「ヒメアノ~ル」 ★★★~森田剛の鬼気迫る怪演が光る! | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」



森田剛の鬼気迫る怪演が光る!

★★★

ヒメアノ~ル

(C)古谷実・講談社/2016「ヒメアノ~ル」製作委員会




(2016年/日本/99分)

【 監督 】
吉田恵輔

【 原作 】
古谷実


【 出演 】
森田剛
濱田岳
佐津川愛美
ムロツヨシ
駒木根隆介
山田真歩
大竹まこと




【あらすじ】

 何の夢も目標もないまま、清掃会社のアルバイトをしている岡田。
 ある日、同僚の安藤から、行きつけのカフェで働くユカの恋のキューピット役を頼まれるが、ユカは逆に岡田に告白に付き合うことになる。
 しかし、ユカはストーカー被害に遭っており、それは岡田の高校時代の同級生であり酷いイジメに遭っていた森田正一だった。
 岡田とユカが付き合っていることを知った森田は、岡田を殺すことを決め、同じく苛められていた和草に協力を仰ぐ。
 そして、次第に森田の暴走は安藤やユカにまで及ぶことになる―


【コメント】

 さて、ファンからの批判もなんのその、凝りもせず漫画原作の実写化を続けまくっている昨今の邦画界ですが、内容的にちょっと気になって観に行ったのが本作。
 古谷実といえばなんといっても「行け!稲中卓球部」で一世風靡した漫画家ですが、本作の原作は未読どころか存在すら知りませんでした。それでも、「稲中」とは違うギャグ路線ではない衝撃作ということでちょいと興味が沸き、夜の「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。


ヒメアノ~ル

(C)古谷実・講談社/2016「ヒメアノ~ル」製作委員会



ラブコメと思いきや、なかなかにエグい展開

 いや~なかなかの衝撃作でしたね~。しょっぱなのラブコメ路線で攻めてきたと思いきや、サイコパスが繰り広げる刺殺、撲殺、射殺のオンパレード。血しぶきと失禁が画面を支配する、なかなかにエグいサイコスリラーでしたね。面白かったッス。
 レイトショーの遅い時間でありながらも劇場は若者カップルを中心としたなかなかの入りでしたが、映画が終わって観客たちは唖然とした表情でしたね。おそらくは森田剛目当てであろう若い女の子3人組は、エンドロール中ずっと半泣きで口を抑えていたのが印象的です。よもやこんなにエグい映画だとは思わなかったんでしょう。それぐらいの衝撃ある映画であることは間違いないですね。


リアルで陰湿、凄惨な殺戮の世界

 しょっぱな、濵田岳とムロツヨシと佐津川愛美が恋してるだ守ってあげるだ付き合うだといった、三角関係的なおもしろラブコメ展開に終始するんですが、中盤あたりからサイコパス森田剛が覚醒し始め、バットで、包丁で、そして拳銃で誰彼かまわず人をぶっ殺しまくる展開に様変わりしていき、一気に凄惨な世界に引きずり込まれます。
 その殺し方がまあなんともリアルで陰湿。バットで頭をぶん殴られればピュピュッと失禁するし、逃げる人間の背中に容赦なく何度も包丁を突き刺しまくる。男だろうが女だろうが知らない人間だろうが警官だろうがお構いなしの殺戮に、後半はもういやーな空気になることうけあいです。
 ショッキングなシーンが連続するので、グロ耐性の無い人には少々キツいかもですね。


森田剛の鬼気迫る怪演が光る!

 そんなサイコ野郎を見事に演じたV6森田剛は、まさに本作のMVPといえるでしょう。本作はまさに彼の功績といっても過言ではないですね。
 とにかく、取りつく島がなく不気味な存在感、ちょっと話しただけで「こいつ絶対にヤバい!」と思わせるような変人ぶり、躊躇なく人をぶっ殺しまくる鬼気迫る怪演が見事でしたね。
 他のジャニーズタレントとは一線も二線も画す、サイコキラーにふさわしい怪演が光っていたと思います。


体当たりで挑んだ佐津川愛美も見事

 個人的には、本作のヒロイン役である佐津川愛美ちゃんの体当たり演技にも拍手を送りたいところです。
 カフェにあんな店員さんがいたら、男ならば誰もが放っておかないであろうキュートなルックスと仕草を持った彼女ですが、本作ではかなりきわどいベッドシーンを披露していて、よくぞここまでやってくれた!と褒めてあげたいレベル。
 いやでも可愛かったですね~。彼女にはもっともっと女優として大成してほしいです。


サイコパスの心理について説明不足だったのが難点

 とまあ、一見絶賛しているような内容になってしまいましたが、サイコパス森田がなぜあんなにも暴走したのか、いささか説明不足だった気がしましたかね。
 確かにサイコの要因は過去のイジメであったり、いじめっ子への復讐から来ているものであることは見てとれましたが、なぜにあんなにもカフェ店員に入れあげたのか、いったいいつから快楽殺人に目覚めたのか、そもそもなぜにあんなに暴走する必要があったのか、ちょっと僕には理解できなかったかなと。
 もうちょっとその難点を保管してくれれば、もっと陰惨でインパクトある作品に仕上がっていたんじゃないかと感じますね。


ヒメアノ~ル

(C)古谷実・講談社/2016「ヒメアノ~ル」製作委員会



【2016年度 Myランキング】(5/28時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
 そろそろ梅雨かな。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:シビル・ウォー キャプテン・アメリカ ★★★★
  2位:オデッセイ ★★★★
  3位:アイ アム ア ヒーロー ★★★★
  4位:マジカル・ガール ★★★★
  5位:HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス ★★★★
  6位:さらば あぶない刑事 ★★★★(思い出補正あり)
  7位:ボーダーライン ★★★☆
  8位:ヘイトフル・エイト ★★★☆
  9位:殿、利息でござる! ★★★☆
 10位:スポットライト 世紀のスクープ ★★★☆
  次点:ズートピア ★★★☆
     ちはやふる -上の句- ★★★☆
     ちはやふる -下の句- ★★★☆


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:セーラー服と機関銃 -卒業- ★★
  2位:X-ミッション ★★☆
  3位:信長協奏曲 ★★☆


<その他ランク外一覧>
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