■ The Lady Pays Off
マジメ教師のイヴリンは、何の風の吹き回しかラス・ヴェガスに行ってルーレットをした。
7000ドルの負けとなり支払うことができない。それを知ったカジノのオーナーのマットは「自分の娘ダイアンの家庭教師に」と提案した。
イヴリンはダイアンと仲良くなり、またマットとも近づいた。しかしある日女性が訪ねて来てマットに抱き着いた。
さらにダイアンが行方不明になったっ!


製作年:1951、監督:Douglas Sirk、脚本:Albert J. Cohen、Frank Gill, Jr.


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 イヴリン・ワーレン(リンダ・ダーネル) 教師
 マット・ブラドック(スティーヴン・マクナリー) カジノオーナー
 ダイアン・ブラドック(ジジ・ペルー) マットの娘、9歳
 マリー(アン・コーディー) ブラドック家のメイド
 ミニー(Lynne Hunter) ブラドック家のメイド
 タイガー(?) ブラドック家の犬
 ケイ・ストッダード(ヴァージニア・フィールド) マットの恋人?

「タイガー」という勇ましい名前だが小さい犬。

イヴリンと鏡に映ったイヴリンが対話する場面がある。イヴリンが意見を述べると鏡のイヴリンが違う意見を述べる。鏡像だがイヴリンと異なる動作をする。
 


■ あらすじ

◆ イヴリン・ワーレン

イヴリン・ワーレンは教師である。しかもただの教師ではない。年間最優秀教師に選ばれたすばらしい教師である。

そしてタイム誌のカヴァーストーリーとなった。

しかし客観的に見れば少々性格が堅苦しく、また世間知らずである。

◆ イヴリンはルーレットで負けた

当然イヴリンはギャンブルなどしたこともない。しかし何を思ったかラス・ヴェガスに出かけてカジノに入った。もちろん初めてのことである。

イヴリンはスロットマシンをすこしだけ動かした後ルーレットのコーナーに来た。

カジノのオーナーのマット・ブラドックが見ている。マットは管理室でタイム誌を見てイヴリンの正体を知った。

普通の映画ならば「負け続けて最後に勝つ」とか「ずっと勝っていて最後に大負け」とかのストーリーである。

しかしイヴリンは最初から負けて、負け続けた。

さて金を精算することになった。イヴリンは70ドルを出した。だがしかし7000ドルと言われた。1ドルとと思っていたチップは100ドルであった。

イブリンに払える金ではない。「知らなかった」と言ったが通用するわけはない。

◆ イヴリンは家庭教師になった

イブリンはマットに呼ばれて管理室に入った。マットはまずタイム誌を見せて、イヴリンを知っていることを示した。

マットはイヴリンに同情したがルールを曲げるわけにはいかない。

ここでマットに電話がかかってきた。娘のダイアンからである。ダイアンは父親が大好きである。またマットの妻は二年前に死亡している。

マットは電話を置いて少し考えた。

イヴリンに「娘の家庭教師になってほしい」と提案した。ダイアンのためでもあるし、またイヴリンのためでもある。そしてマットが少しばかりイヴリンに惹かれたという理由もあったかもしれない。

