(2019/09/29 制作)
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『台風家族』の後、午前十時の映画祭で2本、オンライン試写会で1本
そして普通の試写会で1本の計4本の映画を観ているのですが
それらをすっ飛ばして、本日はこちらの作品の感想です。
『狼煙が呼ぶ』
◎あらすじ◎
女性が蔵に置かれた古い箪笥の中から錆びついた回転式拳銃を見つける。
時は幕末まで遡り、狼が祀られた神社に男たちが集まっていた。
果たして男たちは何と戦おうとしているのか…
◎過去に観た同監督作品◎
ポルノスター、アンチェイン、青い春、空中庭園（DVDで観た作品）
ナイン・ソウルズ、蘇りの血、モンスターズクラブ、I'm FLASH!
クローズEXPLODE、泣き虫しょったんの奇跡（劇場で観た作品）
◎観に行くきっかけ◎
豊田利晃監督の作品なので。
ちなみに本作は、お祖父さんが戦時中に使用していた回転式拳銃をお父さんが受け継ぎ
お父さんの死後に豊田監督の手に渡り、結果的に拳銃不法所持で逮捕→9日後に釈放
後に不起訴という一連の出来事をきっかけに作られています。
拳銃自体は錆び付いて使える代物ではなかったということですし
形見の品ですから返して貰いたいところですねえ…
感想をひとことで言いますと
観客の想像によって何通りも物語が生まれる映画
本作は16分の短編でセリフもほとんどありません。
女性が拳銃を見つける（現在）、決起する男たち（過去）、ビルの屋上に佇む一人の男（現在）
と、大きく3つのシーンに分けられる大変シンプルな作品になっています。
拳銃が一体どのような経緯を辿って今日に至るのかもわからなければ
男たちが一体何と戦おうとしているのかもわからず
屋上の男に至っては一体どの時代の人間なのか生きているのか死んでいるのかもわからない
明確に分かることは拳銃が何年もの時を経て女性の手に渡ることだけなんですよね。
作品自体にたっぷりと余白が取られているので
登場人物のバックボーンや、各シーンに至るまでのストーリーについて
観客がいかようにも想像できるようになっているんです。
例えば浅野忠信さんが紙風船を手に持っていること一つ取っても
なぜ紙風船を持っているのか、誰かに託されたのか、託したのは子どもか
『人情紙風船』と何らかの関係はあるのか、などとあれこれ考えることができる。
本作を予告編あるいはパイロット版と取る向きもあるようですが
続きは観客ひとりひとりの脳内で、ってことだと私は捉えました。
パンフレットやチラシに書かれている
“創造することを楽しもう。いつまでも。権力のない想像力は無限の未来を夢見る。そのことを信じて”
という監督の言葉も含めて
「そうじゃないんだよなあ…あのシーンはこういう意味を込めてるんだよなあ…」
って言っちゃいがちなどっかの監督とかそのファンにぶつけてやりたいと思いましたw
映画からああだこうだ想像することは自由だよ。
劇場でかけた瞬間から観客に委ねられていることを忘れないで！
渋川清彦さんを主演に据え、浅野忠信さん、高良健吾さん
常連の仲野茂さん、中村達也さん、そして最後の最後に松田龍平さんと
絵面がとにかく強かったですね。
特に中村達也さんは何度か生でドラム叩くところ見てるんですが、ドラム叩いてる時よりも
映画に出てる時の方がずっと目力が強いw どうしてw
あと今回初めて拝見した伊藤雄和さん。
見たことないけど存在感のある俳優だなあ…と思っていたら
OLEDICKFOGGYというバンドのボーカルの方でした。
豊田監督はスクリーン映えする方を見つけるのがうまいし
ミュージシャンや芸人などを俳優にする手腕が素晴らしいですね。
私には神社に集まる男たちの全身から怒りの煙が出ているように見えましたよ…
シアター内で空調が効いていたことも相まって
スクリーンの中の森から冷たい空気が流れているように感じられてぞわぞわしました。
切腹ピストルズの音楽もまたいいんだこれが…
尺八の音とか肝が冷える迫力がありましたよ。
私はもともと豊田監督の作品が好きなこともあってか、16分で大満足しました。
1,800円も全く高くないと思えたのでこれは凄いことだなと思いましたねえ。
試写会や劇場で2時間観た結果イライラしたりモヤモヤして
