悪人に支配されているボトルネックの町。保安官が殺害された。そしてかっての名保安官トム・デストリー・Sr.の息子のトム・デストリー・Jr.が副保安官として来た。たちまちのうちに町を浄化してくれるものと期待がかかった。
だが彼は拳銃を持っておらず、町のボスと親しく話した。ボスに賭博で騙されて牧場を盗られた牧場主に「仕方がない」と言うばかりである。町の人々はがっかりした。
だがトムは前保安官の殺人事件を捜査し始めた。
製作年:1939、監督:ジョージ・マーシャル、脚本:フェリックス・ジャクソン、ガートルード・パーセル、ヘンリー・マイヤーズ、原作:マックス・ブランド
■ はじめに
登場人物(キャスト)
トム・デストリー・Sr.(-) 昔の名保安官
キーオ保安官(ジョー・キング)
ウォッシュ・ディムズデイル(チャールズ・ウィニンガー) 新保安官
トム・デストリー・Jr.(ジェームズ・ステュアート) 副保安官
ボリス・スタヴローギン(ミシャ・オウア) 副保安官
レム・クラゲット(トム・ファデン) 牧場主
クラゲット夫人
ジャック・ティンドール(ジャック・カーソン) 通行料の牧場主
ジャニス・ティンドール(アイリーン・ハーヴェイ) ジャックの妹
ハイラム・スレイド町長(サミュエル・S・ハインズ)
ケント(ブライアン・ドンレヴィ) 酒場経営の悪人
フレンチー(マレーネ・ディートリヒ) 酒場の歌手
ジップ・ワトソン(アレン・ジェンキンス)
歌手でもあるマレーネ・ディートリヒが何度か歌っている。すばらしい。
■ あらすじ
◆ ボトルネックは悪人の支配下
ボトルネックの町は悪人のケントに支配されている。ハイラム・スレイド町長はケントの行為を見て見ぬふりをしているというよりも、むしろケントと一緒になって悪事を働いている。
キーオ保安官のみが奮闘している。だが彼らの悪事を止めることはできていない。
◆ クラゲット牧場が盗られた
さてケントは新たな悪事を考えた。クラゲット牧場を乗っ取ることにした。
牧場主のレム・クラゲットを賭博に誘った。彼が煽られて興奮する頃を見計らって牧場を賭けさせた。
そこでケントの女で歌手のフレンチーがわざと酒を溢し、その混乱のスキにカードを取り替えた。
結果、クラゲットが負けた。
◆ キーオ保安官が殺された?
賭博場を出たジャックは拳銃を持ち出して仕返ししようとした。
だがキーオ保安官が「俺に任せておけ」と賭博場に入った。
中から銃声が聞こえた。キーオはそのまま出てこなかった。我々の推測では殺されたと思われた。
◆ 新保安官の任命
スレイド町長はウォッシュ・ディムズデイルを保安官に任命した。
ディムズデイルはいつも酒を飲んで酔っ払っており、保安官の任務が務まりそうにはない雰囲気である。
町の人々は落胆したが、ケントは「素晴らしい人選だ」と満足した。
◆ 副保安官が着任したが、
だがディムズデイルは名保安官トム・デストリーの元で副保安官を務めていた。デストリーは無法者に背後から撃たれて殺された。
ディムズデイルは副保安官としてデストリーの息子トム・デストリー・Jr.を招いた。
殺されてしまったがデストリー保安官の名声は周辺に鳴り響いており、その息子となれば、立派な働きをするだろうと人々は期待した。
トムが到着した。だがトムは保安官の必須アイテムの拳銃を持っておらず、酒場でケントと親しそうに話した。
トムがミルクを注文したので、みんなは笑った。
フレンチーと他の女性が喧嘩して、仲裁に入ったところ、フレンチーはトムに食ってかかり物を投げつけて、トムは酒場から追い出された。
◆ クラゲット牧場はケントの手に落ちた
さてケント一味はクラゲット牧場に近づいた。
牧場ではクラゲットや妻や牧童たちが立て籠ってライフルを構えている。
ケント一味と銃撃戦となった。
現場に来たトムはケントから賭博場でクラゲットがサインした書類を見せてもらって「アンタが正しい」と建物に入った。
トムはクラゲットと話して「今は仕方ない。明け渡しなさい」と言い渡した。
町の人々は「拳銃がいらない理由が分かったぞ」と苦笑した。
◆ ケントは通行料を徴収する
クラゲット牧場の土地は、他の牧場の牛が草を食べに行く時の通り道になっている。
ケントは牛が通る時に通行料を取ることにした。
さっそく牛を連れた牧場主ジャック・ティンドールが今まで通りに通ろうとすると通行料を要求された。
ティンドールは怒って拳銃を取り出した。
だが、そこに現れたトムは「今は仕方がない。通行料を払え」と言う。ティンドールは「奴と組んでるんだな」と唾を吐いた。
町の人々はまたしても苦笑しトムを批判した。ケントは「お前とは気が合う」と笑いながら頷いた。
◆ キーオの死体は?
