(2015/01/20 制作)
本日は今年の試写会一発目の感想、ショウジです
全国公開は来週、1月17日です。
『ラストレター』
◎原作◎
既読(岩井俊二の同名小説)
◎あらすじ◎
少年が好きな人の妹にラブレターを渡してもらうよう依頼するが
妹はその少年を好きだったため手紙を姉に渡さず自分のところで止める。
数十年後、姉は亡くなり、逝去を伝えるため姉の同窓会に妹が訪れるものの
亡くなった姉と勘違いされてしまった妹は姉の死を伝えられず、そのまま姉のふりをする羽目になる。
かつて自分が好きだった人にまで姉だと勘違いされた妹は
もらった連絡先に姉の名前で手紙を送り始めるが
ひょんなきっかけで自分の娘と姉の娘が彼からの手紙を受け取り返事を書く。
そして彼の元には同じ名前・違う筆跡の手紙が届くようになる。
◎レンタル予想◎
ラブストーリー
◎つながり作品◎
Love Letter(へのアンサー作品らしいけどどこらへんがアンサーなのかわからない)
◎過去に観た同監督作品◎
Love Letter、PiCNiC、スワロウテイル、四月物語
リリィ・シュシュのすべて、Jam Films「ARITA」
(好きなのはスワロウテイルだけ。リリィ・シュシュは大嫌いです)
◎観に行くきっかけ◎
原作はくそつまらなかったので映画はどんなもんかなと思って応募。
札幌では少なくとも3回は一般試写会がありました。
やりすぎ。市民もう誰も観に行かないだろ!
感想をひとことで言いますと
じめっとした話を美しい映像でコーティングしたいかにも岩井俊二な作品
高校時代は美しく快活だった少女が
大学で知り合った得体のしれない男と半ば駆け落ち状態で結婚して
そいつがとんでもないやつで自分も娘も暴力を受けて、娘が実家に助けを求めて安寧を得たかと思えば
今度は自身が病気がちになって、最終的に心を病んで死ぬ という暗い話を
高校時代に自分に片思いしていて
大学生になって付き合った彼からの手紙を唯一の心の支えにして生きていた
という美しいエピソードや美しい映像・音楽でくるんで観客から涙のカツアゲ*をする作品でした。
(*©️みうらじゅん)
暴力を受けるシーンや自殺するシーンは一切なく、遺された人の口から過去形で語られるので
映像上では美しく描けるのだと思いますが、このように内容だけ書くと酷い話ですよね。
原作は原作で、妹夫婦のごたごたを中心に描かれているので、凄惨な話は薄められているんですよ。
妹の夫は原作ではモラハラ色強めなキャラクターでしたが
映画では庵野秀明が演じているせいか結構和らいでましたしね。
妻のスマホを風呂に沈没させるのとか勝手に大型犬飼いだすのもコミカルに描かれてたし。
姉の暴力夫は豊川悦司が演じていまして、福山雅治演ずる乙坂と対面するシーンがあるんですけど
こいつが乙坂に投げつける言葉がまーむかつくんだ!!
彼女を奪われた乙坂が心底可哀想でならなかったですよ…
好きな人とは結婚できないし夢には破れるし…
彼女だって乙坂と結婚してたらあんな人生にならなかっただろうに…
岩井俊二が好きな人にとっては好きな作品になるかもしれないけれど
私は人生のままならなさをわざわざこういう形で観たくないんだよなあ…とつくづく思いました。
あんな風にぼかして描くくらいなら暴力シーンとか奪われるシーンを映像として入れてほしい。
今回の試写会は母と行ったのですが、鑑賞後にごちていたら「人生こんなもんだよ」と言われました。
好きな人と結婚出来なかった経験があるだけに含蓄がある……なんて思っていたら
直後に「岩井俊二の映画はこれでいいんだよ。私は岩井俊二にまったく期待してないから」
とばっさり切り捨てられましたがw
私はどこかちょっと期待しちゃってたのかもしれませんね。
私的2020年映画ランキング。
★★★はぜひ劇場で!★★はDVDでもいいんじゃない?という基準で決めています。
「良い映画観たなあ」 ★★★相当
フォードvsフェラーリ(試写会@ユナイテッドシネマ札幌)
「面白かった」 ★★相当
ボーダー 二つの世界(シネフロ)
ラストレター (試写会@共済ホール)
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本作で初めて森七菜を見て上手いなあと思ったのが唯一の収穫かも。
それと、福山が森七菜と広瀬すずの2ショットを撮るシーンは良かったです。