「白鯨との闘い」 ★★★~飢餓感をもっとリアルに描けば、あるいは傑作になったかも | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2016』の掲載にあたって」



飢餓感をもっとリアルに描けば、あるいは傑作になったかも

★★★

白鯨との闘い

(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED



(2015年/アメリカ/122分/In the Heart of the Sea )

【 監督 】
ロン・ハワード

【 出演 】
クリス・ヘムズワース
ベンジャミン・ウォーカー
キリアン・マーフィ
ベン・ウィショー
トム・ホランド
ブレンダン・グリーソン




【あらすじ】

 捕鯨が一大産業だった19世紀アメリカ。
 1819年、ナンタケット港から捕鯨の長旅に出航することになった捕鯨船エセックス号。船長になれなかった一等航海士のオーウェンは、船乗りの家系というだけで船長になったジョージと衝突しながらも、クジラを追い太平洋を進んでいく。
 しかし、沖合4800kmの海域で巨大な白いマッコウクジラと遭遇。オーウェンたちそれに立ち向かっていくが、巨大な力に勝てず船を沈められてしまう。
 わずかな食料と水太平洋を彷徨う船員たち。それをあざ笑うかのように白いクジラは後を追う。そして、その先にあるのはさらなる絶望だった―


【コメント】

 まだまだ寒い時期が続く毎日ですが、土曜のレイトショーはどうしても止められず。
 この日は特段の目ぼしい映画はなかったんですが、近所のシネコンを探ってみて、そういやこれ観てないなとレイトショー鑑賞に決定したのが本作。
 公開からちょっと経ってしまいましたが、これを機会に「MOVIX昭島」に足を運んだ次第です。


白鯨との闘い

(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED



大海原で闘う男たちの迫力の映像

 いやいや、なかなかに面白かったです。無骨な男たちが大海原でバカでかいクジラを相手に戦う雄姿と迫力の映像、堪能させていただきました。
 物語の大半は大海原で展開されていて、当時一大産業とされていた鯨油を我先にと乱獲していた時代を背景に、家族のため、生きるために何か月何年もの月日をかけて危険な海そしてクジラを相手に闘う男たちが熱いです。
 そして、いわゆる“モビーディック”に船を破壊され食料もなく漂流しても、そして仲間だった人肉を食してでも生きようとする生への執着、本作のテーマはまさにこれなんだなと感じさせる骨太なドラマでしたね。これはもう、さすがロン・ハワード監督といったところでしょう。


無骨なイケメン男クリス・ヘムズワース

 本作の主人公オーウェン役のクリス・ヘムズワース。
 最近じゃ「マイティ・ソー」シリーズですっかりアベンジャーズの一員といったイメージですが、本作はそのソーのイメージを払拭するくらいの無骨な海に生きる男を見事に演じていたと思います。
 しかしイケメンですな~。ロン・ハワード監督とは『ラッシュ/プライドと友情』に続く共作ですが、そのときのチャラさとは違ったまさに男前な演技でしたね。ロン・ハワードのお気に入りなんでしょうな。


3Dならばもっと迫力の映像が楽しめたかも

 惜しむらくは、劇場公開がだいぶ経ってからの鑑賞だったため3Dでの上映が終わってしまっており、泣く泣く2Dで鑑賞したところ。
 本作は3Dで観れば迫力は倍増していたかも、と感じさせる場面が多かったですね。何百頭ものクジラがうごめく海原や“モビーディック”が船に襲いかかるシーン、モビーディックのドでかい尾ひれのシーンなどなど「あ~このシーンは3Dで観たかったな~」と思わせる場面が多く、ちょっと悔やんでしまいましたね。
 もし、まだ3D公開されている劇場があるならば、是非とも3Dで鑑賞いただきたい。


飢餓感をもっとリアルに描けば、あるいは傑作になったかも

 本作は、なにもクジラと戦ったり、白鯨が大暴れするアクションシーンだけが見どころではなく、太平洋のど真ん中に放り出され食べ物も水もない状況で、人肉を食してでも生きなくてはいけないという、生きるとは何か?を観客に問題提起しているテーマがありますね。
 これについては、自分だったらどうするかと考えてもらいたいところですが、本作はその状況をかなりライトに表現しているため、いまいちその飢餓感が伝わってこなかったところは惜しいところです。だって、食い物ないのにみんなふくよかなんだもん。
 その部分はもっとリアルに描いても良かったかもしれませんね。とはいえ、R指定は逃れられませんが。その生きるために人肉を食すという倫理への問題提起には強烈に響いたんじゃないでしょうかね。あるいは、それを表現することで傑作に生まれ変わったかもしれません。


併せて読みたいハーマン・メイヴィル著「白鯨」

 “世界十大小説”と評されるハーマン・メイヴィル著「白鯨」。
 本作はその「白鯨」を基にした映画ではなく、「白鯨」の基となった実話を映画化したもので、本作でも若きメイヴィルが登場していますね。
 僕はこの「白鯨」を読んだ記憶があるようなないような微妙なところですが、本作を観た後に「白鯨」を読んでみると、また一味違った感想を得られるかもしれませんね。


白鯨との闘い

(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED



【2016年度 Myランキング】(2/6時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
 仕事の荷が一つ降りた。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:さらば あぶない刑事 ★★★★(思い出補正あり)
  2位:
  3位:
  4位:
  5位:
  6位:
  7位:
  8位:
  9位:
 10位:
  次点:
     
     


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:信長協奏曲 ★★☆
  2位:
  3位:


<その他ランク外一覧>
ブリッジ・オブ・スパイザ・ウォーク残穢-住んではいけない部屋-白鯨との闘い






『白鯨との闘い』公式サイトはこちら




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