破壊の日/PLANETIST プラネティスト | ゆびにんブログ -指人形10,000体作りま…すん-

ゆびにんブログ -指人形10,000体作りま…すん-

日記を書きつつ、ゆるーく指人形10,000体を目指すブログです。

フェルトのほほえみうさぎの指人形
(2015/01/20 制作)


クリコレ開催中、ショウジですショウジ

エスタとオンラインショップで開催されているクリスマスカードコレクション2020にて

ツッパリサンタとツッパリトナカイの指人形のクリスマスカードが現在販売されています。

詳細はこちら

色々なクリスマスカードが販売されてますんでぜひ見てみてください♪




さてさて!

私が映画好きになるきっかけであり、私的オールタイムベストでも1位の

『ナイン・ソウルズ』を撮った豊田利晃監督の新作2本がシアターキノにて上映されました。

『破壊の日』は本来ならば東京オリンピックの開会式が行われる7月24日から

不況が危ぶまれる全国のミニシアターで一斉公開される予定だった作品。

実際はコロナのせいでオリンピックは中止になってしまい

ミニシアターはオリンピック開催期間どころか年間通して不況になり

本作も7月24日に間に合うかどうかギリギリの状態で制作されました。

私は2月8日に始まったクラウドファンディングに参加していたので

クラファンの参加者向けの制作日記を進行形で読んでいたこともあり

オリンピックなくなったけど制作するの?やるのね!!でも制作間に合うの!?

完成したところで札幌で上映される!?それ以前に映画館営業できるの!?などと

まるで制作チームに入っているかのように気を揉んでしまいました…

これもある意味クラウドファンディングの醍醐味…

公式にシアターキノで公開されることが発表されても尚、安心は出来ず

キノのHPの公開予定作品一覧に掲載されてやっと人心地がつきましたが

札幌の感染者数がまた増えてきたりして、万が一休館でもされたらまた延期になってしまう…

と上映の当日まで不安は消えませんでした。

結局、映画館の営業は続けられ無事上映となり、やっと観ることが叶いました。

『PLANETIST プラネティスト』は公式からも北海道での上映のアナウンスがなかなか出ず

上映自体を諦めていたので同時上映されて本当に良かった…

他のどんな映画が札幌で上映されなくとも、私は豊田監督の映画さえスクリーンで観られればいい!

くらいのことは思っているのでこの2本を観られた今年はもう映画納めをした気分…

まあ観るんですけどおまけって感じ…

というわけで、以下は2本それぞれの感想です。


『破壊の日』
そんなこんなでついに観た本作。
テレビで大々的に宣伝しているわけではないし
都道府県によって公開の時期がバラバラだし
現在上映中であることを把握している人自体も限られるため
観に行った人はおそらく豊田監督のファンが大半だと思う。
少なくとも豊田作品を1本も観ていない状態で行った人はほとんどいないのではないだろうか。
彼のほとんどの作品は言葉で全てを説明するようなことはせず
本作も肝の部分は説明されないので初見の人だと唖然とすると思う。
私はこれまでの全作品を観ているがあっけにとられた。
というか、新作を観るたびに唖然・呆然としている気がする…
毎度毎度、観た人にわかったような顔をさせない作品を作る人だ…

あらすじをざっと書くと
炭鉱町で未知の怪物が発見された7年後、疫病が流行する。
妹を病で亡くした男が疫病を収めるために即身仏になろうとするものの
友人に止められ一命を取り留めるが、再び姿をくらまし…
という内容なのだけれど、これはあらすじの説明でしかなく、映画の核となるものはここにはない。
監督が作品に込めた思いや伝えたいことは明確にあるとは思うが
私は
「怪物はこの世界を生きる一人一人の中に存在するが
 病によってその怪物を目覚めさせてはならない。
 国家や何者かに任せたり、頼るのではなく、自分で考え、自分で行動せよ。」
というようなことが発せられているように感じた。
これまでの作品にも「こういう風に観ろ!!こういうメッセージを受け取れ!!」
という押し付けがましさが一切なかったけれど、本作はその極みだと思う。
「変われ!」というセリフはあるけれど、人間だけに対して変われと言っているのではなく
地球全体に対しての祈りのように思われた。
『青い春』の屋上、『ナイン・ソウルズ』の建物が消える演出
『モンスターズクラブ』の家族の団欒風景、スクランブル交差点
『I'M FLASH!』の新野風、『ナイン・ソウルズ』『空中庭園』の真っ赤に染まる身体などなど
本作にはこれまでの豊田作品のセルフオマージュが盛り込まれているため
過去作を観ていれば観ているほど楽しめるようになっていて、ファンサービスが良い作品だった。
美術としてはイッセー尾形の漢方薬屋がすごかったけれど
あれは実際にあるお店を借りたんだろうか。