意地っ張りのイヴリンは断った。しかし7000ドルを払える見込みはない。

マットは「負けたら家庭教師に」と言う条件でトランプカードを差し出した。イヴリンが引くとキング。イブリンは「勝ち」と思ったが、マットが引いたのエース。

イヴリンはダイアンの家庭教師になることになった。イブリンには秘密だが、実はマットはイカサマをしていた。

◆ イヴリンとダイアンは仲良くなった

マットの屋敷は海岸近くの豪邸である。部屋からも海の景色を眺めることができる。マリーとミニーという二人メイドが世話をしている。

イヴリンはこの屋敷に住み始めた。当然のことながら最初は少しばかりトラブル。しかしイヴリンとダイアンは少しずつ仲良くなった。

二人はピクニックをしたり海で泳いだりした。サイクリング、卓球、乗馬もした。「家庭教師」のはずなのに勉強を教える場面はないが。

ダイアンは日記にイヴリンのことを書いた。

◆ イヴリンとマットは小競り合いが続く

マットは時々屋敷に戻ってくる。するとダイアンは大好きなマットに抱き着いて歓迎する。

イヴリンはダイアンとの仲はうまくいくようになったが、マットとは小競り合いをする。

またマットとぶつかって自分の部屋に入ってきた。部屋の中に全身が映る鏡がある。

イヴリンは鏡の中の自分に向かって「ここを出て行く」と言う。すると鏡の中の鏡像は実像とは違う動きをしてがイヴリンに向かって反論した。

しばらく実像と鏡像は議論をしたが、鏡像の方が議論に勝った。イブリンは残ることになった。

◆ ケイ・ストッダート

イヴリンとマットは行きつ戻りつしつつ次第に距離が詰まっていった。この状況をダイアンは嬉しそうに見ている。

マリーはダイアンに対してイヴリンとマットのことについて「子供が心配することじゃないのよ」と言う。

ある日突然、荷物がいっぱい運ばれてきた。そして女性が入ってきた。ちょうどいたマットに抱き着いた。ケイ・ストッダード。

イヴリンは当然不審な顔をする。マットは「古くからの友達」とケイをイブリンに紹介した。しかし「友達」にしてはやけに親しい。

四人でハイキングをした。ケイは最初は行くつもりではなかったのだが、後から追いかけて来た。ケイだけはスカート&ハイヒールである。

◆ イヴリンとマットは釣りに行った

ダイアンは双眼鏡で海を見ていた。そばにケイが来て話す。

双眼鏡の先にはボートがあった。マットとイヴリンが乗っている。二人で釣りをしている。

イヴリンがマットに黙って甲板においてある箱を開けた。白いガスが噴出した。補足。ここは何かよく分からない。

結果として船が動かくなった。マットは白い布を振って、他の船に助けを求めた。

二人はその船に乗り、もともと乗っていた船はロープで繋げて曳航した。

しかしイヴリンは次第に船酔い。続いて興奮、ロープによじ登ったりする。さらに取った魚を海にばらまく。さらにマットに抱き着いてキス。

港に戻って来たが、イヴリンは自分が何をしたのかまったく憶えていない。

◆ ケイがでていく

マットとイヴリンは屋敷に戻って来た。ケイが出迎えた。イヴリンは自分の部屋に入った。

マットはケイに「イヴリンと結婚する」と宣言した。いやしかしマットとイヴリンは何も約束してないけど。

またマットのところに男性が二人訪問してくる。マットはカジノを売却する話を進めている。マットは自分の職業がダイアンにとってよくないと考えているようである。

ケイが業者に頼んで荷物を運び出している。ケイはイヴリンの部屋に行って出て行く旨を告げる。

タクシーが来てケイが乗り込む。ここでイヴリンもタクシーに乗り込む。タクシーは出発。補足。イヴリンが出て行く理由は不明。少なくとも私には分からない。

◆ ダイアンが行方不明

マットとダイアンが話す。マット「イヴリンが出て行った。心配することはない」「私が何か悪いことをした?」「原因は俺にある」。

マットは「大きな船を買ってやる」とか「ハワイに遊びに行こう」とか言うがダイアンは首を横に振る。マットもそんなことではないことを知っている。

さて自分の家に戻ったイヴリンに電話がかかってきた。相手はマリー。「ダイアンがいなくなった。どこにいるか分からない」。

イヴリンはマットの屋敷に駆けつけた。ちょうどマットも駆けつけたところ。

二人はここで口論をする。口論が盛り上がってきたところで、マリーが隠れていてたダイアンを連れてくる。マリーとダイアンの陰謀であった。

ダイアンはマットに抱き着き、次にイヴリンに抱き着いた。

さてまた二人は口論をしようとする。しかしダイアンが二人を仲裁した。
 


■ 出演作

◆ スティーヴン・マクナリー
(1952)抜き射ち二挺拳銃/The Duel at Silver Creek
(1949)裏切りの街角/Criss Cross
(1950)ウィンチェスター銃'73/Winchester '73
(1951)アパッチの太鼓/Apache Drums
(1958)地獄の五時間/俺に近づくな/Hell's Five Hours
(1953)ネヴァダ非常線/Split Second
(1954)止まった銃弾/A Bullet Is Waiting
(1951)カジノで負けた女教師/The Lady Pays Off

リンダ・ダーネル
(1941)血と砂/Blood and Sand
(1946)荒野の決闘/My Darling Clementine
(1952)海賊黒ひげ/BLACKBEARD, THE PIRATE
(1947)永遠のアンバー/Forever Amber
(1945)戦慄の調べ/Hangover Square
(1948)殺人幻想曲/Unfaithfully Yours
(1945)堕ちた天使/Fallen Angel
(1944)西部の王者/Buffalo Bill
(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young
(1944)明日起こったこと/It Happened Tomorrow
(1951)カジノで負けた女教師/The Lady Pays Off