時間が無くてなかなか調べる時間がとれなかったのですが、今日は2023年の東大理類の問題は中高一貫校に有利だったのではないか、という説を検証してみたいと思います。
このブログでも何度か触れましたが、今年の東大の理系数学、物理、化学は軒並み難度が上がりました。そうすると、大学受験の準備をより十分に、深くできる中高一貫校の方が有利だったのではないかと考えられます。
しかし、先日も見たとおり東大合格ランキングトップ10校に限れば、合格数は中高一貫校でも昨年より減少した学校が多いですし、現役合格率でも一部の学校を除いて大きな変化はありませんでした。
ただ、文系数学は易しかったということですので、理系だけに絞って見てみると、また違った結果になるのではないかと思って調べてみました。
東大理類現役合格率
東大理類現役合格率は、各学校の理Ⅰから理Ⅲの現役合格者数を合計し、卒業生の人数で割ったものです。推薦入試合格数は二次試験を受験していないのでカウントしません。
まずは今年の結果です。首都圏の東大現役合格率上位の中高一貫校に絞って調べています。
2023
中高一貫校
卒業 人数 |
理Ⅰ | 理Ⅱ | 理Ⅲ | 理類 合計 |
理類現役合格率 | 2022比 増減 |
|
筑駒 | 160 | 40 | 6 | 6 | 52 | 32.50% | 2.50% |
開成 | 393 | 69 | 14 | 3 | 86 | 21.88% | 1.39% |
聖光 | 229 | 26 | 9 | 3 | 38 | 16.59% | 0.80% |
桜蔭 | 231 | 11 | 17 | 10 | 38 | 16.45% | -4.16% |
栄光 | 178 | 20 | 7 | 1 | 28 | 15.73% | 4.10% |
駒東 | 229 | 23 | 5 | 5 | 33 | 14.41% | 4.68% |
麻布 | 295 | 20 | 5 | 2 | 27 | 9.15% | 1.66% |
渋幕 | 349 | 18 | 9 | 2 | 29 | 8.31% | 0.57% |
浅野 | 257 | 13 | 6 | 1 | 20 | 7.78% | 1.65% |
渋渋 | 201 | 9 | 6 | 15 | 7.46% | 2.15% | |
筑附 | 242 | 11 | 5 | 16 | 6.61% | -0.06% | |
海城 | 302 | 16 | 3 | 19 | 6.29% | -2.68% | |
小石 | 153 | 6 | 2 | 8 | 5.23% | -1.73% | |
早稲 | 315 | 12 | 4 | 16 | 5.08% | -0.15% | |
武蔵 | 171 | 6 | 2 | 8 | 4.68% | 0.49% | |
洗足 | 229 | 5 | 3 | 8 | 3.49% | 0.86% |
ご覧のように中高一貫校の上位陣の順位は文理合わせたトータルの東大現役合格率の順位とそれほど大きく変わりません。理文合計の東大合格率では同程度の開成と聖光ですが、理系に限ると開成が聖光に差をつけているので、開成の方が理系割合が多く、逆に聖光は文系割合が多いのかな、というあたりはちょっと興味深いところではあります。
さて注目は、2022年の理類現役合格率との比較です。桜蔭を除き、上位陣は軒並みプラスです。-0.5%以上の大きな減少は桜蔭、海城、小石川のみとなっています。
では次に首都圏の公立高校をみてみましょう。都立の日比谷、西、国立、神奈川の横浜翠嵐、埼玉の県立浦和を取り上げます。
首都圏公立高校
卒業 人数 |
理Ⅰ | 理Ⅱ | 理Ⅲ | 理類合計 | 理類現役合格率 | 2022比 増減 |
|
日比谷 | 314 | 4 | 3 | 1 | 8 | 2.55% | -4.91% |
西 | 312 | 2 | 1 | 3 | 0.96% | -2.54% | |
国立 | 317 | 4 | 1 | 5 | 1.58% | -0.63% | |
翠嵐 | 358 | 18 | 5 | 23 | 6.42% | -2.36% | |
浦和 | 353 | 5 | 8 | 13 | 3.68% | 1.12% |
上記のとおり、軒並み大きく数字を減らしています。県立浦和は増加していますが、上記の中で県立浦和のみが男子校というところも興味深いところです。
まとめ
もちろん、年によってそもそもの理文の志望割合は異なることもあるでしょうし、単純に東大理系現役合格率だけで結論づけられないとは思いますが、今年の東大理系の問題は、難度が上がったことにより、中高一貫校、その中でも特に男子校に有利に働いた、ということは言えそうな気がします。
東大の出題傾向は毎年結構変わるので、来年はまたどうなるかわかりませんが、今年のような難度の高い問題が出た年は、やはり中高一貫校有利に働くことになると推測されます。
------
↓たびたびご紹介している若杉氏の徹底攻略シリーズが今年2月に改訂されています。オススメです。
↓中学受験・中高生の親として、色々と示唆に富む考え方が示されています。
-------------
我が家の中学受験総括記事はこちらです↓
中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)
中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)
-------------
↓A3プリンタはいずれ重宝するので安い時期に購入されるのがおすすめです(定番ブラザーの2段トレイ機(MFC-J6983CWD)で現在なら40,000円くらいで購入できればいいと思います)。
↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。
↓社会科を得意とする子向けに、さらに一歩先に行くためオススメの本の紹介です。
↓以下は主に6年生向けのオススメ問題集に関する記事です。
↓以下は幼少時のオススメ知育玩具などに関する記事です。
↓『本気で考える渋幕対策』シリーズです。
--------
↓よろしければ押して頂けると嬉しいです。