Rough Night in Jericho

ジェリコの町は元保安官の悪人アレックス・フラッドに支配されていた。
保安官が追放された。雑貨店主がリンチされそうになる。フラッドの元恋人モリーが彼らと対決したが、雑貨店主は首を吊るされた。
しかし住民たちに反撃の機運が高まってきた。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1967、監督:Arnold Laven、脚本:Sydney Boehm、Marvin H. Albert、原作:The Man in Black(Marvin H. Albert)


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ドラン(ジョージ・ペパード) 賭博師
 ベン・ヒックマン(ジョン・マッキンタイア) 駅馬車御者
 モリー・ラング(ジーン・シモンズ) 馬車会社のオーナー
 フランク・ライアン(リチャード・オブライエン) 雑貨店主
 ジェイス(ドン・ギャロウェイ) 元副保安官

 アレックス・フラッド(ディーン・マーティン) 元保安官の悪人
 ヤーブロー(スリム・ピケンズ) フラッドの手下
 クレア(キャロル・アンドレソン) フラッドの愛人

モリー(ジーン・シモンズ)がライフルを構えて悪人と対決する場面がある。この場面だけで本作を見る価値がある。また拳銃も使う。ジーンは短髪が多いが、本作では長い髪。
 


■ あらすじ

◆ アレックス・フラッド

アレックス・フラッドは元は保安官だったが、悪の道に転じてジェリコの町を暴力的に支配している。

フラッドは酒場や多くの店、企業を経営している。

町ではフラッドの支配に対して反感が渦巻いている。

◆ 駅馬車が銃撃された

山の中。ジェリコに向かって駅馬車が走っている。御者はベン・ヒックマン。ずっと昔は保安官であった。

乗客は一人、ドラン。ヒックマンが保安官の時は部下であった。今では賭博師である。投げナイフの名人でもある。

さて突然銃声が響いた。ヒックマンが撃たれて馬車が倒れた。

ドランはライフルを持って犯人を追った。犯人と銃撃戦を演じたが、仕留めることはできなかった。

二人は知らないが、実は犯人はフラッドである。

◆ リンチが行われた

フラッドは町に戻って来た。フラッドの手下と雑貨店主フランク・ライアンとの間にトラブルがあった。

フラッドはライアンを捕らえさせて、保安官事務所に行ってライアンの処刑を要求した。

正式な裁判を行うのが筋である。保安官はすぐの処刑を拒否した。フラッドは手下を使って保安官に詰め寄った。

保安官はなすすべもなく立ち往生した。

フラッドは保安官バッジをムシリ取って手下のヤーブローに与えた。ヤーブローが「保安官」となった。

さっそく、ライアンを縛り首にしようとした。正式な裁判を経ない私刑=リンチである。

◆ モリー・ラング

ここで突然、銃声が鳴り響いた。止まった馬車の上に女性が立ってライフルを構えていた。駅馬車会社のオーナーのモリー・ラングである。

ついでながら言っておけば、モリーはフラッドの元恋人という関係。

モリーはリンチを止めてライアンを解放するように要求した。ライフルをフラッドに向けた。

みんなの動きが止まった。周りの住民も心配そうな顔で注目した。

突然、別の方向からムチ(bullwhip)が飛んできてモリーを襲った。モリーは馬車から落ちた。

ライアンの処刑が行われた。

◆ ドランとモリーが....

ドランがケガをしたヒックマンを連れて戻って来た。かなりの重傷である。

ヒックマンはモリーの家の二階に連れ込まれ医師が呼ばれた。命に別状はないものの、かなりの期間はベッドの上にいることになりそうである。

モリーは一生懸命に看病した。ドランも頻繁に訪ねてきた。映画的にはドランとモリーが近づくのは必然である。

◆ 有志の会合

そしてモリーの家で町の有志があつまり「この町を何とかしなければ」と話し合いが行われるようになった。だがなかなか良い案は出なかった。

ヒックマンは少しずつ回復した。

ドランは、この話し合いに対して一定の距離を置いていた。

◆ モリーの家が襲われた

有志の会合は、少しずつではあるが進展していった。

ある夜、町の一部が爆破された。このような事件が続いた。もちろんフラッド一味の仕業である。

モリーの家に一味の数人が乱入してきた。ドランと回復したヒックマンが中心となって、彼らを叩きのめした。

優柔不断であったドランの決意が決まった。

◆ 一味との銃撃戦

情勢は煮詰まりフラッド一味と対決する時である。ドランを中心に具体的な計画を立てた。

今はフラッド一味は町から出ているが、夜には戻ってくる。

有志はライフルを集めて、一味が戻ってくる道路の両側の家々に陣取った。モリーも拳銃を持った。銃を持たない一般市民は安全な家の中に避難する。

夜になった、一味が戻って来た。十分に町の中に入ってくるまで待つ。

フラッドの愛人クレアが大声を上げてフラッドに警告する。

この瞬間にドランが引き金を引いた。そして一斉に銃撃を開始する。二組に分かれて交代で撃ち、銃撃が途切れないようにする。

一味は慌てて反撃をした。撃たれて落馬する者、馬が撃たれ物陰に隠れる者、慌てて逃げ出す者、勇敢にも反撃する者。

激しい戦いであるが、両側の建物に隠れての射撃と道路からの射撃の優劣は明らかである。

しばらく銃撃戦が続いたが、多くの者は手を上げて降伏した。

だがフラッドは馬で逃亡した。

◆ フラッドとの対決

朝になって、ドランはフラッドを追いかけた。

フラッドは荒野を走って行く。ドランが追跡しているのに気がつく。

馬を下りて森の中に入った。枝を折って、むしろ自分の足取りを知らせる。それから岩山に上った。

ドランが追いついた。二人は有利な位置を求めて移動する。お互いに銃撃する。

ドランは拳銃を収めた。銃撃は場所を知らせるからである。分からないように移動する。

フラッドはドランを見失った。

ドランはフラッドの背後から近づいてナイフを投げた。フラッドは倒れた。
 


■ 出演作

ジーン・シモンズ
(1948)青い珊瑚礁/The Blue Lagoon
(1949)アダムとエヴリン/Adam and Evelyne
(1950)The Clouded Yellow
(1952)天使の顔/Angel Face
(1952)アンドロクレスと獅子/Androcles and the Lion
(1956)ヒルダ・クレイン/Hilda Crane
(1958)大いなる西部/Big Country
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1954)デジレ・クラリー/Desiree
(1954)セラーズ先生、こんにちは/She Couldn't Say No
(1953)聖衣、キリスト教弾圧/THE ROBE
(1954)止まった銃弾/A Bullet Is Waiting
(1967)大いなる遺産/Great Expectations
(1969)ハッピーエンド、幸せの彼方に/The Happy Ending
(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark
(1957)出征するまで/Until They Sail
(1945)キスの相手は?:コメディ/Kiss the Bride Goodbye
(1950)万国博覧会行方不明事件/So Long At The Fair
(1955)殺しのデッドロック/Footsteps in the Fog
(1979)ドミニクの亡霊/Dominique