トムはもう一人の副保安官ボリス・スタヴローギンに行方不明になつているキーオ保安官の死体を探させた。
また自分もいろいろなところを訪ねて聞き取りをする。
フレンチーからいろいろ聞いていると言い合いになった。フレンチーは「キーオと同じになるわよ」と失言した。
ケントはトムが何か動いているので、フレンチーのところに来て「あいつは何をやってるんだ?」と聞く。
フレンチーは部屋を出ていくケントに灰皿を投げつけた。
トムは死体の場所を罠に嵌めて突き止めることにする。
酒場に入る。ケントは「キーオの死体を探しているらしいな」と話す。「保安官としては知る必要があってね」と答えた後「死体が見つかったとしたらどうする?」と鎌をかけた。
ケントはそっと席を外して「死体を確認してこい」と指示する。手下が走って行く。ボリスが跡をつけた。
◆ ジップ・ワトソンが逮捕された
注、ここはストーリーがスキップしていてジップ・ワトソンが犯人として逮捕される。
トムは酒場でワトソンが犯人として逮捕されたことを発表する。
するとスレイド町長は裁判について話す。まず裁判官は自分。その後、その場で陪審員を指定する。
裁判所はケント経営の酒場。「しっかりと飲んで判断してくれ。礼は出す」と暴言。続いてケントが酒はタダで提供すると宣言。
だがトムはマータフ判事に依頼を出している。「マータフ判事であればワトソンは本当のことを白状するだろう」。
保安官事務所。ボリスが戻ってきて書類を見せる。トムは頷いて、その場にいた通行料の件で揉めているティンドールに見せる。ティンドールも頷く。補足。我々には書類の内容は提示されない。
◆ ディムズデイル保安官が殺された
フレンチーが訪ねて来て「ニューオーリンズに行く」と話す。この時に銃声がする。
トムは飛び出す。保安官事務所に行くとディムズデイルが撃たれて倒れておりワトソンが脱獄していた。「背後から撃たれた。顔は見ていない」と言って絶命した。
この事態にいたってトムは仕舞っていた拳銃を取りだした。
◆ 住民たちは立ち上がり、ケントは撃たれた
保安官が殺害されたことで、住民たちが怒って立ち上がった。男性たちは銃を持ってケント酒場に向かった。
それを見ていた女性たちにフレンチーが「あなたたちは何もしないの」と叫ぶと、女性たちも棒を持ってケント酒場を目指した。
酒場のケント一味と男性たちの間で激しい銃撃戦。
そこに女性たちが到着。(銃を持っていないせいか)女性たちは簡単に酒場に入る。一味に殴りかかる。男性たちも突入してきて(銃は使わずに)一味に殴りかかった。
酒場の中は混乱の極致。それを見たケントは二階に避難した。
ここでトムが入ってきてケントを探す。ケントは階段の上から拳銃でトムを狙う。
それを見てフレンチーがトムに知らせようと近づく。
ケントが引き金を引いた。フレンチーがトムに抱き着き、弾はフレンチーに当たった。トムはケントを撃ち、ケントは倒れた。
フレンチーは死亡したが、ボトルネックの町に平和が戻った。