ジーン・シモンズが人生を転換する映画。何をもって人生の転換を図ると判定するのかという肝心(肝腎)なところが微妙だが。

私が考えたところ、これだけある。彼女の映画は全部見たわけではないので、まだあるかも?

「エルマー・ガントリー」がなぜ人生の転換になるのか?」と思われる方がいらっしゃるに違いない。中で解説する。
 


(1953)聖衣、キリスト教弾圧/THE ROBE

出演はリチャード・バートン、ジーン・シモンズ、ヴィクター・マチュア

護民官のマーセラス(リチャード)は次の皇帝になるはずのカリギュラとトラブルを起こしてエルサレムに左遷された。

任務でイエスを捕らえて処刑した。その後、民衆は「イエスが復活した」と噂した。

処刑前にイエスが着ていた赤い色のローブを偶然に手にしたところ、大きな衝撃が走った。それ以来マーセラスは変わってしまった。

マーセラスはキリスト教に帰依しローマに戻った。皇帝となったカリギュラの前に引き出された。

昔の恋人ダイアナ(ジーン)はカリギュラの妻となっていた。

マーセラスが刑場に送られることになった時、ダイアナはカリギュラの隣の席から下りて、マーセラスの隣に立った。

そしてカリギュラを敢然と批判した。

二人は一緒に刑場に送られた。
 


(1953)女優を目指して/The Actress

出演はジーン・シモンズ、スペンサー・トレイシー、テレサ・ライト

ルース・ジョーンズ(ジーン・シモンズ)は父親のクリントン(スペンサー・トレイシー)、母親のアニー(テレサ・ライト)と暮らしている。

ルースはある時劇を見て、女優になりたいと思った。その熱意は尋常ではなかった。天井を見上げて、聞いたセリフを口走っている。 食事の時も持って帰ってきたパンフレットを見て動作が停止している。

両親はルースの思いをかなえてあげたいと思ったが、家は貧乏である。クリントンは、昔船員になりたくて、学校を辞めた経験がある。それを今は後悔している。

オーディションのチャンスがあり、両親の反対を押し切り、恋人を振って出かけた。だが不合格となり、うなだれて戻って来た。それでも熱意は冷めなかった。

またクリントンが期待していたボーナスがでなかった。

でもルースの望みをかなえてやりたくて、クリントンは船員の時の思い出の望遠鏡を取り出して「これを売って足しにしろ」と渡した。

ルースは両親に見送られて出発した。
 


(1956)ヒルダ・クレイン/Hilda Crane

出演はジーン・シモンズ、ガイ・マディソンなど。

ヒルダ・クレイン(ジーン・シモンズ)は二度目(!)の離婚をして故郷に戻って来た。

それを知った昔の恋人で今は建設業をしているラッセル・バーンズ(ガイ・マディソン)が近づいた。ヒルダは、その気になった。

だがこれまた昔の恋人ジャック(ジャン=ピエール・オーモン)も言い寄って来た。ジャックは大学の講師である。だがヒルダは迷ってしまった。

二人の間で迷ってしまって決められない状態になってしまった。補足。ヒルダの性格と言うよりも、ジーンが出演する映画はだいたいにおいて、このような展開になる。

ちなみに母親はジャックがおすすめ。

けっきょくヒルダは二人の間を二往復して、ラッセルと(三度目の)結婚をした。

 


(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark

出演は、ジーン・シモンズ、ダン・オハーリー、ロンダ・フレミングなど。

シャーロット・ブロン(ジーン・シモンズ)は精神病院に一年の間入院して戻って来た。

自宅は自分のものであるが、夫のアーノルド、継母、義姉のジョーン・カーライル(ロンダ・フレミング)などが住んでいる。

さらに夫の同僚のジェイクが同居した。

アーノルドは一階に引っ越しており二人は別の部屋となった。

ジェイクとシャーロットが接近した。また以前の恋人で銀行員のハミルトン・グレゴリーが訪ねてきた。

崖を下りていくと、ボートハウスがあり、幼馴染のマルコム・サウジーがいて、二人で話し込んだ。映画的に見るとマルコムが一番合っている。

このような状況が続いていくが、シャーロットは突然豹変した。自分の精神病の原因が(自分なりに)分かったからである。

アーノルドに離婚を申し渡した。

ジェイクと二人でジェイクの勤務先のボストンに向かう。アーノルドには、家から出ていくように申し渡した。
 


(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry

出演はジーン・シモンズ、バート・ランカスター

営業マンのエルマー・ガントリー(バート・ランカスター)は旅先で、ある宗教団体を見かけた。その団体を率いているのはシャロン・ファルコナー(ジーン・シモンズ)という女性。

