これまで語ったことがないのですが、私の公文式に対する考え方を記しておこうと思います。
1 私自身の公文歴
私自身は子供の頃公文式をやってまして、小学6年生の時点で数学・国語ともかなりの進度でした。詳細は忘れてしまったのですが、国語は漢文まで進んでいましたし、数学も数列とか微積のさわりくらいまでやっていた記憶があります。全国で進度が進んでいる子の名前が定期的に掲載される冊子が配布されるのですが、結構上の方に載っていたと思います。
通っていた教室からはコンプリートを目指して中学入学後も続けるよう言われましたが、通学時間もかかりますし、部活などが忙しくなりそうなので中学入学時にやめました。そもそも公文がそこまで好きではなかったのかもしれません。笑
今では多少カリキュラムが変わっているのだと思います。ただ本記事は私の経験をもとに書きますので、本当はアップデートが必要なのかもしれません。
この点ご留意ください。
2 息子に公文式をさせなかった理由
さて、私は自分の経験をもとに判断して、息子には公文はさせませんでした。理由はいくつかあります。
①算数は計算力、国語は漢字と要約力の向上の役に立つが、あまり進度が高くなると意味がなくなる
②ルーチンワークになりがちで、特に進度が高くなると真に理解できていない可能性がある
③あまり早いタイミングで進度が進んでも結局忘れる
以下補足します。
①算数は計算力、国語は漢字と要約力の向上の役に立つが、あまり進度が高くなるとあまり意味がなくなる
算数・数学
まず中学受験に関してですが、四則計算や小数・分数の計算は速くなりますので、それは意味があります。
中学受験の算数は時間との勝負という意味合いもありますので、計算が速く正確にできることはアドバンテージです。
ただその点以外はあまり役に立ちません。特殊算もないですし、図形もありませんので。
では中高生の単元までやっていたら入学してから役に立つのか?という点ですが、まあ多少は役に立ちます。基礎的なことは知っているわけですから当然です。
しかし、それだけで何とかなるかというと足りません。応用的なことをやらないので、各単元の難問レベルは公文式だけでは難しいと思います。結局公文式でやっているレベルのことは、それなりの進学校に進むと周りもすぐできるようになるので、あまり意味は無いのです。そこからもう一歩や二歩深められるかは、公文をやっていたか否かにあまり関係ありません。
国語
国語も漢字の習得や要約力の向上には意味があったと思います。中学レベルに入るとかなり高度な文章も読むので、中学受験にも結構役に立つと思います。中学受験対策という意味では、むしろ算数よりも国語の方が意味があると思います。
さらに進むと古文や漢文になるのですが、個人的にはこれは意味がなかったなあと思います。中学受験には当然意味ないですが、中高生時代の古文・漢文にもほとんど意味がなかったです。まあこれは自分のせいかもしれませんが。
以上は昔のカリキュラムを前提にしているので、今は変わっているのかもしれません。一応念のため。
②ルーチンワークになりがちで、特に進度が高くなると真に理解できていない可能性がある
私が公文式を息子にやらせなかった1番の理由はここです。公文式は同種の問題を何度も繰り返して解くのでルーチンワークになりがちなのです。
これは小学生レベルの計算とか、中学生の初期の式の計算や方程式なら、スピードと正確性の訓練として意味があるかもしれませんが、より高度になればなるほど、ルーチンになってしまうと意味がなくなります。単なる作業をしているだけです。
公文式は中高生レベルの高度な単元になっても、無理なく進められるように、作法に忠実に作業していけば解けるようになっています。つまり、さほど頭を使わなくても、まじめにコツコツやれればできるようになるのです。そうすると、本質の理解がなされていなくても、一応できている感は出せるのです。
しかし、それはかりそめのものなので、応用は効きません。公文だけで東大入試を突破できるかといえば、端的に無理と言わざるを得ないのです。
国語についても、漢字の習得には意味があると思いますが、同じ文章を繰り返し読む意味はあまりないでしょう。
もちろん公文式だけできちんと理解できる子も世の中にはいるのでしょうが、私に関しては単に作業をこなしていただけだったなあと思ってしまうのです。
③あまり早いタイミングで進度が進んでも結局忘れる
これも私の反省点なのですが、小学生時代に微積のさわりくらいまで曲がりなりにもやっていて、漢文もさわりくらいまでやっていたはずなのですが、高校生になる頃にはほぼ忘れていたと言ってもいいくらいでした。
例えば微積を高校の授業でやった時も、ああそういうのあったなあ、と朧げな記憶が残っているだけでした。笑
漢文についても読み方くらいは覚えていましたが、まあだから何?という感じですね。笑
中学に入って以降部活やら遊びやらで忙しく、勉強も全然していなかったので、もう完全に忘れてしまったのですね。
数学や国語が大好きというタイプなら良かったのかもしれませんが、あいにくそのようなタイプでもなかったのです。おかげで高校の授業は新鮮な気持ちで臨めました。笑
もちろん一度習得すればもう完璧でもっと先に進めるとか、何度も何度も復習できるという人なら意味があるのかもしれませんが、少なくとも私はそんな感じだったのです。
結局、闇雲に先に進んでも得るものは少ないのです。1年や2年の先取りならまだしも、小学生に微積をやらせても本質的な理解に結びつかないですし、そうすると結局忘れてしまうことになります。適時適切な内容の学習というのがやはり大切なのでしょう。
以上の理由で、息子には公文式はやらせませんでした。
3 もし中学受験の準備として公文をやらせるなら
以上の経験から中学受験を目指す家庭で公文式をやらせるのであれば、以下のような方針が良いのではないでしょうか。
算数
小学校6年生レベル(F教材)までを小学校3-4年生までに完了させるのがオススメです。
とにかくひたすら計算なので、計算力が鍛えられます。高学年になると、これは大きな意味が出てきます。
他方、中学レベル(G教材以降)に入ると、中学受験的にはほぼ意味がない、またある意味有害と言える場合もあるので、好きでやるのでなければ止めても良いです。同じ算数に時間をかけるなら、中学受験用の算数をやってください。
また公文式を中高生レベルまで進めても、私自身の経験からすると中高生になった後のアドバンテージにはあまりならないと思います。繰り返しになりますが、公文式レベルのことは進学校にいけば周囲は皆すぐにできるようになります。つまり、進学校の中高生における数学の成績の差は、公文式で習得できるレベルではつかないのです。小学生で無理に進める必要はありません。
ちなみにここでいう「進学校」とは、サピの偏差値でいうと60前後以上くらいを指しています。そこまでの学校でなければ、公文式の数学を進めておくと多少のアドバンテージとしての意味はあるのかもしれませんので、一応そこは留保しておきます。
国語
現代文を取り扱っている限りは、中学受験的な意味はあります。理想的には、小学生3-4年で6年生レベル(F教材)まで終わらせて、5-6年では中学レベル(I教材まで)を進めるというイメージでしょうか。
ただ、「いろいろな高度な文章を読む」というのはサピックスなどでもやりますので、高学年になっての公文はあくまで余裕があればです。個人的には、5年生、6年生では、公文式の国語に時間を使うよりも、難関校の中学入試向けの国語の問題集や過去問に時間を割いた方がいいと思います。
古文・漢文を取り扱う教材(J教材以降)は私は全然オススメできないのですが、まあ好きでやるならという感じでしょうか。でも中学受験の勉強もあるので、趣味的に好きだと言えるレベルでなければ止めた方がいいです。これも中高生時代に役に立ったとは言い難いところがありますので。
以上あくまで私見ですので、ご留意下さい。
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