコロ・ポーロ(ヘンリー・コルカー) 父親、ヴェニスの貿易商
 ビングッチオ(Ernest Truex) 使用人、マルコと一緒に旅

 フビライ・ハン(ジョージ・バービア) 皇帝
 クカチン姫(シグリッド・ギュリー) 娘
 ヴィシャカ(ロータス・リュー) クチカン姫のメイド
 アーメド(ベイジル・ラスボーン) 宰相、サラセン人
 トクタイ(Harold Huber) アーメドの手下
 バヤン(Stanley Fields) アーメドの手下

 チェン・ツウ(H.B. Warner) 爆竹業者
 ペルシャ大使(Ferdinand Gottschalk)
 カイドゥ(アラン・ヘイル) タタール人、部族の長、フビライ・ハンの親戚
 ナザマ(ビニー・バーンズ) 妻
 ナザマのメイド(ラナ・ターナー)

こんなところにビニー・バーンズとラナ・ターナーが出演しているのが笑える。
 


■ あらすじ

◆ マルコ・ポーロは北京へ

ヴェニスの貿易商のニコロ・ポーロは東洋と貿易をして、その商品を輸入すれば、大きな利益になると考えた。

ニコロは息子のマルコと従者のビングッチオを北京に派遣した。皇帝のフビライ・ハンに宛てた手紙を持たせた。

二人は地中海からペルシャの砂漠、ティベットの山を越えて旅をした。大きな困難が二人を襲ったが、やっとのことで北京に到着した。

◆ チェン・ツウに出会う

マルコは爆竹業者のチェン・ツウに出会った。またチェン・ツウは立派な人格者であり、子供たちや町の人々にも学問を教えているような人物であった。

マルコはチェン・ツウの家に招かれて食事をして、この街の状況やフビライ・ハンのことについて知識を得た。

爆竹に使う火薬を見て、武器として使えると判断した。

異邦人のマルコが潜入していることは、すでに知られており、フビライ・ハンに報告が上がった。フビライ・ハンはマルコを宮殿に連れてくるように命令した。

◆ クカチン姫に会う

マルコは宮殿に連れてこられたが、謁見の前に中を散策していると、美しい女性を見かけた。

二人は話して好意を持ったが、マルコはその女性がクカチン姫であることを知らなかった。

クカチン姫はペルシャ王との結婚のために、後ほどペルシャに向かって出発することになっていた。

◆ 日本遠征とアーメドの陰謀

マルコはフビライ・ハンに謁見した。そこで先ほど出会った女性が王女であることを知った。

フビライ・ハンはマルコを気に入ったようである。

ところでフビライ・ハンは日本征服のために自ら大軍を率いて遠征する予定である。

宰相のアーメドは遠征隊が海上で台風に襲われフビライ・ハンが死亡するものと考えた。

そして自分が皇帝となり、クカチン姫を妻にしようと画策していた。

クカチン姫が出会ったばかりではあるが、マルコに好意をよせていることから、マルコを西方のカイドゥの元へ派遣するように進言した。またペルシャ大使を殺害も計画した。

フビライ・ハンは後をアーメドに任せて遠征に出発した。マルコはカイドゥの領地に向けて出発した。この事態にクカチン姫はオロオロと心配した。

◆ マルコはまたモテモテ状態

マルコは険しい山道を通ってカイドゥの元へ辿り着いた。

みなさんにカイドゥのことをばらしておくと、カイドゥは恐妻家であって、妻のナザマに頭が上がらない。そしてナザマのメイド(名前不明)と浮気をしている。

ナザマはマルコを見てさっそく気に入ったようである。ナザマはマルコにアプローチした。マルコはクカチン姫と同様に、モテモテ状態となった。

実はカイドゥもこれを歓迎した。マルコにナザマを誘惑するように勧めた。自分も心置きなく浮気できるからである。

◆ アーメドが謀反を起こした

さて北京に「フビライ・ハンの日本遠征が失敗した」との情報がもたらされた。

アーメドは好機到来とばかりに一気に行動に出た。すでに宮殿は自分がコントロールしている。クカチン姫に「お前の父親は死亡した。今度は俺が皇帝だ。俺の妻になれ」と命令した。