時間やお金を返して欲しいと思う映画がある一方
16分1,800円で観客を満足させる映画を作ることが出来るなんて！
ここ数年、短編映画祭でもちらほら観てますが、心に残る短編ってなかなかないんですよねえ…
2016年に観た『感覚』くらいかなあ…
ただあれも30分くらいあったんで、約半分でやってのけている豊田監督はやっぱり凄いと思います。
私的2019年映画ランキング。
同じ星の数でも上に書かれているほどおすすめです。
「良い映画観たなあ」 ★★★相当
天国でまた会おう （ディノスシネマズ札幌劇場）
ウィーアーリトルゾンビーズ （ユナイテッドシネマ札幌）
ロケットマン （ユナイテッドシネマ札幌）
クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅（シネフロ）
「面白かった」 ★★相当
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド（ユナイテッドシネマ札幌）
ハウス・ジャック・ビルト （シネフロ）
シング・ストリート 未来へのうた （ディノスシネマズ札幌劇場【聖地閉店祭名作上映】）
狼煙が呼ぶ （シアターキノ）
アメリカン・アニマルズ （ディノスシネマズ札幌劇場）
アス （ユナイテッドシネマ札幌）
メリー・ポピンズ リターンズ （ディノスシネマズ札幌劇場）
E.T. （シネフロ）
孤狼の血 （ディノスシネマズ札幌劇場【聖地閉店祭名作上映】）
ダンボ （ユナイテッドシネマ札幌）
僕はイエス様が嫌い （シアターキノ）
ブラック・クランズマン （ディノスシネマズ札幌劇場）
マーウェン （ユナイテッドシネマ札幌）
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ（シネフロ）
恐怖の報酬 （ディノスシネマズ札幌劇場）
永遠に僕のもの （シアターキノ）
火口のふたり （オンライン試写会）
コンフィデンスマンJP -ロマンス編- （ユナイテッドシネマ札幌）
ダンスウィズミー （試写会＠シネフロ）
ザ・バニシング - 消失 - （ディノスシネマズ札幌劇場）
マックイーン：モードの反逆児 （ディノスシネマズ札幌劇場）
狼たちの午後 （シネフロ）
LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て （ユナイテッドシネマ札幌）
スパイダーマン：ファー・フロム・ホーム （シネフロ）
スパイダーマン：スパイダーバース （試写会＠ユナイテッドシネマ札幌）
ボヘミアン・ラプソディ （ユナイテッドシネマ札幌）
アベンジャーズ/エンドゲーム （ユナイテッドシネマ札幌）
旅のおわり世界のはじまり （シネフロ）
HOMIE KEI ～チカーノになった日本人～ （ディノスシネマズ札幌劇場）
よこがお （シアターキノ）
エリカ38 （ディノスシネマズHTB劇場＠）
劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜 （ユナイテッドシネマ札幌）
五億円のじんせい （オンライン試写会）
名探偵ピカチュウ （ユナイテッドシネマ札幌）
プロメア （試写会＠プラザ2・5）
JAWS／ジョーズ （シネフロ）
キャプテン・マーベル （ユナイテッドシネマ札幌）
ニューヨーク 最高の訳あり物件 （オンライン試写会）
シャザム！ （試写会＠STVホール）
運び屋 （試写会＠ディノスシネマズ札幌劇場）
台風家族 （シネフロ）
緊急検証！THE MOVIE （ユナイテッドシネマ札幌）
パンドラとアクビ （鑑賞券＠ユナイテッドシネマ札幌）
「うーん」 ★相当
麻雀放浪記2020 （シネフロ）
世界でいちばん悲しいオーディション（ディノスシネマズ札幌劇場）
タロウのバカ （ユナイテッドシネマ札幌）
フォルトゥナの瞳 （試写会＠プラザ2・5）
きみと、波にのれたら （試写会＠プラザ2・5）
長いお別れ （試写会＠プラザ2・5）
空母いぶき （試写会＠プラザ2・5）
ホットギミック ガールミーツボーイ （試写会＠プラザ2・5）
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指人形は渋川清彦さん。