シャロンに惹かれて手伝い始めた。二人の努力により、宗教団体は発展していった。

途中でエルマーの昔の女性問題が発覚したりもする。

ここが重要なところだが、二人で話した時に、実はシャロンはキリスト教を信じておらず、単なる仕事と見做している。それでもキリスト教を推進している。

建設していた教会が完成し、そこでシャロンが説教する。

その時に「雷の音で耳が聞こえなくなった」男性が現れた。

シャロンは男性に「神を信じなさい」と語った。もちろんシャロンは今まで語ってきた言葉を型通りに繰り返しただけである。

だが男性は、本当に耳が聞こえるようになり、シャロンと神に感謝した。

この時にシャロンは今までの偽りの信仰を転換して、本当にキリスト教を信じるようになった。

だがここで火災が発生した。人々は逃げ出した。

だがシャロンは直立したまま神に祈って、一歩も動かなかった。

補足。耳が聞こえるようになった時にシャロンが「本当にキリスト教を信じる」というようなセリフを喋るわけではない。だがこれが分からなければ、この映画を理解したとは言えない。
 


(1969)ハッピーエンド、幸せの彼方に/The Happy Ending

出演はジョン・フォーサイス、ジーン・シモンズ、シャーリー・ジョーンズなど。シャーリー・ジョーンズは「エルマー・ガントリー」にも出演。

メアリー(ジーン・シモンズ)は大学を中退してフレッド(ジョン・フォーサイス)と結婚した。娘のマージが生まれた。

だがフレッドの浮気などが原因でメアリーは酒を飲み始めて溺れてしまった。

フレッドはメイドのアグニスに言いつけて、メアリーが酒を飲まないように監視している。だがメアリーは酒を飲み、アグニスは嘘の報告をしている。

突然メアリーはナッソーに行くことにする。アグニスは秘密を守る。

飛行機の中で大学時代の同級生フロー(シャーリー・ジョーンズ)と会った。まだ独身とのことだが、ボウイフレンドと一緒。

ナッソーで詐欺師にもあったりする。フローとボウイフレンドは結婚することになる。

メアリーは戻ってきてフレッドの前から姿を消すことにする。アパートを借りた。マージにも秘密である。

仕事を探して、夜間の大学に行くことにした。アグニスはすべてを知っているが、秘密を守った。
 


■ 出演作

ジーン・シモンズ
(1948)青い珊瑚礁/The Blue Lagoon
(1949)アダムとエヴリン/Adam and Evelyne
(1950)The Clouded Yellow
(1952)天使の顔/Angel Face
(1952)アンドロクレスと獅子/Androcles and the Lion
(1956)ヒルダ・クレイン/Hilda Crane
(1958)大いなる西部/Big Country
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1954)デジレ・クラリー/Desiree
(1954)セラーズ先生、こんにちは/She Couldn't Say No
(1953)聖衣、キリスト教弾圧/THE ROBE
(1954)止まった銃弾/A Bullet Is Waiting
(1967)大いなる遺産/Great Expectations
(1969)ハッピーエンド、幸せの彼方に/The Happy Ending
(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark
(1957)出征するまで/Until They Sail
(1945)キスの相手は?:コメディ/Kiss the Bride Goodbye
(1950)万国博覧会行方不明事件/So Long At The Fair
(1955)殺しのデッドロック/Footsteps in the Fog
(1979)ドミニクの亡霊/Dominique
(1967)ジェリコの夜/Rough Night in Jericho
(1953)女優を目指して/The Actress
 


(1953)聖衣、キリスト教弾圧/THE ROBE

(1953)女優を目指して/The Actress

(1956)ヒルダ・クレイン/Hilda Crane

(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark

(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry

(1969)ハッピーエンド、幸せの彼方に/The Happy Ending