だがフビライ・ハンは戻って来た。しかし連れて来た軍勢はごくわずかである。他は台風で滅ぼされた。

アーメドはフビライ・ハンを捕らえて皇帝の地位を要求した。フビライ・ハンは拒否したが、クカチン姫に剣が突き付けられると書類にサインせざるを得なかった。

クカチン姫は、この状況を知らせる手紙を書いて鷲の足につけて、カイドゥの元へ飛ばした。

◆ 北京へ進軍する

カイドゥとマルコは事態を把握した。マルコはすぐにでも北京に戻りたかったが、カイドゥは許さなかった。理由は自分の浮気問題である。

そこでマルコは偽計を謀る。ここにいるアーメドの手下トクタイを騙してカイドゥの暗殺をそそのかした。トクタイが剣でカイドゥに切りかかったところを阻止して恩を売った。

それでマルコは北京に戻ることを許される。マルコは北京に急いだ。カイドゥ軍も北京に向けて進軍した。

◆ 壮絶な戦い

ここでマルコ+カイドゥ軍とアーメド軍の最後の壮絶な戦いが展開されるのだが要約となる。

まず宮殿の構造。宮殿は全体が高い塀に囲まれている。一部に城門がある。塀の中に複数の建物がある。一番中心となる建物は濠に囲まれており、跳ね橋で他と連絡するようになっている。危急時には跳ね橋が上げられる。

マルコはまずチェン・ツウのところに行って、大量の爆竹=火薬を調達し城門から持ち込んだ。

カイドゥ軍が進出してきた。アーメドは「城門を開けておけ」と指示する。

カイドゥ軍が城門を通る。先頭部分が通過した時に城門が閉められた。カイドゥと一部の部下が孤立した。

そこで城門内のカイドゥ軍に一斉攻撃が加えられた。絶体絶命の危機。

だがここでマルコが火薬を使って城門を爆破した。カイドゥ軍の本隊が雪崩れ込んできた。激しい戦いが展開された。次第にカイドゥ軍が優勢となる。

不利と見たアーメドは跳ね橋を上げた。しかし直前にマルコは跳ね橋にしがみついて宮殿中心の建物に侵入した。

そこではアーメドとクカチン姫の結婚式が行われようとしていた。

マルコとアーメドは戦ったが、アーメドは獅子がいる部屋に転落した。

◆ ペルシャに向けて出発

フビライ・ハンは復権した。ニコロ・ポーロとの交易も承認された。

そしてクカチン姫がペルシャに向けて出発する時が来た。マルコも同行する。

マルコは「できるだけゆっくりとペルシャに行こう」と言って二人は出発する。
 


■ 出演作

◆ ベイジル・ラスボーン
(1935)海賊ブラッド/Captain Blood
(1938)ロビンフッドの冒険/The Adventures of Robin Hood
(1944)情炎の海/Frenchman's Creek
(1935)嵐の三色旗/二都物語/A Tale of Two Cities
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo

◆ ラナ・ターナー
(1941)ジキル博士とハイド氏/Dr. Jekyll and Mr. Hyde
(1946)郵便配達は二度ベルを鳴らす/The Postman Always Rings Twice
(1941)無法街/Honky Tonk
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo

◆ ビニー・バーンズ
(1949)地中海の虎/The Pirates of Capr
(1936)モヒカン族の最後/The Last of the Mohicans
(1945)海賊バラクーダ/THE SPANISH MAIN
(1953)デカメロン夜話(海賊パガニノ、道徳の賭け、医師の娘)/Decameron Nights
(1954)マラガ/Malaga
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo

ゲイリー・クーパー
モロッコ/Morocco(1930)
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
真昼の決闘/High Noon(1952)
(1941)群衆/Meet John Doe
(1932)武器よさらば/戦場よさらば/A Farewell to Arms
西部の男/The Westerner(1940)
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1954)悪の花園/Garden of Evil
(1935)永遠に愛せよ/PETER IBBETSON
(1935)オペラハット/Mr. Deeds Goes to Town
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo