「セーラー服と機関銃 -卒業-」 ★★~環奈ちゃんの魅力不十分の失敗アイドル映画 | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」



環奈ちゃんの魅力不十分の失敗アイドル映画

★★

セーラー服と機関銃 -卒業-

(C)2016「セーラー服と機関銃 卒業」製作委員会



(2016年/日本/118分)

【 監督 】
前田弘二

【 原作 】
赤川次郎


【 出演 】
橋本環奈
長谷川博己
安藤政信
大野拓朗
宇野祥平
古舘寛治
鶴見辰吾
榎木孝明
伊武雅刀
武田鉄矢




【あらすじ】

 元ヤクザ組長だった18歳の高校生の星泉は、今は組を解散し元組員3人とともに商店街の中で“メダカカフェ”を経営していた。
 ある時、モデル詐欺の相談を受け、そこに乗り込んでいったことから、かつて敵対関係だった浜口組と事を構えることに。しかし、その裏では街を乗っ取ろうとする都市開発グループたちの陰謀が隠されていたのだった―


【コメント】

 1981年に大ヒットした薬師丸ひろ子の代表作『セーラー服と機関銃』が、35年の時を経てまさかの続編公開!しかも、主演はあの“1000年に1人の逸材”として一躍知名度がアップしたアイドル橋本環奈ちゃんが主演!
 とはいうものの、正直続編にも環奈ちゃんにもさほど興味がなかった僕ですが、あの角川映画が総力を上げて?製作した作品のようなので、一見の価値はあるかなと思い、「立川シネマシティ」に足を運んだ次第。日曜の休日出勤の帰りだったので、若干タルかったですが。


セーラー服と機関銃 -卒業-

(C)2016「セーラー服と機関銃 卒業」製作委員会



環奈ちゃんの魅力を十分に引き出せていない失敗アイドル映画

 ごめんなさい、全然面白くなかったッス、これ。なんか、いろんな部分が空回りしているというか、角川は今さらこんな映画作っちゃうのかという肌寒ささえ感じてしまった、空振りしまくりの映画だったと思います。
 80年代の全盛期だった角川アイドル映画を意識して作った感じは何となく感じるんですが、肝心な橋本環奈にそれを支えるだけの魅力が伝わってこない。多少話が飛んじゃったり破たんしたりしたとしても、それを補って有り余る彼女の魅力が伝われば本作は勝ちのハズ。しかしながら、ちょっとカワイイ子がいるな~程度の置物的な存在感で、きちんと彼女の魅力を抽出されていないのはアイドル映画として致命的だと思います。
 加えて、ストーリーもつまらなければ、細かい部分へのツッコミも多い。いろんな部分が空回りしていてダメダメなアイドル映画でしたね。

 
橋本環奈<<<薬師丸ひろ子

 僕はとりわけ薬師丸ひろ子のファンではないし、前作『セーラー服と機関銃』に特別な思い入れはありませんが、こと役者の観点でいけば圧倒的に薬師丸ひろ子の存在感が圧勝でしょう。
 確かに環奈ちゃんは“1000年に1人の逸材”の名に恥じないルックスを誇っているし、ルックスの面でいけば環奈ちゃんのほうが圧勝。環奈ちゃん“だけ”を大スクリーンで観るのであれば最適な作品かも知れません。
 ただ、やっぱり80年代のアイドルと現在のアイドルって決定的に取り扱い方が違うと思うんですよね。80年代はどちらかといえば手の届かない遠くにいる存在であったのに対し、今のアイドルは身近にいるような親近感を持つ雰囲気を持つものが主流。そのオーラが、映画という媒体では決定的に存在感として現れている。
 薬師丸ひろ子がカリスマとまではいかないですが、環奈ちゃんとは明らかに存在感に差があり過ぎたと思います。


演技派の役者を揃えてもなお空回り

 本作で脇を固めている役者さんたちはさすがの演技力。長谷川博己や安藤政信は相変わらずのカッコよさを追及しているし、超ベテランの武田鉄矢をはじめとして鶴見辰吾、榎木孝明、伊武雅刀がビシッと本作を締めるような良い演技をしていたと思いますが、なぜでしょう、彼らの演技が全然引き立っていないし、わざとらしく見えちゃってこれまた空回りしちゃってるんです。
 あれだけのベテランを揃えておきながら、しっかりと演技を捉えていない、まさに役者の無駄遣いといえるでしょう。


橋本環奈版「セーラー服と機関銃」は一聴の価値アリ

 とはいえ、本作の主題歌である橋本環奈版「セーラー服と機関銃」は一聴の価値はあると思います。今聴くとちょっと古臭いかもしれませんが、懐かしさを感じさせつつもメロディは良いし、環奈ちゃんの歌声は魅力的でよくカバーできているかと。




これからどうなる角川映画

 1976年公開の角川映画『犬神家の一族』から40年、角川映画は本作を皮切りに80年代の全盛期を取り戻すべく、様々な企画で再び映画界に打って出ることでしょう。詳細はまだ分かりませんが、本作が非常に微妙なスタートとなってしまった以上、方向転換を免れない状況にあるんじゃないでしょうか。
 角川映画の全盛期をリアルで体験した僕としては、やっぱり金田一耕助のようなミステリーものを手掛けてほしいんですが、今の時代に合うかどうかも難しいところ。
 ともあれ、次なる角川映画復興の起爆剤に注目したいところですね。でも、アイドル系はもうダメでしょう・・・


セーラー服と機関銃 -卒業-

(C)2016「セーラー服と機関銃 卒業」製作委員会



【2016年度 Myランキング】(3/6時点)

 本作は、本年度のワースト3中1位(暫定)にランクイン。
 そろそろ春が来ますな。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:オデッセイ ★★★★
  2位:さらば あぶない刑事 ★★★★(思い出補正あり)
  3位:ヘイトフル・エイト ★★★☆
  4位:
  5位:
  6位:
  7位:
  8位:
  9位:
 10位:
  次点:
     
     


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:セーラー服と機関銃 -卒業- ★★
  2位:X-ミッション ★★☆
  3位:信長協奏曲 ★★☆


<その他ランク外一覧>
ブリッジ・オブ・スパイザ・ウォーク残穢-住んではいけない部屋-白鯨との闘いスティーブ・ジョブズドラゴン・ブレイドゾンビスクール!珍遊記パラドクス






『セーラー服と機関銃 -卒業-』公式サイトはこちら


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