エンドクレジットに名前が刻まれるリターンがついているコースで出資していたので
見逃さないようにしなきゃ…と思っていたら
「クラウドファンディングに参加してくださったみなさま」みたいな文のすぐ隣
なんと1番目に名前が載っていてめちゃくちゃびっくりしたし嬉しかった。
たぶん、参加順にクレジットされたんだろう。
「豊田監督の映画のエンドロールに載りたい!!!」という一心で
説明も何も読まずに登録した甲斐があった。
(説明文は登録した後に読んだ)
その後、衝撃からちょっと放心してしまい、以降のクレジットは若干流し見してしまったのだけれど
ガルーダ・テツ、鬼丸、瀬川晶司の名前は確認した。
ガルーダ・テツは『アンチェイン』に出演
鬼丸は『ポルノスター』『青い春』『ナイン・ソウルズ』『クローズEXPLODE』に出演
瀬川晶司は『泣き虫しょったんの奇跡』の原作者であり出演もしている。
エンドクレジットだけでも何だか同窓会のようになっていてグッと来てしまった。
本当にこれまでの作品の総決算というか
豊田監督と映画を作りたい人たちが集っている感じが良かったなあ…
ところで、鬼丸は昨年の11月に亡くなっているので
ご家族が名義を鬼丸にしたか、亡くなる前に企画を知っていて出資していたとかだろうか…不思議。

『狼煙が呼ぶ』『破壊の日』あともう1本で3部作になるという向きもあるようなので
16分、56分ときて、次は長編でしょ!と勝手に思っている。



『PLANETIST プラネティスト』
小笠原諸島に魅せられて移住した豊田監督が4年間撮りためた映像をまとめたドキュメンタリー。
ちょうど高木瑞穂の『売春島 「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ』を読んでいる最中だったので
小笠原諸島みたいに観光資源がたくさんある島はいいよなあ…と思った。
もちろん原始の自然に近い姿を保ち続けるっていうのはかなりの努力がいることだけれど
ポテンシャルの高さには到底敵わない…
本作は監督が『アンチェイン』ぶりに撮ったドキュメンタリーなのだが
私は『アンチェイン』の方が好みかなあとは思った。人生悲喜劇って感じが好きで。
ところで今回私が観たのは119分の再編集版だったのだけれど
元の146分はどんな感じだったのか気になる。ソフト化する時は146分版にして欲しい。

以下は監督が小笠原に招いたゲストについての雑感。

・GOMA
 未見だが、来歴紹介で『フラッシュバックメモリーズ』の人では?と思ったら
 やっぱりそうだった。観ておけばよかったかな。
 ディジュリドゥの音が心地よくて申し訳ないことにちょっとうたたねしてしまった…
 ディジュリドゥの音に誘われるように鯨が潮を吹くシーンも、彼が描く点描画もすごかった。

・窪塚洋介
 歌うシーンが入っていてそうだ、この人卍LINEだった!って思い出した。
 窪塚は昔からフリーダムな感じがするのと、年食っても清潔感があるのがいいと思う。
 『泣き虫しょったんの奇跡』で主人公の中学生時代を演じていた息子・愛流も出ていた。

・渋川清彦
 他の人よりも出演時間短くない!?と思ったけど
 彼は一瞬でもいいから豊田監督の映画に出るっていうのがモットーなんだった。
 あと、タトゥーを入れているのを知らなかったのでびっくりした。
 片方の腕に「清」って入ってるのはいいとして
 もう片方の「楽」?はなんで筋彫りだったんだろう…入れ途中だったのかしら…

・中村達也
 この人は何に出てるの見ても「動物!!」とか「野生児!!」っていう感じがする。
 俳優の田中要次が監督を務めていても中村達也も出演している
 『ドラムマンz バチがもたらす予期せぬ出来事』という短編を札幌国際短編映画祭で観たのだけれど
 その時のトークショーで
 「ドラムの音が上手く録れていなくてどう調整しても現場での音が出ず、困ったのだが
  中村さんがZAKさんに頼んでくれて現場の音が再現できた」
 というようなことを言っていたのを思い出した。
 本作の演奏シーンも、どう見ても音の収録が難しそうなのにめちゃくちゃ良い音なので
 もしかすると音だけ録り直していると思った人もいるかもしれないが
 今回も調整で何とかしてるんだと思う。

