またまた磨き職人のネタを(笑)
今回はブレーキ本体です。数あるフランスのブレーキメーカーで特に著名(だった)なのは"MAFAC"と言っていいでしょう。
それは主にツーリング用の自転車には重用され、特に戦後すぐに発表されたカンチレバー(片持ち)方式のものでした。
そしてもう一つ、それはセンタープルと呼ばれたタイプです。
1950年代のはじめ、DURAL FORGEという名称で発表されました。
デュラルとはもちろんデュラルミン・・・アルミ合金、フォージとは鍛造、つまり鍛造軽合金という、製法をそのまま名前にしたわけです。きっとそれは軽量であるものの脆弱なアルミを合金化してしかも鍛造という技法で粘りも復元性も剛性も強度も確保されているということを訴えたかったのでしょう。
最初はピボット部にオイルを差す穴が設けられていたのですが、60年代に入るとそれは廃止されています。私のデュラル・フォージは60年代の製品です。それはブッシュが赤い樹脂であることからもわかります。
とても綺麗に、鏡面仕上げと呼べるまで磨くことができました。
"DURAL FORGE"の表記が見えますね。鍛造時に生じる「バリ」もヤスリで丁寧に除去し、荒かった仕上げのヤスリ目も綺麗になめらかに仕上げました。
これは同社の”RACER"の原型です。60年代後半になると、このままの形・寸法で"RACER"と刻印された製品が売り出されます。
私の軽量ランドナーには、このデュラル・フォージの後継モデルの"RACER"を使っています。
メーカーも確実なストッピングパワーと正確なブレーキングを達成するためには、このようにピボットボルトを受ける台座をフレームに直付して使うことを推奨していたそうです。
こちらは私の軽量ランドナーのリヤブレーキ。キャリアの固定にもブレーキ台座の兼用をしています。
このデュラル・フォージというブレーキはマファックの製品としては短命なパーツでした。
この頃のフランスレーサーには、このブレーキが採用されていますが、やはりRACERというネーミングの製品が望ましかったのでしょう。
このRACERとは異なり、先日磨いたRAIDは太いタイヤのための、十分なクリアランスを保つブレーキでした。
この他にもマファックは別な考えで派生種を生産しますが、やはり60年代~80年代のマファックといえばこのタイプが代表例でしょう。
ともあれとてもきれいになった"DURAL FORGE"です。
実にフランスパーツらしい佇まいです。綺麗にしてあげて良かったなぁと(笑)
ま、磨き職人ならではの自己満足ではありますが(^O^)
また明日ね('-^*)/
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