(2020/02/16 制作)
久々に映画ゆびにん、ショウジです
というわけで本日はこちらの作品の感想です。
『影裏』
◎原作◎
既読（沼田真佑の同名小説）
◎あらすじ◎
転勤で知り合いが一人もいない岩手に移り住んだ今野（綾野剛）は
職場内で同い年の日浅（松田龍平）と出会う。
酒を飲んだり、釣りに出かけたり、祭りに行ったりと親しくする二人だったが
ある日の夜釣りを境に日浅は今野の前に現れなくなる。
震災後、同僚から日浅が行方不明になっていることを聞かされた今野は日浅の消息を辿り始め…
◎レンタル予想◎
ヒューマンドラマ
◎過去に観た同監督作品◎
ハゲタカ、るろうに剣心シリーズ、プラチナデータ、3月のライオン 前編、億男
◎観に行くきっかけ◎
龍平さんと綾野剛の共演。
感想をひとことで言いますと
人間のわからなさをわからないまま描いているところが良い
誰だって他者を100％理解することは不可能だし
ましてや自分のことだって100％把握することは不可能。
これまでの人生において経験したことがあるような出来事なら
ある程度までは自分がどういう行動を取るかわかるけれど
未知の出来事に出くわした時に、自分がどういう感情を抱いてどういう行動を取るかはわからない。
そういうことが描かれていました。
観る人がこれまでにどういう人生を歩んできたかによって
見方や解釈がかなり変わる作品になっていると思います。
原作を読んでから観に行きましたが
原作よりもわかりやすくなっていたし、私は断然映画の方が好みでした。
龍平さんが演じていると大体どんな役でも嫌いになれないんですが
日浅は龍平さんがやっていても尚嫌いだったし、むしろ原作以上に嫌いかもしれない…
こんなに嫌だと思ったのは『ボーイズ・オン・ザ・ラン』ぶりですね。
あの役好きって人いないだろうけどｗ
映画オリジナルの日浅の台詞で
「知った気になんな。
お前が見てるのは、ほんの一瞬、光が当たったとこだってこと。
人を見る時はその裏っかわ、影の一番濃いとこ見んだよ」
っていうのがありまして、この言葉こそが本作の肝だと思うんですが
この、よく知りもしねーのに俺のこと好きになってんじゃねえよ的な感じ…イラッとしました。
日浅は人たらしというか、まあ人に好かれるように自分を演出するのが上手いんですよ。
本来の自分を巧妙に隠した上で好かれに行くんです。
（とある理由から本来の自分を出せないっていうのもあるんですが…）
知り合って間もないのに後ろからだーれだ！とかやるし
突然家まで訪ねてくるし、よく知りもしない人んちで平気で眠る。
人との距離の詰め方が異様なんですよね。
こんな感じですんごい懐いて好かれにきたくせに前述のようなことを言って
突然めちゃくちゃ冷淡な態度取るって、もう自分勝手以外の何物でもないなと思いました…
本来の自分をちらりとも見せていないのに、影の部分をちゃんと見てから好きになれ！って無茶だろ…
例え今野が日浅の影の部分を見たとしても彼はいなくなっただろうし。
でもまあ、このセリフが日浅が出した唯一の本心だとすると
今野は本来の彼を垣間見たってことになるのかな…
綾野剛さん演ずる今野は全体的に可哀想でしたね。
だからこそ、中村倫也さんが登場した時とか、最後の方の展開にはホッとしました。
常々思ってるんですけど
間口が広い人ほど内側に誰にも入れない小部屋を持っているような気がします。
私は割と改善されたものの、デフォが人見知りなんで間口こそ狭いんですが
中に入ると意外と広いし、誰も入れない小部屋も今のところないんでぜひ訪ねてきて欲しいです！
とは言え、深淵は見せないで欲しいですけどｗ
頼んでもいないのに深淵見せられがちなんですよね…
誰にも話したことのない話をされるとか…
単純に、私は口堅い方じゃないんでやめといた方がいいですｗ
私的2020年映画ランキング。
★★★はぜひ劇場でご覧いただきたい作品。★★はDVDや配信でどうぞ！
個人的に刺さるものがあると★★★になりやすいです。
「良い映画観たなあ」 ★★★相当
ジョジョ・ラビット （シネフロ）
影裏 （シネフロ）
フォードvsフェラーリ（試写会＠ユナイテッドシネマ札幌）
「面白かった」 ★★相当
37セカンズ （試写会＠プラザ2・5）
パラサイト 半地下の家族 （ユナイテッドシネマ札幌）
少女は夜明けに夢をみる （シアターキノ）
テルアビブ・オン・ファイア（シアターキノ）
さよならテレビ （シアターキノ）
1917 命をかけた伝令 （ユナイテッドシネマ札幌）
音楽 （ユナイテッドシネマ札幌）
ボーダー 二つの世界 （シネフロ）
ラストレター （試写会＠共済ホール）
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指人形は龍平さん演ずる日浅。
そのダサいベストはどっから持ってきたんだ！って思いながら観てました。