■ Sunset Boulevard(1950)
売れない脚本家ジョーは借金取りに追われて、大きな屋敷に迷い込んだ。
サイレント映画時代のスター女優しかし今は出演の見込みがないノーマ・デズモンドの屋敷であった。
行く当てもないので住み込んだが、ノーマは自作の自分が出演するはずの脚本の完成を要求した。
しかしノーマの要求は、それだけでは済まなくなってきた。


製作:1950年、脚本:ビリー・ワイルダー他、監督:ビリー・ワイルダー   予告編   予告編  


■ あらすじ

ジョー・ギリス(ウィリアム・ホールデン)は脚本家。正確に言えば売れない脚本家である。脚本を持ち込んでも、けちょんけちょんに貶される。友人に借金を申し込んでも断られている。生活はひっ迫していた。

ある時借金取りに追われて(ロスアンジェルスの)サンセット大通りの大きな屋敷に迷い込んだ。

幽霊屋敷かと思われたが、有名な人物が住んでいた。サイレント映画時代のスター女優ノーマ・デズモンド(グロリア・スワンソン)。一緒に住んでいるのは召使いのマックス(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)。屋敷の中は、ノーマの写真がいっぱいに飾り付けてあった。

ノーマはジョーが脚本家であると知ってノーマが書いた「サロメ」の脚本の手直しを要求した。「サロメ役はあなた?」「他に誰がいるの?」。

行く当てもなかったので屋敷に住み込んで手直しを行った。売れなくなった女優とまだ売れない脚本家の同居が始まった。創造的な仕事ではなかったが、ちょうど良い稼ぎになりそうである。

ノーマがでている場面を修正しようとすると拒否される。ノーマは過去の栄光に酔いしれている。毎日ノーマの出演映画を見せられた。

ノーマには今でもファンレターが届くそうである。またすぐに出演の話があるようである。注、実はマックスが工作している。

ノーマは次第にジョーへの愛情を示すようになっていった。部屋はノーマの隣の部屋となる、高級な紳士服を買い与えられた。ジョーは、このような生活を惰性で続けた。

大晦日にパーティが開かれた。楽団が呼ばれて曲を演奏したが、来客は来ずに、二人(とマックス)だけのパーティであった。「脚本が仕上がったらハワイへ行きましょ」。

この時にノーマと喧嘩。飛び出して旧友のアーティを訪ねた。パーティが開かれており、ジョーも知っている仲間たちがどんちゃん騒ぎ。

ベティ・シェーファー(ナンシー・オルソン)と会う。ベティはアーティの恋人。ベティはかつてジョーの脚本を読んでこき下ろした。しかし後で読み直して思い直した。「あなたに会いたかったの。あなたには才能があるわ」。

ベティと話が弾んで、マックスに「屋敷を出ていく」と電話したところ、ノーマが手首を切ったとのことである。急いで屋敷に帰った。ノーマは泣き叫んだ。出ていくわけにはいかなかった。まだ楽団の演奏が続いていた。

その後、ベティが電話をかけてきた。マックスは取りつがない。ノーマと外出した際に偶然にアーティとベティにあった。ベティは「一緒に仕事をしたい」と誘った。しかしその場は分かれた。

ある日、撮影所からノーマに電話が来る。ノーマに対する出演オファーである。

ノーマは着飾って出かけた。以前一緒に仕事をしたデミル監督に会うため。デミルはノーマが以前に送りつけたサロメの脚本をまったく評価していなかったが、しかしノーマを無視するわけにはいかず笑顔で迎えた。周りの人間は伝説のノーマを見て感激。「まだ生きてたの?」。ノーマを取り囲んだ。

デミルはノーマに電話したゴードンに連絡を入れた。実は古い車を撮影のために貸してほしいと言ってきただけ。デミルは「予算が取れない」となんとかごまかす。ノーマは「決まったも同然」と喜んだ。

一緒に撮影所に行ったジョーはベティを見かける。ベティはまた同じように「一緒に仕事をしたい」と言った。「脚本は自由に使ってくれ」と言うと「一か月間アーティーは出張で、その間に脚本を作りたい」と提案された。

夜に屋敷を抜け出してスタジオでベティと一緒に脚本を作成する生活が始まった。

作業の合間に散歩する。いろいろと話す。二人の気持ちが接近していくのは必然の流れである。ジョーは「この仕事が終わったら私を近づけないでくれ」と言う。この言葉は逆にジョーがベティに惹かれていることを示している。ベティがノーマから貰ったジョーのタバコケースを見つける。

作業が終わりに近づいたころ、ベティがジョーをじっと見つめている。「アーティから電話、アリゾナに来い、結婚しようと言われた」。ベティは迷っている様子。

当然ながらジョーの毎晩の行動はノーマの知るところとなる。ノーマは狂乱状態。ベティに電話する。その電話をジョーが取り上げてベティに住所を告げて「ここに来い」。

ベティが訪ねてくるが、ジョーがどのような生活をしていたかを初めて知る。

ベティは「私と一緒にここを出ましょう」と言う。ここでジョーは意外な言葉を吐く。「ここでの契約に不満はない」。屋敷の中を案内して説明した。そしてベティを玄関から送り出した。

ノーマはジョーがベティを拒否したことを喜ぶが、ジョーは荷物をまとめて出ていく支度をする。ノーマは引き留めるがジョーは部屋を出る。狂気となったノーマはジョーを射殺する。

殺人事件を報道するためにカメラマンや記者が屋敷に押しかけた。ここでノーマは「正常」に戻り、サロメを演じながら屋敷の階段を降りていく。カメラが回ってノーマを撮影する。