・ヤマジカズヒデ
 岩山を登る中村達也に「ヤマジさんここまで来られるのかな?」って言われてたのが面白かった。
 この人の音楽がつくと豊田監督の映画!って感じがする。
 『ポルノスター』と『ナイン・ソウルズ』くらいでしかdipの楽曲は聞いていないけれど
 dipとしては活動していないんだろうか。



わたくしめの2020年映画ランキング。

今年は大幅に少なくなると思っていましたが何だかんだで例年なみの鑑賞本数になりました。


映画に感動しているうさぎの指人形
「良い映画観たなあ」  ★★★相当

ジョジョ・ラビット    (シネフロ)
PLAY 25年分のラストシーン(オンライン試写@映画.com)
影裏           (シネフロ)
フォードvsフェラーリ   (試写会@ユナイテッドシネマ札幌)
ペイン・アンド・グローリー(サツゲキ)


微笑んでいるうさぎの指人形
「面白かった」  ★★相当

コンフィデンスマンJP プリンセス編(シネフロ)
ミッドナイトスワン        (ユナイテッドシネマ札幌)
パピチャ 未来へのランウェイ   (オンライン試写@Fan's Voice)
ジュディ 虹の彼方に       (シネフロ)
37セカンズ           (試写会@プラザ2・5)
パラサイト 半地下の家族     (ユナイテッドシネマ札幌)
TENET テネット         (ユナイテッドシネマ札幌)
みをつくし料理帖        (鑑賞券@シネフロ)
おらおらでひとりいぐも     (鑑賞券@ユナイテッドシネマ札幌)
破壊の日            (シアターキノ)
佐々木、イン、マイマイン    (オンライン試写@Filmarks)
ライフ・イズ・カラフル!    (鑑賞券@シアターキノ)
ワンダーウォール 劇場版     (サツゲキ)
透明人間            (ユナイテッドシネマ札幌)
少女は夜明けに夢をみる     (シアターキノ)
ジョン・F・ドノヴァンの死と生  (シネフロ)
架空OL日記           (ユナイテッドシネマ札幌)
ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(ユナイテッドシネマ札幌)
のぼる小寺さん         (オンライン試写@Filmarks)
PLANETIST プラネティスト   (シアターキノ)
君が世界のはじまり       (オンライン試写@Filmarks)
一度も撃ってません       (シネフロ)
エジソンズ・ゲーム       (シネフロ)
初恋              (シネフロ)
アイリッシュマン        (シアターキノ)
テルアビブ・オン・ファイア   (シアターキノ)
さよならテレビ         (シアターキノ)
ミッドサマー          (シネフロ)
クレしん ラクガキングダム   (シネフロ)
野性の呼び声          (ユナイテッドシネマ札幌)
マティアス&マキシム      (オンライン試写@Filmarks)
ルース・エドガー        (オンライン試写@coco)
1917 命をかけた伝令      (ユナイテッドシネマ札幌)
音楽              (ユナイテッドシネマ札幌)
鵞鳥湖の夜           (オンライン試写@クランクイン!)
水上のフライト         (オンライン試写@Fan's Voice)
きみの瞳が問いかけている    (オンライン試写@Senkaキャンペーン)
ばるぼら            (鑑賞券@ユナイテッドシネマ札幌)
ファヒム パリが見た奇跡    (オンライン試写@映画.com)
グッバイ、リチャード!     (オンライン試写会)
パブリック 図書館の奇跡     (オンライン試写@Fan's Voice)
ボーダー 二つの世界       (シネフロ)
ラストレター          (試写会@共済ホール)
ステップ            (オンライン試写@Filmarks)
ジオラマボーイ・パノラマガール (鑑賞券@シネフロ)
酔うと化け物になる父がつらい  (ユナイテッドシネマ札幌)
喜劇 愛妻物語          (オンライン試写@cinema cafe)
15年後のラブソング       (オンライン試写@Filmarks)
ぶあいそうな手紙        (オンライン試写@coco)
サイゴン・クチュール      (シアターキノ)
詩人の恋            (オンライン試写@coco)


不満げなうさぎの指人形
「うーん」  ★相当

海辺の映画館 キネマの玉手箱(サツゲキ)
SHELL and JOINT     (オンライン試写@note)
ブリング・ミー・ホーム 尋ね人(オンライン試写@coco)


ランキングにほんブログ村 ハンドメイドブログ 人形・ぬいぐるみへ
 ↑     ↑
年内の劇場鑑賞は残り4本くらいかな…