「闇金ウシジマくんPart３」　★★★～TVドラマも映画も大幅パワーダウン

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」

TVドラマも映画も大幅パワーダウン★★★

闇金ウシジマくんコミック 1-36巻セット (ビッグコミックス)

20,445円

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【　出演　】山田孝之綾野剛本郷奏多白石麻衣筧美和子最上もがマキタスポーツ大杉漣藤森慎吾浜野謙太高橋メアリージュン崎本大海やべきょうすけ

【あらすじ】

　10日で5割という法外な金利で金を貸す、社長ウシジマが営む金融屋“カウカウファイナンス”。

　ネット長者の天生祥が主宰する“天生塾”に入塾し人生の一発逆転を狙う派遣社員の沢村真司、妻がいながら美人キャバ嬢を落とそうと躍起になるサラリーマンの加茂守。それぞれのドラマが絡み合い、壮絶なマネーゲームが始まる―

【コメント】

　2014年に鑑賞した『闇金ウシジマくんPart２』を鑑賞して以来、すっかりドラマ＆映画版のウシジマくんにハマってしまい、漫画のほうにも手を出すくらいに僕にとって影響が強かった「ウシジマくん」ですが、TVドラマのSeason3から立て続けに2作の劇場公開ということで、映画版が楽しみで仕方なかったです。

　今回はまずPart３の公開ということで、いてもたってもいられずさっそく「立川シネマシティ」まで勇んで観に行った次第です。

TVドラマも映画も大幅パワーダウン

　うーーーん、まあ面白かったと言えば面白かったけどね～。ぶっちゃけ、Part1とPart2と比較するとパワーダウン感は否めないところですかね～。というか、TVドラマ版も正直ビミョーだったので、それを通してもちょっと残念な出来ですね。

　今回は、本郷奏多演じる派遣社員がビッグマネーを手にするために、いわゆるネズミ講に手を出して転落していく姿と、オリラジ藤森慎吾演じる普通のサラリーマンがキャバ嬢に入れあげて借金漬けになっていく姿が、ウシジマを通して交互にドラマが展開していく、いつものウシジマくん作品ですが、どうもこれまでのエピソードと比べてもパンチがないというか、映画にするほどのエグさがない。「劇場版連続公開！」という触れ込みはいいが、本作はTVドラマでもよかった題材をムリヤリ映画にしてしまった感じがする。悪くは無かったけど、全体的に練りが足りなかった気がしますね。

役者の選抜は相変わらず秀逸、最上もがは・・・

　とはいえ、「ウシジマくん」シリーズに出演する役者の選抜は相変わらず秀逸だなとかんじましたね。

　サラリーマン役のオリラジ藤森慎吾のキャスティングは正直どうなの？という気持ちがありましたが、意外や意外、キャバ嬢にデレデレしていいカッコ見せようとするダメリーマンぶりがピッタリハマっていたし、野心溢れる本郷奏多の派遣社員もまたしかり。恋人役だった読モ役の乃木坂の白石麻衣も意外と悪くなかった。

　それよりなんといっても、今回は天生塾の塾長役である浜野謙太のインパクトは凄かったですね。いかにもインチキ臭そうなちんちくりんのとっつぁん坊やが放つ洗脳ボイスは確かにグイグイとやる気にさせるくらいの勢いがありましたね。

　一方で、今回のカウカウファイナンスの受付嬢役である最上もがは、うーんといったところ。山田孝之の推しとはいえ、あの会社に心優しい人間は要らない。TVドラマの久松郁実のほうが良かった気がします。

挽回なるか？『ザ・ファイナル』は10/22公開

　そんなわけで、今回は正直ムリヤリ作った感があるインパクト薄の物足りないシリーズになってしまったので、最終作となる『ザ・ファイナル』に期待したいところ。映画版はもうちょっとインターバルおいても良かったんじゃないか？という気もしますがね。

　ファイナルでは、TVドラマ版で情報屋の戌亥が口にした“顎戸三兄弟”がメインになり、そこからウシジマの過去を掘り下げていくという、ウシジマがメインの話になりそうなので、今から楽しみです。